近年、健康や美容を意識する人々が注目するスーパーフード・キヌア。実はおよそ5000年前からアンデス地方で育てられ、先住民たちの主食として親しまれてきました。本記事は、キヌアの栄養価や、美容・健康に役立つレシピをご紹介していきます。
スーパーフード「キヌア」の特徴
古くからアンデス地域で受け継がれたキヌアには、さまざまな品種があるのをご存知でしょうか?ここでは、その栄養価や種類、そして保存方法をおさえていきましょう。
キヌアの豊富な栄養価
キヌアは、9種の必須アミノ酸をバランス良く含むほか、食物繊維やビタミンB群、ミネラルなどが豊富に含まれています。白米などの一般的な穀物と比べると、タンパク質含有量が多いため、筋力維持やダイエット中の栄養補給にも最適です。
また、鉄分やマグネシウムといった現代人には不足しがちな栄養素も摂取でき、貧血の予防や疲労回復に役立つ点も魅力ですね。
いろどり豊かなキヌアの種類
キヌアは、一般的にホワイトとブラック・レッドの3種類が流通されています。
ホワイトキヌア | クセが少なく柔らかな食感で、初めてキヌアを試す人におすすめ |
ブラックキヌア | 香ばしさとやや硬めの食感が特徴で、揚げ物の衣に混ぜたりするのがおすすめ |
レッドキヌア | 噛みごたえがしっかりして、料理の食感にアクセントを加えたいときにおすすめ |
用途や味わいが異なるので料理の目的や好みに合わせて使い分ければ、キヌア料理をより楽しめますね。
キヌアの保存方法の注意点
開封前のキヌアを長くおいしく楽しむには、湿気や直射日光を避けて常温保存しましょう。開封後は早めに使い切るのが理想ですが、冷蔵庫で保管すれば品質をある程度維持できます。
また、キヌアを茹でて余った分は密閉容器に入れ、冷蔵庫で2〜3日間・冷凍庫なら2〜3週間保存が可能です。使う際にはカビやにおいをチェックし、問題がなければ炒め物やサラダなどに再利用できます。
豊富な効果!キヌアを摂取する健康メリット
キヌアには、栄養が詰まっているだけでなく、多方面から体をサポートする力があるとされています。ここでは、低GI食品としてのダイエット効果や抗酸化作用・血糖値の安定など、具体的な健康メリットも見ていきましょう。ただし、それぞれの効果については個人差があります。
低GI食品としてのダイエット効果
キヌアは白米などと比べて低GI食品で、血糖値が急激に上昇しにくいのが特徴。ちなみにGI値の数値は、キヌアはGI53・白米はGI73です。
GIとは、食後血糖値の上昇を示す指標、「グライセミック・インデックス」の略。値が低いほど、食後血糖値の上昇率が低く、GIが70以上の食品を高GI食品・56~69の間の食品を中GI食品・55以下の食品を低GI食品と定義しています。
この特性によってインスリンの過剰分泌が抑えられ、脂肪の蓄積を防ぎやすくなります。食物繊維が豊富に含まれているので少量でも満足感を得やすく、食べ過ぎを防止しやすい点もダイエットにうれしいポイントでしょう。
さらに、タンパク質も多く筋肉量を維持しながら体重管理を進められ、リバウンドを防ぎたい方にもマッチした食材かもしれません。バランスよく摂取すれば、健康的なダイエットをサポートしてくれます。
美肌づくりに役立つ抗酸化作用
キヌアにはポリフェノールやビタミンEといった抗酸化物質が含まれており、体内で発生する活性酸素を抑制する働きが期待できます。
活性酸素は細胞の老化を進めてシミやシワなどの肌トラブルを引き起こす一因となるため、これらの減少は美肌づくりに大切ですね。
また、キヌアはアミノ酸バランスにも優れているので、肌のターンオーバーを促進させ、ハリツヤのある状態へサポートしてくれるでしょう。
ビタミンやミネラル類も豊富に含有していて、内側からのケアが重要な美容面でも役立つ可能性があります。
糖尿病予防に血糖値のゆるやかな上昇
糖尿病予防にも注目されているキヌア。上記のように、インスリン分泌の負担を軽減し、血糖コントロールを安定させるのに役立つといわれています。
また、食物繊維が多いのもポイント。消化吸収の速度を緩やかにするため、血糖値の急激な変動を起こしにくい仕組みにつながるでしょう。
さらに、満腹感の持続にも影響するので、カロリーの過剰摂取を防止する効果が高まります。生活習慣病が気になる人には、心強い食品といえますね。
忙しい人でも手軽に!キヌアをおいしく食べるオススメのレシピ
キヌアは、水で15分ほど茹でれば簡単に使用できる穀物です。ここでは、忙しい日々でも取り入れやすいレシピをピックアップしました。
手軽な栄養補給と食卓を彩り豊かに「キヌアサラダ」
さっぱりとした味付けで楽しめるキヌアサラダは、忙しいときでも手軽に栄養を摂取できる一品です。
下茹でしたキヌアとレタスやきゅうりなどの好みの野菜を混ぜ合わせ、オリーブオイルやレモン汁、少量の塩で味を整えるだけで完成。レッドキヌアを使えば彩りも鮮やかになり、食欲をそそる見た目に仕上がるでしょう。
キヌアの2倍量入れた水に火をかけて沸騰したら弱火にし、約15分加熱。茹であがったら味見をし、まだ固ければ鍋にフタをして蒸らします。
とくに筆者のオススメは、春菊やトマト・きゅうりとごまを加えた栄養満点のサラダ。冷蔵庫に常備しやすい材料で作れるので、仕事終わりに疲れた晩ごはんにも最適です。
朝の美容習慣に「キヌア入りスムージー」
スムージーにキヌアをプラスすれば、朝から手軽に栄養補給できます。あらかじめ茹でて冷やしたキヌアを、ほうれん草や小松菜・バナナなどと一緒にミキサーへ入れるだけ。
とろみが増して腹持ちも良く、忙しい朝でも栄養を摂りつつ、美肌に欠かせないビタミンやミネラルも同時に摂取できます。
また、牛乳や豆乳・アーモンドミルクなど、すべてのベースに合うのも魅力ですね。毎朝の習慣にすれば、美容と健康の両面をサポートしながら効率よくエネルギーをチャージできるでしょう。
毎日の食事に取り入れるコツ「キヌアの炊き込みご飯」
主食をキヌア入りの炊き込みご飯に変えるだけで、普段の食卓が栄養アップできます。
作り方はシンプルで、研いだお米と適量のキヌアを一緒に炊飯器に入れます。水加減は通常よりやや多めに調整するだけ。キヌアのプチプチした食感がアクセントとなり、噛むほどに味わいが深まります。
さらに、旬の野菜やきのこ類を加えれば、ボリュームと栄養バランスがさらに向上します。食物繊維が増えると満腹感が得やすく、健康維持やダイエット中にも取り入れやすいメニューですね。
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ライター
pei3
1990年生まれ。海が大好きで、宮古島によくいます。幼い時からスキーを主にしたファミリーキャンプに出かけ、大学時代には川下りや登山・西表島の縦走など47都道府県に行った経験あり。
料理が好きなので、平日は食品メーカーで開発し、週末は身体に優しいマクロビオティックの食事を研究中です。食品表示検定中級・発酵食品マイスターの資格を持つ。