忙しい現代人は便利な加工食品に頼りがち。その結果、子どもと一緒に素材本来の味を感じにくくなっているかもしれません。ここでは、味覚障害への問題提起と自然食で味覚を取り戻す方法についてご紹介します。この記事を読めば、日々の食卓を親子で味わい直すきっかけになるはずです。
自分の味覚は大丈夫と思っている人へ
濃い味付けや添加物に慣れた食生活は、知らず識らずに味覚を鈍らせているかもしれません。味覚障害は高齢者だけの問題ではなく、若者や子どもへのリスクになる可能性があります。まずは自分自身の状態をチェックし、専門家の意見を踏まえた改善策を探っていきましょう。その第一歩として、セルフチェックや医師への相談を経て、適切な改善方法を確認してみてはいかがでしょうか?
あなたは大丈夫?味覚障害セルフチェック
実際に味覚障害のチェックの仕方がわからない人も多いと思いますので、ここでは常日頃の食事で感じる味覚のチェック項目を紹介。以下の項目にひとつでも当てはまる場合、味覚障害の可能性があります。
- 味を感じにくい(味覚減退)
- 味がわからない(味覚消失)
- 何も食べていないのに、苦みや塩味を感じる(自発性異常味覚)
- 甘味や旨みなど、特定の味が分からない(解離性味覚障害)
- 甘いものなのに苦く感じるなど、違う味に感じる(異味症)
- 何を食べても、まずいと感じる(悪味症)
また、自宅で簡単に試せるセルフチェックとして、筆者からも3点お伝えします。
- 普段の食事を薄味にして味の微妙な差を感じ取れるか
- 白湯や無調味の茹で野菜を口に含んで素材本来のわずかな甘味や旨みを感じるか
- 果物や生野菜での加工品に頼らず、果物や生野菜をそのまま味わうことで、「甘い」「苦い」「旨い」といった基本的な味覚がはっきり捉えられるか
これら3つのセルフチェックを行って、ひとつでも当てはまれば味覚障害の可能性があるかもしれません。
このように、気軽に試せる方法があるので、ぜひ試してみてください。
違和感を覚えたら、すぐに医師へ相談!
もし上記のセルフチェックでひとつでも当てはまったら、一度医師に相談しましょう。味覚障害の可能性がある場合は、口腔外科や耳鼻咽喉科・内科を受診します。味覚機能検査や血液検査を通して、亜鉛不足や口腔内の炎症、あるいは別の疾患が関与しているかを特定してもらってください。
原因が明確になれば、あなたに必要な処方を施してくれます。専門家による判断を仰ぐことで、自力では見落としてしまう問題にも適切なアプローチができるでしょう。
医師のさまざまな味覚改善アプローチ
味覚障害の改善方法は、その原因によって異なります。たとえば、亜鉛不足であればサプリや栄養指導、歯や口腔内トラブルなら医療などで改善する可能性が高いです。
また、生活習慣を見直すことも、とても大切です。睡眠の質改善やストレスの軽減・バランスのとれた食事を意識することで、味蕾(みらい・味覚のセンサー器官)の働きが徐々に整います。医師や栄養士のサポートとしっかりとケアを行えば、素材本来の味わい深さを新発見できるかもしれません。
【筆者オススメ】タイパの良い自然食の摂り方!
忙しいときでも、簡単に自然の味を引き出す調理法があれば魅力的ですよね。ここでは、筆者オススメの短時間で調理できて手間を極力省いた自然食レシピをご紹介します。だしの活用や旬の食材選び、やさしい加熱方法を使えば無理なく続けられて、家族みんなで食事をおいしく楽しめます。
だしで素材本来の味を楽しもう
和食の基本である「だし」は素材の旨みを最大限に引き出してくれます。昆布やかつお節し・煮干しなどからシンプルに取っただしは、塩や醤油を少量に抑えても豊かな味わいを感じられますよ。
忙しい時には市販の無添加だしパックを活用するのもポイント。子どもがいる家庭なら、濃い味に頼らずとも満足できる食卓を準備でき、自然と舌が素材の微細な甘味や旨みに繊細になっていくでしょう。
季節にあった旬の食材を使おう
「旬の食材」はその時期ならではの環境で育ち、栄養価や香りがとても高いです。春の山菜・夏のトマト・秋のきのこ・冬の根菜などの季節ごとに巡る豊富な食材は、そのまま焼いたり蒸したりするだけで味が濃く感じられます。
余計な調味料に頼る必要がないので、素材そのものが持つ自然な甘味や旨みが舌全体に染み渡り、味覚をクリアに研ぎ澄ませるはずです。
筆者のイチオシ!せいろ蒸し
筆者の一番のオススメである「せいろ蒸し」は素材を蒸気でじっくり加熱することで、本来の風味や香りを損なわずに仕上げられる手軽な調理法です。
旬の野菜や魚・豚肉をせいろに並べて蒸すだけで、口に入れた瞬間、自然な甘味や旨みが広がります。味付けは少しの醤油や塩で十分なので、調味料による味覚の偏りを防げます。また、蒸している間は手が離せるため、他の作業と並行できるのもうれしいポイント。
冬はやっぱりこれ!鍋料理
鍋料理は素材をだしや水で煮込むだけのシンプルさが魅力ですね。野菜やきのこ類・肉などを加えれば、旨みの相乗効果で奥深い味わいが生まれます。
子どもが苦手な食材でも、鍋に入れることでやわらかな食感と自然な甘味が出るので、新たな「おいしさ」を感じられるかもしれません。一家で囲む鍋は、コミュニケーションも生まれて食卓を楽しい雰囲気にしてくれますよ。
味覚障害については、以下の記事でもご覧になれます。ぜひ参考に読んでみてくださいね。
参考サイト:
ユビー病気のQ&A
元住吉駅前こころみクリニック
あくつクリニック
ライター
pei3
1990年生まれ。海が大好きで、宮古島によくいます。幼い時からスキーを主にしたファミリーキャンプに出かけ、大学時代には川下りや登山・西表島の縦走など47都道府県に行った経験あり。
料理が好きなので、平日は食品メーカーで開発し、週末は身体に優しいマクロビオティックの食事を研究中です。食品表示検定中級・発酵食品マイスターの資格を持つ。