エコなエネルギーを使用して作られた商品が表示できる「グリーンエネルギーマーク」。今回は、マークの意味や成り立ちについて説明します。グリーンエネルギーマークについて知って、地球にやさしいもの選びにつなげてみましょう。
グリーンエネルギーマークとは？
グリーンエネルギーを利用して作られた商品が表示できるマークです。グリーンエネルギーとは、太陽光や風力、バイオマス発電などのこと。一般的には、再生可能エネルギーとも呼ばれています。CO2の排出量が少なく、環境への負荷を抑えられる発電方法です。
地球温暖化などの環境問題が深刻化するいま、グリーンエネルギーの拡大が必要とされています。そこで、グリーンエネルギーの普及を応援できる仕組みとしてスタートしたのが、グリーンエネルギーマークです。
商品の製造に必要な電力のうち、グリーンエネルギーを10%以上使っていれば、マークが表示できます。
マークがあることで、消費者であるわたしたちが、グリーンエネルギーを使用した商品を選べるようになります。マークがついた商品を積極的に購入してもらうことで、グリーンエネルギーがさらに広まることが期待されているのです。
グリーンエネルギー（再生可能エネルギー）については、以下の記事でも解説しています。もっと詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
参考：環境省「グリーン・エネルギー・マーク」
グリーンエネルギーマークとグリーン電力証書の関係
グリーンエネルギーマークとよく似た言葉に「グリーン電力証書」があります。ただし、グリーンエネルギーマークとグリーン電力証書は別のもの。それぞれが違う役割を持っています。
グリーン電力証書は、企業がグリーンエネルギーを取り入れやすくするために作られました。まず、グリーン電力の発電事業者が生みだした電気のぶん、グリーン電力証書が発行されます。
そして、必要とする企業がグリーン電力証書を購入することで、使用した電力をグリーンエネルギーでまかなったとみなされる仕組みです。この仕組みによって、自社で発電を行っていない企業でも、グリーンエネルギーを利用できるようになっています。
一方でグリーンエネルギーマークは、グリーン電力証書をとおして、製造時に必要な電力をグリーンエネルギーでまかなった商品に表示されます。
このように、似た響きをもつグリーンエネルギーマークとグリーン電力証書ですが、役割は全く異なるものだといえるでしょう。
グリーンエネルギーマークがついた商品
日常生活で見かけるグリーンエネルギーマークの商品を紹介します。
カゴメ野菜生活100ホームパック容器／日本テトラパック株式会社
紙パック容器の印刷に必要な電力を、100％バイオマス発電でまかなっています。グリーンエネルギーマークのほかに、FSC（森林管理協議会）の認証も取得しています。
植物由来の原料を使用することで、再生可能資源の活用やCO2の削減に貢献しているのも特長です。
日本テトラパック株式会社は、使用後の紙パックの回収・リサイクル活動に積極的に取り組んでいます。活動の一例としては、学校や教育機関での環境教育支援や出張授業、特設サイトの開設などが挙げられます。
原材料の調達から、製造・販売・リサイクルにいたるまで、環境に配慮し、持続可能な仕組みで作られている商品です。
参考：日本テトラパック株式会社
グリーン電力で作った詰襟学生服／株式会社トンボ
業界初のグリーンエネルギーを利用して作られた学生服です。製造工場では、CO2の発生をゼロにするため、カーボンオフセットに取り組んでいます。
カーボンオフセットとは、どうしても減らせないCO2の排出を、他の場所でのCO2削減活動へ資金を援助することで、相殺する（オフセット）仕組みです。カーボンオフセットにより、制服1着あたり約1.75kgのCO2を削減しています。
トンボの学生服は、PETボトルの再生素材を使用し、原材料から製造過程まで環境への負荷を最小限に抑えて作られています。
参考：株式会社トンボ
オーガニック120 バスタオル／IKEUCHI ORGANIC
老舗タオルメーカーが作るオーガニックコットンを使用したタオルです。IKEUCHI ORGANICが製造するタオルは、製造時の電力を100％風力発電でまかなっていることから「風で織るタオル」とも呼ばれています。
グリーンエネルギーマークのほかに、国際的な環境ラベルの「WindMede（ウィンドメイド）」の認証も取得。地球にやさしいエネルギーと、製造方法で作られた商品です。
アサヒスーパードライ／アサヒビール株式会社
風力発電と間伐材を使用したバイオマス発電によって作られているビールです。缶の外側や外箱に、グリーンエネルギーマークがわかりやすく印字されています。
製造工程では、グリーンエネルギーを使用することで約102,000トンのCO2を削減しています。アサヒスーパードライは、グリーンエネルギーマークがついた商品の中で、最もグリーンエネルギーの使用量が多い商品です。
なじみ深いビールですが、実はグリーンエネルギーの普及に大きく貢献しています。
![アサヒ スーパードライ 缶 [ ビール 350ml×24本 ]](http://ws-fe.amazon-adsystem.com/widgets/q?_encoding=UTF8&ASIN=B0029ZFYJQ&Format=_SL250_&ID=AsinImage&MarketPlace=JP&ServiceVersion=20070822&WS=1&tag=greenfieldstyle-22&language=ja_JP)
ライター
AYA
静岡県出身。海と山に囲まれた自然豊かな環境で育ち、結婚後に、タイ・バンコクへ移住。病気がきっかけで、ヴィーガンのライフスタイルに目覚める。現在は、2児の母として子育てに奮闘しながら、人と環境にやさしいサステナブルな暮らしを実践中。自身の経験をもとに、ヴィーガン、環境問題、SDGsについて情報を発信している。
