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日々の生活がどれほど環境に支えられているか、わかりやすく数値化したのが、エコロジカルフットプリントです。今回はエコロジカルフットプリントの観点から、人間が環境に与えている負荷について説明。負荷を減らすために、個人でできることもご紹介します。

エコロジカルフットプリントとは

エコ ロジカル フット プリント 減らす

エコロジカルフットプリント(Ecological Footprint)という言葉には、「人間が地球環境を踏みつけにした足跡」という比喩も含まれています。一体どういうことなのか詳しく見てみましょう。

環境への負荷を「見える化」するエコロジカルフットプリント

エコロジカルフットプリンとは、人間の生活を支えるために必要な土地の面積のことです。私たちの毎日の生活は、地球上のさまざまな土地を利用することで成り立っています。

たとえば、農地がなくては穀物の生産はできません。酪農を行うためには放牧地が必要です。また、大気中に排出された二酸化炭素を吸収する森林も、人間にとって重要な土地ですよね。

このように土地は資源を生み出し、不要なものを負担してくれます。私たちは土地に支えられることで生きていけます。人間が現在の生活をつづけるために、こうした土地がどれほど必要かをあらわした指標が、エコロジカルフットプリントです。

いいかえると、私たちの生活スタイルが、環境にどれくらいの負荷をかけているのか。これをわかりやすく「見える化」してくれる数値ともいえるでしょう。

エコロジカルフットプリントの計算方法

ひとつの地域のエコロジカルフットプリントは、以下の式で計算できます。

1人あたりの消費 × 人口 × 生産・廃棄効率 = エコロジカルフットプリント

生産・廃棄効率というのは、一定量の資源を生産したり、二酸化炭素を吸収したりするのに必要な土地の面積のことです。この計算式を用いれば、その地域の人たちの生活を支えるのに必要な土地の面積=エコロジカルフットプリントが求められます。

計算式からは、1人あたりの消費が増えるほど、エコロジカルフットプリントが大きくなることがわかりますね。つまり、人間が消費したぶんだけ、環境への負担が増えるということ。環境負荷をより小さくするためには、消費活動をおさえる必要があるのです。

 

世界と日本のエコロジカルフットプリントの現状

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現在のエコロジカルフットプリントの値を知ると、地球が危機に瀕していることがわかります。

エコロジカルフットプリントの国別ランキング

エコロジカルフットプリントの値が大きいのは、先進国や、産業がさかんな途上国です。

2018年時点で、エコロジカルフットプリントが大きい国のランキングを以下の表で見てみましょう。なお、エコロジカルフットプリントの単位は、「グローバルヘクタール(gha)」であらわされます。

順位 国名 エコロジカルフットプリント(gha)
1 中国 55億4088万
2 アメリカ 26億5680万
3 インド 16億3609万
4 ロシア 7億7394万
5 日本 5億8611万

産業が発達しており、人口が多い国が上位に入っています。

世界中の人々が今のような消費ペースで生活をつづけると、地球約1.75個分の土地が必要です。つまり、地球はひとつしかないのに、すでに1.75個分を消費しているということ。人間がこの先も地球で暮らしていくには、世界のフットプリントを地球1個分以下におさえなくてはなりません。

日本人の環境への負荷は地球約2.9個分

前述の表のとおり、日本は第5位にランクインしており、日本人の生活も地球の環境に大きな影響を与えていることがわかりますね。ちなみに、世界中の人々が日本人と同じような暮らしをすると、地球は約2.8個必要になります。

また、都道府県別のランキングでは、東京都が1位。世界の人々が東京都民と同じ生活をしたら、地球が約3.1個必要という結果でした。エコロジカルフットプリントを減らすためには、まずは私たちが、日々のライフスタイルを変えなくてはなりません。

出典:
Data Footprint Network
WWF「環境と向き合うまちづくり」 

エコロジカルフットプリントを減らすには?今すぐできる5つのこと

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エコロジカルフットプリントを減らすために、今日からできることをご紹介します。

①環境負荷が少ない製品を購入する

環境負荷の少ない製品を購入すれば、エコロジカルフットプリントを減らせます。環境に配慮した商品がひと目でわかる、環境ラベルをチェックするのも方法です。まずは日々の買い物から、エコロジカルフットプリントを意識してみましょう。

以下の記事で環境ラベルをチェックしてみてくださいね。

環境保護マークを探そう!環境ラベルで地球にやさしいモノ選び

②3Rを意識する

3Rとは、限りある資源を有効につかうために、消費者が行うべきことをあらわした言葉です。リユース(再利用)・リデュース(ゴミを減らす)・リサイクル(資源の再生)の3つのRを意識すると、エコロジカルフットプリントを減らせますよ。

3Rについては、以下の記事で詳しく説明しています。

3Rでできること【意味から考える、個人・家庭での取り組み具体例とは?】

③食品ロスを減らす

食品ロスとは、まだ食べられるのに廃棄されてしまう食品のことです。日本国内では年間約570万トンの食品ロスが発生しており、そのうち約247万トンが家庭からの廃棄であるとされています。

食糧の生産につかわれる土地の面積は、エコロジカルフットプリントのなかで大きな割合を占めています。食品ロスを減らし、エコロジカルフットプリントの低減に貢献してみましょう。

食品ロスについては、以下の記事も参考にしてください。

3分の1(1 / 3)ルールとは?食品ロスの現状と改善のために私たちができること

出典:消費者庁「食品ロス量(令和2年度推計値)の公表について

④地元の食材を選ぶ

遠い場所でつくられた食べ物は、多くの二酸化炭素を排出して輸送されています。地元で生産された食材を選ぶと、二酸化炭素の吸収に必要なエコロジカルフットプリントを減らせますよ。

⑤節電する

こまめに節電することも、エコロジカルフットプリントの低減に効果的です。とくに日本では火力発電で多くの電気をまかなっているため、発電によるフットプリントは無視できません。

つかっていないコンセントを抜いておく、エアコンの温度を適切に設定するなど、できることは多くあります。

エコロジカルフットプリントは、数値化することが難しい環境負荷を、土地の面積であらわしたユニークな指標です。私たちの生活が、どれほど環境に支えられているかをわかりやすく示してくれます。また、環境問題の解決には、私たち個々の取り組みが必要不可欠であることも教えてくれますね。この記事も参考に、環境への負担を少しでも小さくする生活を意識してみましょう。

ライター

Greenfield編集部

【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。