3分の1ルールとは?
3分の1ルールとは、食品が製造された日から賞味期限までの期間を3等分し、以下の3つの期限をもうけたものです。
- 納品期限:最初の3分の1の期間に、納品しなければいけない。
- 販売期限:次の3分の1の期間に、小売店は店頭で販売してよい。
- 賞味期限:最後の3分の1の期間までは、消費者が食品をおいしく食べられるとする。
たとえば、製造日から賞味期限までの期間が6か月の食品があるとします。その場合、製造日から2か月を超えたものは、小売店に納品できません。納品できない食品のほとんどは廃棄されてしまいます。
こうした3分の1ルールは、とくに法律で定められているわけではありません。食品業界が自主的に行ってきた商習慣です。
海外にも同様の商習慣がありますが、アメリカは2分の1ルールで、ヨーロッパは3分の2ルールです。日本の3分の1ルールがいかに短いかおわかりでしょう。
3分の1ルールによる食品ロス問題の現状
日本国内の現状として、まだ食べられるのに捨てられてしまう「食品ロス」は、年間570万トンです。なかでも3分の1ルールが主な原因といわれているのが、事業系の食品ロスで年間309万トン。3分の1ルールは食品ロスと密接に関わっているのです。
年間570万トンといえば、日本人1人あたりが毎日お茶わん一杯分のごはんを捨てていることになります。これは世界で飢餓に苦しむ人に向けた、食料援助量の約1.4倍に相当するものです。
こうした深刻な食品ロスの現状から、政府や企業によってさまざまな取り組みが進められていますよ。
出典:
農林水産省「食品ロスとは」
消費者庁「食品ロスについて知る・学ぶ」
私たちができる食品ロス削減への4つの取り組み
深刻な食品ロスの問題に対して、個人ができることはあるのでしょうか。私たちができる食品ロス削減への取り組み例を4つ挙げてご紹介します。
➀賞味期限にこだわらない
賞味期限とは「おいしく食べられる期限」のことです。消費期限の「安全に食べられる期限」のことではありません。
この賞味期限はほとんどが短く設定されています。なぜなら、出荷前まではきちんと温度管理などがされていても、出荷後の管理まではメーカー側が把握できないからです。
たとえば、店頭で直射日光に当たった場合なども考慮して、「おいしく食べられるか」を基準に賞味期限は決められています。つまり、賞味期限が近かったり、少し過ぎていたりする食品でも、すぐに食べられなくなるわけではありません。
賞味期限が近くても、積極的に購入すれば食品ロスの問題に貢献できます。具体的には、買い物をするときは棚の奥の商品ではなく、手前の商品から選んでいきましょう。