着るだけで虫に刺されないってほんと?
虫除けスプレーは、時間が経つと効果が落ちてしまうので、何度も塗り直さなければいけませんよね。肌が弱くて虫除けを使用できない、匂いが苦手、という方もいるでしょう。
そんな方にオススメしたいのが、防虫機能付きのウェアです。防虫機能ウェアは、虫が嫌がる成分を含んだ素材で作られています。
メーカーによって、虫が止まっても逃げていくもの、そもそも虫を寄せ付けないものがあり、効果のある虫の種類も違ってきます。
基本的には、ハチやアブなど大きな虫には効果はありませんが、蚊やダニ対策としては、高い効果が実証されています。
しかもこの虫除け効果は、ウェアを洗濯しても持続するというから驚きです。もちろん、虫除けスプレーのような匂いは全くしません。
キャンプや登山などはもちろん、デング熱など、蚊媒介感染症の心配がある海外旅行にも持っていくと安心です。
ただし、防虫ウェアを着ているからといって、100%刺されないということではありませんのであしからず。
防虫機能素材のメーカーは、「スコーロン」「インセクトシールド」「バイタルプロテクション」の3つが代表的です。それぞれの特徴をご紹介します。
スコーロン
スコーロンは、虫除けでおなじみのアース製薬と、大手繊維企業テイジンが共同開発した、防虫効果のある特殊な加工を施した生地です。
生地表面に飛んできた蚊、付着したダニなどが、触覚と足先にある感覚器で防虫機能を感知し、逃げていきます。
つまり、「虫を寄せ付けない」のではなく、「寄ってはくるけれども逃げていく」ということ。
スコーロンは初期性能で90%以上、洗濯20回後でも80%以上の防虫効果を維持します。蚊、ダニに高い効果がありますが、人の肌に影響はほとんどありません。
また、スコーロンはUVカット効果も高く、アウトドアにピッタリの素材です。
そんなスコーロン素材をいち早く採用したのが、釣りや沢登り系のウェアに強いFoxfire(フォックスファイヤー)というメーカー。
フォックスファイヤーのスコーロンウェアは、蚊の多い水辺のアクティビティにはもちろん、キャンパーやハイカーに長年絶大な信頼を得ています。
防虫素材といえばスコーロンといえるほど、圧倒的なシェアを誇っていて、最近はコロンビアなどのメーカーでも採用されています。
インセクトシールド
インセクトシールドは、菊の成分から作られた「ペルメトリン」という虫除け成分を、ナノレベルで結晶化し、繊維に付着させた素材です。
人体への安全性も高く、米国環境保護庁に登録許可されています。ただし、ペルメトリンは猫に対して毒性があるため、猫を飼っている方は保管に注意が必要です。
インセクトシールドは、蚊、ダニの他、ハエやアリにも効果があり、虫が衣服に寄ってきづらくなります。70回の洗濯後でも、蚊は80%以上、ダニは95%以上に効果があると実証されています。
インセクトシールドを主に採用しているのは、オンヨネというメーカーです。
バイタルプロテクション
バイタルプロテクションは、イギリスのヘルスガードヘルスケアが開発した防虫薬品です。
蚊媒介感染症の多い南アフリカで一般的に使用されていて、アメリカのアウトドアブランドSIERRA DESAIGNS(シェラデザイン)が採用し、世界に広まりました。
蚊取り線香にも使われている菊成分を化合した「ピレストリン」という成分を使用し、人体への安全性が高く、虫を寄せ付けにくくします。
蚊、ダニのほか、ハエ、シラミにも効果あり。また、防臭・抗菌作用も付属します。日本では取扱いが少ないこともあり、認知度はあまり高くないようです。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。