スノーボードのダリングとは?
スノーボードの両サイドには、エッジといわれる金属部分があります。
この使わないエッジ部分を削る作業が、「ダリング」です。
新しい板のエッジは手入れがされていない状態なので、自分でこうしたメンテナンスを行わなくてはいけません。
ダリングをすることで板をコントロールしやすくなり、転倒したときや周りの人と接触したときに板の破損やケガを防止することができるのです。
ダリングは初心者でもできる!
エッジを削ると聞くとなんだか難しい作業のように思いますが、やり方さえ知っておけば初心者でも簡単に行うことができます。
ここでは用意するべき道具やダリングのやり方を、専門用語を使わずに詳しく解説していくので、ぜひ内容を参考にしていただければと思います。
もし、自分ではやりたくないという方は、板をスノーボードショップに持っていけば、専門知識を持った店員がダリングをやってくれますよ。
ダリングで準備するべき道具とは?
ダリングで用意すべき道具を4点ご紹介します。
どれも100円ショップなどで購入できるものなので、かんたんに揃えられます。
①ファイル
金属性のやすりです。
力を少しかけるだけでエッジが削れるので、ダリングをするときに重宝します。
②紙やすり400番
ファイルを使用した後は、削れたエッジ部分が粗くなっています。
この400番の紙やすりできれいに整えていきます。
③紙やすり240番(ファイルがない場合)
もしファイルがない場合は、この240番の紙やすりで代用することができます。
④マスキングテープ
スノーボードのダリングする部分に、印をつけるために使います。
ダリングのメリット・デメリット
ダリングをすることで滑走時にエッジが引っかかりにくくなったり、ほかの人や板を傷つけるリスクを減らせるといったメリットがあります。
しかし、失敗できない1度きりの作業であるという点も忘れてはいけません。作業の前に、メリットとデメリット、それぞれの詳細を確認しておきましょう。
メリット➀雪面の凹凸に板が引っかかりにくくなる
ダリングをすることでエッジが丸くなり、雪の凹凸に引っかかりにくくなるので、不意の転倒を減らすことができます。
エッジが引っかかって転倒する逆エッジという転び方は、肉体的にも精神的にも辛いもの。
板が原因の転倒を減らすためにも、ダリングは必要不可欠といえるでしょう。
メリット②人と衝突したときの怪我のリスクを減らす
新品のスノーボードのエッジ部分は尖っているため、ダリングしていない状態で人にぶつかると怪我をさせてしまう可能性があります。
特に、スノーボード初心者は板のコントロールが難しく、滑走時にほかの人と接触してしまうことが多いためダリングは必須です。
メリット③他人の板を傷つけてしまうのを防止する
ダリングをしていない板のエッジは、簡単に他人の板を傷つけてしまいます。
板同士が接触しやすいのが、リフト乗車時です。
スノーボードの板は、物によっては十数万円するものもあるため、相手の板を傷つけるとトラブルになる可能性があります。
こうした不要なトラブルを避けるためにも、ダリングは有効です。
デメリット:削りすぎると元には戻せない
メリットが多いダリングですが、あえてデメリットを挙げるとすれば、間違えてエッジを削りすぎた場合に戻せないという点です。
ダリングで削るのは、滑走に使わない不要なエッジ部分だけです。
滑走に必要な有効エッジと言われる部分を間違えて削ってしまった場合、その部分を元に戻すことはできません。
ダリングをする前に、板の形状を理解するのが大事
ダリングをする部分を見極めるには、自分の板がどのような形状をしているか知っておく必要があります。
自分の持っている板がどの形状か分からない場合は、ここで確認しておきましょう。
キャンバーボード
キャンバーボードとは、スノーボードの板を平らな面に置いたときに、板のセンター部分が地面から浮いている形状のものを指します。
キャンバーはスノーボードで最も主流な形状です。
ロッカーボード
ロッカーボードとは、スノーボードの板を平らな面に置いたときに、板の両端が地面から反りあがるように浮いている形状のものを指します。
フラットボード
フラットボードとは、スノーボードの板を平らな面に置いたときに地面と隙間が無く、フラットな形状なものを指します。
実際にダリングをしてみよう!
自分の板の形状を理解したら、板のダリングを行っていきましょう。
複雑な作業はありませんので、焦らず慎重に作業してください。
ステップ①接雪点にテープで印をつける
接雪点というのは板を平らな面に置いたときに床に接している部分のことで、その名の通りエッジが雪に接する点のことです。
ロッカーボードの場合は板が床から浮いてしまっているので、板を上から押さえつけながら接雪点を探しましょう。
接雪点を見つけたら、そこにマスキングテープなどで印をつけておきます。
ステップ➁ファイルや紙やすりでエッジを削る
接雪点に印をつけたら、それより外側の不要なエッジ部分にやすりをかけていきます。
エッジを削る際は、必ず手袋を装着するようにしましょう。
初めにファイルや240番の紙やすりで粗く削り、仕上げに400番の紙やすりで角を整えましょう。
ステップ③エッジが丸くなっているか確認する
削り終えたら、目視したり実際に触ってみたりして、実際にエッジが丸くなっているか確認します。
もし、削りが甘い場合は、ステップ➁の工程を繰り返して調整をします。
ステップ④滑ってみてから再調整
このステップは実際に滑る際にしかできないので、ダリング後の初滑走でエッジの引っかかりを確認する必要があります。
実際に滑ってみて引っかかりがあれば、再度細かい調整をしていきましょう。
ダリング時の注意点を抑えよう
ダリングの際に、気をつけていただきたい点が3つあります。
ダリングで失敗しないように、これらの注意点をしっかり押さえておきましょう。
室内でする場合は新聞紙などを敷く
ダリングするときは金属の細かい粉が出るので、室内で行う場合には新聞紙などを敷いて行うようにしましょう。
また、ダリングで出た金属の粉はエアコンの風でも簡単に飛んでしまうので、作業するときは窓を閉めて空調を消しておくことをおすすめします。
有効エッジは絶対削らないよう慎重に
ダリングで削るのは、滑走時に使用しない不要なエッジ部分だけです。
有効エッジを削ってしまうと板のパフォーマンスに大きな影響が出てしまうので、接雪点の印は必ずつけるようにしましょう。
自身の持っている板の形状を知っておく
スノーボード初心者の方は板の形状をあまり気にしたことがないかもしれませんが、ダリングをする際は板の形状によって接雪点の見極め方が変わります。
自分の持っている板の形状は、ダリングする前に必ず確認しておきましょう。
今回は、新しい板を買ったらまず最初にやるべき「ダリング」について解説しました。ダリングは自分を守るためにも、相手を傷つけないためにも重要な作業です。また、こうしたチューニングを自分で行っていくことで、板にどんどん愛着が湧いていきます。まだダリングをしていない方は、ぜひこの記事を参考に挑戦してみてください。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。