山小屋といっても、無人の避難小屋から食事や宿泊ができる山小屋、温泉設備の整ったホテル並みの山小屋までさまざまな種類があります。山小屋の仕事にスポットをあて、どのような仕事をしているのか、1日のスケジュールを追いながら紹介したいと思います。
 

山小屋の一日を見てみましょう

山小屋 仕事

一般的な山小屋の1日(仕事内容)

山小屋の朝は早く、午前3時から4時ごろまでには起床します。早朝に出発する登山客が多いため、4時半頃から食事の準備をしはじめて、午前5時頃には朝食が提供できるようにします。

山小屋によっては、登山客にお弁当を作って提供しているところもあります。山小屋の朝は4時半頃から6時頃までが忙しさのピーク。

宿泊している登山客が出発する6時半から7時頃には落ち着いてくるので、スタッフの朝食の時間です。

朝食後は部屋の清掃をして、お天気の良い日にはお客様が使った布団を干します。布団干しや清掃の作業が終わったら、10時半頃まで自由時間。

ただし、週末は忙しいのでほとんど自由時間はありません。昼食は午前11時頃から作りはじめ、登山客に提供し、落ち着いたらスタッフの昼食時間。

あと片づけが終わったら、部屋の清掃や登山道の整備といった雑務、荷揚げ作業などがあります。

午後3時頃から夕食やお風呂の準備がはじまり、お客様の食事は午後5時頃から7時頃まで、スタッフの食事は7時半以降です。

すべての後片付けが終わるのは午後8時頃、そのあとは読書をしたりして思い思いに過ごし、午後10頃に消灯となります。

北アルプス周辺(標高約2,500m)にある山小屋の1日(仕事内容)

山小屋 仕事

北アルプスの周辺、2,500m級の標高にある山小屋の場合は、雪かきや登山道の整備、荷物の運搬といった力仕事があります。

それ以外の業務としては、お客様に提供する料理の調理や配膳、部屋の清掃など、ほかの山小屋とさほど違いはありません。

ゴールデンウイークの頃に山に入って営業をはじめる前には、水源を確保する必要があります。山小屋によっては雪深い山頂付近に水源があり、そこから水を引いてこなくてはいけません。

場合によっては雪に埋もれた水源を掘り出すのに半日かかることも。

登山道の整備には、登山道に覆いかぶさっている樹木の枝を切る作業や、木道の腐食したパーツの交換、はしごや鎖場などの安全確認があります。

雪に埋まってわかりにくい登山道では、地上に出ている樹木に赤いリボンを結ぶなどして登山者が迷わないようにマーキングを行います。

樹木のない岩場では岩にペンキなどを使って印をつけます。どの方向から来ても向かう方向がわかるようにはっきりと印をつけなくてはいけません。

登山道の整備は、チェーンソウや草刈り機なども使用するので、かなり重労働です。体力に自信のあるある人がメインになって作業を行います。

登山道を整備する作業は連休にさしかかって登山客が多くなる前にすませておかなくてはいけません。

荷揚げの方法は小屋によって異なりますが、いまだに麓から強力・歩荷(ぼっか)と呼ばれる荷揚げ専門のスタッフが担ぎ上げている山小屋もあります。

北アルプスの山小屋では、主にヘリコプターを使って荷揚げを行いますが、日常的な小物などはいまだに強力・歩荷(ぼっか)と呼ばれるスタッフが担ぎ上げています。

水源の確保や登山道の整備は、ワンシーズンに数回ほど、荷揚げは2週間に1回ほどのペースです。

1日のスケジュールとしては、早朝2時半~4時までの間が起床する時間、登山客の朝食を調理し、5時頃から6時過ぎまで配膳、接客、6時半頃からスタッフが朝食をとり、あと片付けをします。

登山客が使用した部屋の清掃などが終わったら、登山道の整備や発電機などの整備、水源の管理、浴場の清掃などがあり、それが終わったら昼食の準備がはじまります。

昼食の配膳が終わると、スタッフの昼食時間、後片付けをして休憩をはさみ、夕食の準備にとりかかります。山小屋によっては、受付や売店での業務などもあります。

 

山小屋のアルバイトはどこで募集しているの?

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山小屋で働きたいけれどもどこで募集しているの?という方へ、一般の求人サイトなどでもたまに募集していますが、山小屋の仕事に特化した求人サイトをご紹介致します。

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山小屋では、登山の趣味を兼ねてシーズン中だけ山小屋で過ごす人や、学生さん、他に仕事を持っていて一定期間だけ休暇をとって山小屋で働いている人、写真家さんなど、さまざまな人たちが働いています。

学生さんから50歳以上の登山のベテランまで、男女ともに幅広い年齢層の人たちが働いているので、楽しい良い経験になるはずです。

山小屋 仕事

 
山小屋の仕事について、具体的に1日の流れなどを例にとって説明してきました。週末などの登山シーズンに入るとかなり忙しいようです。荷物を担ぎ上げている山小屋があるかと思えば、ほとんどヘリコプターで荷揚げしているケースも、山小屋によって作業内容や働く環境が異なっています。あらかじめ作業内容などを確認してから応募すると齟齬なく働けるのではないでしょうか。

ライター

Greenfield編集部

【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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