役目を終えた漁網が、毎日身につけるユニフォームに生まれ変わります。宮城県気仙沼市を拠点に廃漁具のアップサイクルに取り組むamu株式会社が、国内の廃漁網を再資源化した生地を使う「amuca® Uniform」の販売を開始。さらに売上の一部を漁網の回収・リサイクル費用に還元し、海と地域に循環する仕組みをつくります。

処分が難しい「廃漁網」を、新たな資源へ

海で魚を獲るために欠かせない漁網。しかし役目を終えたあと、その処分にはさまざまな課題があります。

海水由来の塩分や付着物が残り、複数の素材が使われることもある漁網は、分別や洗浄に手間がかかり、焼却やリサイクルも簡単ではありません。埋め立て処分されるものもあり、漁業者にとって処分費用が負担となっています。また、台風や高潮、事故などで海へ流出すれば、海洋生物に絡みつく「ゴーストギア」や、劣化してマイクロプラスチックとなる可能性もあります。

そんな漁網を「ごみ」ではなく「資源」として捉えているのが、気仙沼発の廃漁網アップサイクルベンチャーamuです。同社が展開するマテリアルブランド「amuca®」では、全国の漁港から使い終えた漁網を回収し、再資源化。これまでも素材販売やさまざまな企業との製品開発を行ってきました。

今回新たにスタートした「amuca® Uniform」は、その循環を企業のオフィスウェアやイベントTシャツ、ワークウェアへと広げる取り組みです。

漁網から生まれた生地を、毎日着るユニフォームに

「amuca® Uniform」のポケット部分に使われる「amuca® Fabric」は、国内で回収した漁網由来のリサイクル糸49%と、リサイクルナイロン糸51%からつくられています。

ボディには綿やオーガニックコットン、ポリエステルなどを用途に合わせて選択でき、プリントや刺繍によるカスタマイズにも対応します。特徴的なのは、単に「再生素材を使った服」で終わらないことです。

amuでは漁網の回収からリサイクル、素材化、製品化までをワンストップで管理。すべての商品に付けられるQRコードを読み取れば、原料となった漁網の種類や回収地域、製品になるまでのプロセスを知ることができます。

すでに、海況データなどを扱うAIスタートアップのオーシャンアイズや、気仙沼の教育・まちづくりNPO「まるオフィス」への先行導入も決定。過去には仙台うみの杜水族館のスタッフユニフォームや、大阪・関西万博で販売されたアーバンリサーチとのアイテムにも、廃漁網由来の素材が採用されています。

「売れたら終わり」ではなく、再び海へ循環する仕組み

そして今回の取り組みで注目したいのが、ユニフォームの売上の一部が、漁網の回収・リサイクル費用に充てられる仕組みです。

企業がユニフォームを導入することで廃漁網が新たな製品に生まれ変わり、その売上が次の漁網を回収・再資源化するための資金になる。製品をつくって販売するだけではなく、事業そのもののなかに資源循環を組み込んでいます。

海の課題を解決するというと、清掃活動や寄付などを思い浮かべるかもしれません。「amuca® Uniform」が提案するのは、企業が日常的に使うものを変えることで、廃漁網の循環に参加する方法です。

かつて海で漁業を支えた網が、今度は街や職場で誰かの仕事着になる。そして、その一着から生まれた売上が、再び海の課題に向き合う資金へとつながっていく。

「いらないものはない世界をつくる。」を掲げるamuが始めた、海と企業、地域をつなぐ新しいユニフォーム。身につけるものから生まれる循環が、これからどのように広がっていくのか注目です。

amuca公式サイト

Greenfieldニュース編集部

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