雲仙普賢岳は、長崎県島原半島に位置する活火山。筆者は、山頂から白い煙が上がる最高峰平成新山を眺めてきました。冬の時季、九州では珍しい雪山や霧氷が見られる人気の登山コースはもちろん、下山後には麓の温泉でもさらに満喫できるので、ぜひチェックしてみてくださいね。
山の鼓動を感じる活火山【雲仙普賢岳】
雲仙普賢岳の特徴やおすすめコースについて紹介します。
地元の人々に親しまれている「雲仙普賢岳」
雲仙普賢岳は、長崎県に位置する活火山で、雲仙火山群の主峰のひとつです。1990年から5年間の噴火活動後、1995年に平成新山が誕生しました。
雲仙普賢岳には、初級から中級まで十分楽しめる登山コースがあります。国見岳の鎖場で味わうスリル感や活火山の煙、国立公園ならではの野鳥や草木、海まで見渡せる絶景など次から次へと変化して退屈しません。リピーターが多いのも納得ですね。
登山口にある登山コース案内では、登山道のレベルが分かりやすく紹介されています。「通行止め」といった路面情報の記載もあるのでお見逃しなく!ここでは、長崎県観光連盟おすすめのコースと中級者向けコースを紹介します。
おすすめコース「仁田峠〜普賢岳往復コース」
わずか2〜3時間で変化に富んだ景観を満喫できる、初心者でも安心して挑戦できるコース。道幅が狭く、一方通行の箇所もありますが、ストレスは少なく楽しく登れます。
おすすめコース | 仁田峠〜普賢岳往復コース |
コースタイム | (登り)約1時間15分 (下り)約1時間 |
距離 | 約4.8km |
関連サイト | 雲仙普賢岳トレッキング|モデルコース|【公式】長崎観光/旅行ポータルサイト ながさき旅ネット |
中級者向けコース「妙見岳・国見岳・普賢岳コース」
雲仙火山群の山峰を巡るスリルある縦走登山コース。妙見岳の絶景を楽しんだ後、すぐに国見岳の急な登りが始まり、スリル満点の登山を体験できます。短時間でも本格的な登山気分を味わえますよ。
中級者向けコース | 妙見岳・国見岳・普賢岳コース |
コースタイム | (登り)約2時間30分 (下り)約1時間 |
距離 | 約5.5km |
参考 | YAMAP雲仙普賢岳 |
今回筆者は、雲仙普賢岳に初めて登るので、おすすめコースを選択。予定通り往復約3時間で戻れました。
雲仙普賢岳の登山道は変化に富んでいますが、筆者は道に迷いそうな箇所は少ないと感じました。登山者の足跡がたくさん付いていて、自然と道がわかりやすくなったようです。多くの登山者に親しまれ、大切にされている山であることを実感しました。ぜひ、今回紹介したコースにチャレンジしてみてくださいね。
雲仙普賢岳登山口(仁田峠)へのアクセス
筆者が歩いたコースの登山口は「仁田峠」にあります。長崎県内でも人気の紅葉スポットのため、多くの観光客が訪れる場所です。仁田峠は温泉街から車で約20分、長崎駅や諫早駅からバスとタクシーでのアクセスも可能。
今回は、雲仙温泉街から仁田峠登山口へ行く際の「仁田峠循環道路」を利用したアクセスを紹介します。
雲仙普賢岳を周回する山岳道路。道幅が狭く一方通行の道路が、仁田峠登山口駐車場へと続く。第二展望所には、平成新山と島原湾を見渡せる絶景ポイントがある。
【仁田峠循環道路】
出典:雲仙お山の情報館
通行時間 | 夏季(4月〜10月)8:00〜18:00(下り線ゲート 18:45施錠) 冬季(11月〜3月)8:00〜17:00(下り線ゲート 17:45施錠) |
所要時間 | 約10分 |
料金 | 無料(ただし、環境保全協力金として100円を支払うことができる) |
問い合わせ先 | 0957-73-3434(雲仙観光局 雲仙温泉観光案内所) |
仁田峠循環道路は積雪や凍結で通行止めになる場合もあります。
筆者が登山で訪れた日も積雪のため通行止めでした。なので多比良・仁田峠分岐点まで引き返し、多比良方面へ向って車で5分程で到着する雲仙野岳駐車場を利用。この駐車場をスタート地点とし、40分ほど歩いて仁田峠登山口まで向かいました。
雲仙普賢岳の見どころ
雲仙普賢岳は5月のミヤマキリシマ、11月の紅葉など四季を通じて楽しめる山ですが、ここでは冬季の人気スポットを紹介します。
冬の風物詩「雲仙普賢岳の霧氷」
雲仙を歩いていると、枝についた氷が冷たい風に当たってどんどん伸びた「霧氷」に出合えます。雲仙では、霧氷を「花ぼうろ」と呼びます。まるで、雪の木が生い茂っているかのようです。山頂へ向かって登るほどたくさんの霧氷に出会え、その美しい光景が雲仙普賢岳の見どころのひとつとなっています。
ただし、霧氷が見られる寒い日は、仁田峠登山口へ続く循環道路が通行止めになる場合があるので、事前に現地の路面状況やルートについて調べておきましょう。
見つけられる?「ガメラ岩」
普賢岳山頂にある突き出たように見える「ガメラ岩」。岩の先端を見てみると断崖絶壁になっていて、さらに風も強く、怖くて先端まで行けませんでした…。
晴れているとその大きな口のシルエットが映え、寒い日は雪でガメラに白いヒゲが生えているように見える、知る人ぞ知る人気の撮影スポットとなっています。見つけにくい場所にありますが、登頂の際はぜひ探してみてください。
運が良ければ出会える!?雲海
運が味方すれば、標高1,404mの仁田峠登山口からでも雲仙普賢岳の神秘的な雲海を望めるかもしれません。
さらに山頂へ足を延ばせば、そこには360度の大パノラマに雲海が広がります。雲海が現れると、まるで天空に浮かんでいるかのよう。目の前に雲と海、そして空の境界が溶け合う幻想的な光景が広がり、見惚れて先へ進めない程です。
下山後は麓の温泉へ
雲仙温泉郷は、雲仙岳の火山活動によって生まれた温泉地で、豊富な湯量と硫黄の香りが特徴。その一角にある 小浜温泉は、日本一の湧出熱量を誇る名湯で、あちこちから白い湯けむりが立ちのぼる風情ある温泉街です。
今回は登山者にも人気のある「小浜温泉」へ立ち寄りました。ニセコ(北海道)や箱根(神奈川)と同じように、雲仙周辺も火山性温泉として親しまれています。
小浜温泉では、街中あちこちから湧き上がる白い湯けむりに、日本一を誇る風情を感じました。中心部には大型市営駐車場(¥2500/1日)があり、散策がてら周辺の温泉やグルメ、橘湾サンセットなども楽しめますよ。
出典:伊勢屋旅館
雲仙普賢岳への登山の後におすすめなのが、小浜温泉「伊勢屋旅館」です。
さらりと心地よい泉質で、熱すぎずちょうどいい温度。脱衣場も清潔感があり気持ちよく癒されます。町の中心部に位置するので、周辺のご当地グルメや海産物の店などにも立ち寄れて便利です。
伊勢屋旅館【小浜温泉】大浴場
利用時間 | 10:00〜19:00(受付18:30まで) |
料金 | 大人 1000円(税込) 小学生 500円(税込) 幼児 無料 バスタオル・小タオル貸出 |
所在地 | 〒854-0514 長崎県雲仙市小浜町北本町905 |
問い合わせ先 | 0957-74-2121 |
公式サイト | 小浜温泉旅館 伊勢屋 |
ライター
kurumi
美容業界に25年在籍し、今はエステサロンを経営しています。登山歴は4年。山好きなメンバーでイベントを企画したりして、楽しく山に登っています。歳を取ってもずっと登れるカラダ作りをするのが好きです。