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東京オリンピック・パラリンピックで、メダルが狙える競技として注目されているのがカヌー競技。なかでもカヌースプリントは歴史も古く世界各国で盛んに行われている人気競技です。この記事ではカヌースプリントについてくわしく解説します。

カヌースプリントとは?

カヌースプリント 競技

カヌースプリントは一定区間のコースを「Ready Set Go」の掛け声とともに一斉にスタートし、ゴールをめがけて順位を競います。

2009年以前はフラットウォーターレーシングという名前で呼ばれており、そちらの方がなじみのあるかたも多いかもしれません。

穏やかな水面に水しぶきをあげて漕ぎ進むカヌーのスピードと迫力は圧巻!カヌースプリントは時に、水上のF1にたとえられることもあります。

カヌースプリントはオリンピック競技の正式種目になっており、オリンピックでは12種目、パラリンピックでは2種目が行われます。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

東京2020オリンピックで注目されるカヌー競技について基本解説します

 

カヌースプリントで使用するカヌーの種類

カヌースプリント 競技

ここからはカヌースプリントで使われるカヌーについてご紹介します。

カヌーの種類:カナディアン

カヌースプリント 競技

カナディアンはもともと、北米大陸で人々が生活のために使用していた丸木舟がルーツです。

カナディアンのサイズは5m20cmと初めて見る人は意外と大きいことに少しおどろかれると思います。甲板がなく、選手は立膝でシングルブレードパドルを持ち、カヌーを操船します。

競技用のものはスピードを重視するため極端に細長く作られており、一般の人ではバランスをとることが難しく乗ることすら困難です。

そこに、立膝をついた状態で艇をこぐことからも、アスリートの身体能力の高さがうかがえます。

カヌーの種類:カヤック

カヌースプリント 競技

カヤックは、アラスカ先住民のイヌイットが狩りの際に使用した、甲板が毛皮で覆われた丸木舟がルーツになります。

カヤックには甲板があり、座った状態でダブルブレードを使い、カヤックの両側を漕いで進んでいきます。艇内にはラダーと呼ばれる舵がついており、ここでレーンからはみ出さないようにコントロールします。

カヌーに比べてバランスはとりやすくなりますが、速度が出るので競技ではスピード勝負になってきます。

サイズはいちばん小さなシングルで5m20cm、ペアで6m50cm、フォアでは最大11mにもなり、大型路線バスとほぼ同じ大きさになります。

カヌースプリントの競技ルールについて

カヌースプリント 競技

カヌースプリントはシングル(1人)、ペア(2人)、フォア(4人)の3種目で行われ、使われるカヌーはカナディアンとカヤックの二種類です。

カナディアンは甲板がなく、選手は片膝を立ててシングルブレードパドルでカヌーの片側だけを漕ぎます。いっぽうで、カヤックは甲板があり、座った状態(長座)でダブルブレードを使い、カヌーの両側を漕いで進んでいきます。

距離により200m・500m・1,000mの区別があります。競技種目にはこのほかにも5,000mやリレー種目もありますが今回は前述の3種について解説します。

スタートからゴールまでの競技ルール

スターターの「Ready(位置について)」「Set(用意)」の発声で選手はスタートの準備をし、「Go(ゴー)発砲音または信号音」がスタートの合図になり、一斉にスタートとなります。

同じ選手が2度不正スタート(フライング)すると失格です。

コースは1レーンの幅が9mあり、9艇で1回のレースを漕ぎ進めます。カヌーがこのレーンをはみ出すと失格となるため、選手はカヌーをセンターに保ちながら漕ぎ進める必要があります。

カナディアンは片側だけを漕いでセンターに寄せ、カヤックは船内でラダー(舵)を足で操舵します。どちらもカヌーをコントロールする技術が必要になってきます。

バウ(船首)がフィニッシュラインを超えた順にゴールとなりますが、ペア・フォアの場合、全員が乗船している状態でないと失格とみなされます。

また、失格となる条件は艇やパドルが故障した場合でも適用されます。

注目すべき見どころは?

カヌースプリントでいちばん注目すべきはスタートダッシュでしょう。静かな水面をGoの合図と同時に、いっきに水しぶきをあげてカヌーが激走していくさまは爽快です。

カヌースプリントフォアでは時速26㎞にも達し、200mのクラスではレースの勝敗が、数十秒で決まる瞬き厳禁のレース。ゴール手前のデッドヒートも見逃せません。

500mと1,000mではペース配分や各選手の戦略などの駆け引きが見どころで、最後まで目が離せません。

また、ペア・フォアの種目では、パドリングも見どころのひとつ。

2人もしくは4人でリズミカルにパドルを繰り、猛スピードで進んでいくさまは、鍛え抜かれた上半身と相まって観客を魅了する美しさがあります。

 

オリンピックではカヌー競技が盛んな国にも注目!

カヌースプリント 競技

カヌー競技が盛んな、オリンピックでも注目したい国についてご紹介します。

国をあげて選手育成に取り組むハンガリー

古くからカヌーの強豪国として有名な国です。平坦な地形を流れる河川が多いという地理的な要因もあり、カヌーが盛んにおこなわれています。

10歳のころからカヌー教育のプログラムがあるなど、とても身近なスポーツとして親しまれているのです。

そのため、国をあげて選手の育成に取り組んでおり、その結果、80個のメダルを獲得し世界1位を誇ります。

競技人口の多いドイツ

ハンガリーと同じヨーロッパの強豪国ドイツは、メダル総数は70個ですが、金メダルの数ではハンガリーよりも多く獲得しています。

とくに、ドイツのセバスティアン・ブレンデル選手は、2012年ロンドン、2016年リオデジャネイロとオリンピック2連覇を果たし、国際大会で28個の金メダルを獲得した絶対王者です。

そんなドイツもカヌーがとてもポピュラーなスポーツで、競技人口も多いことで知られています。

女子選手の強さが際立つニュージーランド

カヌーはヨーロッパに強豪勢がひしめいているイメージがありますが、ニュージーランドも近年注目を浴びている国のひとつです。

とくに、ニュージーランドのカヌースプリントは女子選手の強さが顕著で、リサ・キャリントン選手はでロンドンとリオデジャネイロ・オリンピック2大会で金メダルを獲得し2連覇中。他の追随を許さない強さを誇ります。

いかがでしたか?カヌースプリントはその圧倒的なスピードと、波しぶきをあげて疾走する爽快感が魅力のスポーツです。オリンピックのイメージが強い競技ですが、世界中に競技人口が多く、競技大会が盛んに行われている人気のスポーツなのです。日本でも、カヌースプリントを行っている団体があるので、興味があるかたは近くの河川などで練習風景が見られるかもしれません。ぜひ、間近でカヌースプリントの迫力を体感してみてください。

ライター

Greenfield編集部

【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。