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開催が延期されていた東京2020オリンピックですが、オリンピック・パラリンピックで注目されている競技のひとつにカヌーがあります。今回は東京オリンピック・カヌー競技の種類とルール、見どころについてご紹介します。

カヌーとはどんなスポーツ?

カヌー競技 オリンピック

カヌーはパドルを使って自分で漕いで進むスポーツです。もともとは、運搬用の小舟のことをさし、代表的なものとしてカナディアンカヌーや、より小型のカヤックがあります。

スポーツとしてのカヌーは1860年代のイギリスで盛んになり、ヨーロッパから各地に広がっていきました。

オリンピックで使用するカヌーの種類

オリンピックで用いられるカヌーの種類は以下の2つです。

カナディアンカヌー シンプルな丸木舟の形をしています。漕ぎ手が膝を立てて乗り、シングルブレードパドルという片側に水をかくブレードがついたパドルを使って、カヌーの左右どちらか片側だけを漕いで進みます。
カヤック カヤックは甲板があり、人とカヤックを防水性のあるスプレースカートという膜で覆い操作します。ダブルブレードパドルという両端にブレードがついたパドルを使って、カヤックの両側を漕いで進みます。

 

オリンピックカヌー競技の種目とみどころ

カヌー競技 オリンピック

オリンピックのカヌー競技には大きくわけてスプリントとスラロームがあります。ここからは、カヌー競技の種目とみどころについて説明します。

スピード感のスプリント

カヌー競技 オリンピック

スプリントは流れのない水面を一斉に漕ぎだしゴールまでの順位を競う、陸上でいう短距離走などの競争をカヌーで行うイメージです。

オリンピックのカヌースプリントでは、下記の表のように12種目があります。

【カナディアン】

シングル 男子 1000m
女子 200m
ペア 男子 1000m
女子 500m

【カヤック】

シングル 男子 200m
1000m
女子 200m
500m
ペア 男子 1000m
女子 500m
フォア 男子 500m
女子 500m

カナディアンはシングル(1人)・ペア(2人)と人数で区分されます。カヤックも人数で区分けされますが、フォア(4人)という種目が追加されます。

距離は200m、500m、1000mとわけられ、1000mは男子のみです。1レース8艇でスタートしフィニッシュラインの通過順で順位が決まります。

スプリントの見どころ

スプリントは何といっても迫力あるスピードです。いちばん速度が出る種目カヤックフォアでは時速20㎞を超えるスピードが出ます。また、このスプリントではどこでスピードを上げるかも注目ポイント。

とくに、500mや1000mなどの長距離ではスタートダッシュ後はスピードを保ちつつ、ほかの選手の動向をみながら、どこでスパートをかけるか選手の戦略が問われます。

また、ペアやフォアのチームワークも見どころ。チームで呼吸をあわせることにより、流れのない水面でも圧巻のスピードを出すことができるのです。

躍動感のスラローム

カヌー競技 オリンピックスラロームは激しく逆巻く流れのなかを、果敢にカヌーで攻めていく迫力あふれる競技です。

スラローム2種目(ルール解説)

スラロームは男女ともに下記の2種目です。

  • カヤック
  • カナディアンシングル

スラロームは激しい流れのなかを漕いでいき、ゴールまでのタイムで勝敗が決まる競技です。タイムは所要時間とペナルティで算出します。

スラロームのコースのなかに、ゲートが20個ほど設置してあり、選手はそのゲートを通過します。通過できなかった場合は所要時間に50秒のペナルティが加算され、ゲートに触れた場合も2秒加算されるルールです。

ゲートには2種類あり、緑と白のポールは上流から下流に、赤と白のポールは下流から上流に向かって通過しなければいけません。所要時間+ペナルティでタイムをきめます。

スラロームの見どころ

スラロームの見どころは躍動感とテクニックにあります。白く波打つコースのなかを果敢に攻めていく姿は圧巻です。

この競技はスピードも重要ですが、ゲートをすり抜けていく精密なテクニックも要求されます。迫力と繊細さをあわせ持つスポーツです。

パラリンピックカヌー競技のルールと見どころ

カヌー競技 オリンピック

パラリンピックでは2016年のリオ五輪からカヌーが正式種目になりました。種目にはカヤックと今大会から「ヴァー」という新競技が加わります。

ここからは、パラリンピックカヌーのルールと見どころについて説明していきます。

カヌーは二種類

パラリンピックのカヌーではカヤックとヴァ―、2種類のカヌーが使用されます。

【カヤック】

特徴 パラリンピックのカヤックは長さ5m20㎝以内、幅50㎝以上、重さ12㎏以上という規定があります。
見どころ 安定感は低いですが、その代わり直進時のスピードが出やすいのが魅力です。迫力のあるスピードが見どころです。

【ヴァー】

特徴 東京オリンピックから新種目として採用され、アウトリガーという浮きがついているのが特徴。長さは7m30㎝以内、重さ13㎏以上という規定があり、パドルはカヤックとは異なり、シングルブレードを使います。
見どころ アウトリガーがつくことで安定感がでますが、そのかわり操船が難しく、選手のテクニックが見どころのひとつです。

パラリンピックのカヤックは、選手の障害や体の状態に合わせてルールの範囲内において改造するのが可能です。フィッティングなどにより、選手の力を最大限活かせるよう工夫されています。

ヴァーもカヤック同様、ルールの範囲内において改造することが可能になります。

KVLって?パラリンピックのクラス分け

パラリンピックの種目は障害の程度とカヌーの種類により以下のように表記されています。

クラス 特徴
L1 胴体は動かせない。肩と腕の力だけで漕ぐ
L2 胴体と腕の力を使って漕ぐ
L3 足、胴体、腕の力を使って漕ぐ

カヌーの種類表記はK=カヤック V=ヴァーとなります。そのため、種目の表記は下記のようになります。

カヤック(K) KL1/KL2/KL3
ヴァ―(V) VL2/VL3(VL3は男子のみ)

例えば、KL1だとカヤックを使った肩と腕の力だけで漕ぐ種目ということになります。

水上は究極のバリアフリー

鍛え上げられた上半身から繰り出されるスタートダッシュや水上でもまったくブレを感じさせない体幹。そして、力強いパドリングは見るものを圧倒します。

坂道も段差もない水上は、しばしば「究極のバリアフリー」と表現されます。爽快に水の上を進んでいく選手の姿は、東京オリンピックでも多くの人に感動を与えるでしょう。

 

カヌー競技で注目の選手

カヌー競技 オリンピック

ここからは、東京オリンピックで活躍が期待される注目のカヌー選手についておはなししていきます。

羽根田 卓也選手(スラローム・カナディアン)

記憶にも新しいリオオリンピックで銅メダルを獲得した選手です。この銅メダルはアジア勢で初のメダルという快挙でもありました。

2018年アジア競技大会では金メダルを獲得しており、東京オリンピックでもメダルが期待される選手です。

松下桃太郎選手(カヌースプリント男子カヤックフォア)

2019年の世界選手権(ハンガリー)ではアジア勢最上位の12位に入り、ロンドンオリンピック以来、2大会ぶりの出場を決めました。

カヤックフォアはリーダーの松下桃太郎選手、藤嶋大規選手、水本圭治選手、宮田悠佑選手の4人で東京オリンピックに挑みます。

瀬立 モニカ選手(カヌー・スプリント女子カヤックシングル KL1)

パラリンピック・カヤックシングルで注目されている選手です。リオオリンピックでは日本人選手第1号として、パラリンピックに出場しています。

そして、日本パラカヌー選手権大会ではKL1・VL1ともに優勝。東京オリンピックでは地元の江東区を舞台にメダルを狙います。

いかがでしたか?カヌーはヨーロッパやオーストラリアが強豪として有名ですが、リオオリンピックでの羽根田選手の快挙をきっかけに、オリンピック・パラリンピックともに日本勢も力をつけてきています。東京オリンピックのカヌー競技では日本のメダルが期待されています。

ライター

Greenfield編集部

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