ステルスキャンプとは?
「ステルスキャンプ」の「ステルス(stealth)」とは、「隠密に」・「こっそりと行うこと」という意味があります。
テントで宿泊するにはキャンプ場や山のテント場などの施設を利用することが一般的ですが、ステルスキャンプはそう言った場所を利用せず、ゲリラ的にテント泊を行うことを指します。
ステルスキャンプは「野宿」と言ったり「ビバーク」とも言えるかもしれません。
自身で宿泊適地を探し、食事やトイレ、安全面についても自己責任で考慮しなければなりません。
しかしその分自由度は高く、誰にも邪魔されることなく気兼ねなく野外で過ごす方法としては最適です。
旅人・沢ヤ・自転車乗り・バイク乗り・ロングディスタンスハイカーなどが旅する手段としてステルスキャンプを取り入れていることが多々あります。
丁度よくキャンプ場やテント場が必ずしもあるわけではないということや、そもそも活動のフィールドにそういった施設がないということが前提にあるため、ステルスキャンプするという手段しかないということも挙げられるでしょう。
キャンプのルールについて
海外ではステルスキャンプが当たり前の国はたくさんあります。
例えば、スウェーデンや北欧の国では山域を中心に自由にテントを張ることができます。
アメリカの国立公園やトレイルでは一定のルールはありますが、ステルスキャンプが基本になっています。
しかし日本のルールでは、他国と違ってキャンプ場以外の場所でキャンプすることは良しとされていません。
日本の国土のほとんどは国・県・市などの公共の土地か、あるいは私有地であるため、土地の持ち主に許可を得る必要があるのでしょう。
ステルスキャンプをするのならば、まずはそれを意識して行動する必要があります。
また、整備され山小屋が配置された山や国立公園では、指定の場所以外でのキャンプはできません。
このような山域では周りの目があり、自然保護の観点からもステルスキャンプは御法度です。
これらのことを考えると、日本の国土において自由にキャンプするということはなかなか難しいことだと感じられるでしょう。
ステルスキャンプのマナー
しかし、国内においてもステルスキャンプをしている人がいないわけではありません。
では、どのように行なっているのかと言えば、しっかりと「マナー」を守っているのです。
例えば、人目につくところではキャンプしない、食事した形跡や排泄物は残さない、夜遅くにテントを張り早朝には撤収してしまう、といったことです。
「誰にも見つからない」・「キャンプをした形跡を残さない」・「一夜を明かすためにやむなく」。
自身の行動を慎み、土地の持ち主や他者に迷惑がかからなければ良しとする考え方があります。
極めてグレーゾーンなのがステルスキャンプです。
守るべきルールはしっかりと守り、その中で許されるであろうところで楽しむ。
節度ある行動と常識、自己責任を踏まえた上で行えるのがステルスキャンプであることを理解しましょう。
ステルスキャンプにおすすめの場所
様々なルールやマナーをはらむステルスキャンプですが、ステルスキャンプを行うのに向いている場所ももちろんあります。
どのような場所が向いているのかご紹介していきたいと思います。
人気のない山
「ひと気のない山」は最も適していると考えられるでしょう。
つまり、山小屋などがないマイナーな山です。
数日間歩くとなれば必然的に山に泊まることになります。
テント場や山小屋がない山には避難小屋がありますが、登山道を外れた人目のつかない場所であればステルスキャンプができます。
閑散期であれば尚いいでしょう。
雪山
雪山においても同じことが言えます。
雪山の場合は、山小屋がある山域であっても厳冬期は営業していないため、避難小屋を使うか、ステルスキャンプしか手段はありません。
雪山こそ自由にステルスキャンプができる環境と言うことができますが、身の危険性も非常に高いため、気軽にできるものではありません。
訓練を積んでから行うことができるステルスキャンプです。
沢
登山道を外れ、降れば沢がある山においては沢付近のステルスキャンプがおすすめです。
水の心配をしなくて済み、人と出会う可能性も低いので自由気ままにキャンプができます。
ただ、熊と出会う確率は上がるので注意が必要です。
雨による増水時にも気をつける必要があります。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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