フリーダイビングとは
フリーダイビングとは、息を止めたまま「どこまで深く潜れるか」、「どこまで遠くまで泳げるか」「どれだけ息を止めていられるか」を競うスポーツです。
フリーダイビングを始めるきっかけは「イルカと一緒に泳ぎたい!」や、「憧れのマイヨールのようになりたい!」など人それぞれです。
しかも、国内のフリーダイビング競技者は200名ほどの超マイナースポーツなので、頑張ればトップダイバーの仲間入りができるかもしれません。
とはいえ、深さを競うフリーダイビング競技は、一歩間違えればトップダイバーでさえ命を失うこともある危険なスポーツということを肝に銘じておかなくてはいけません。
フリーダイビングを始めるなら、何よりもまず安全を意識して、正しい知識を持つことです。
スキンダイビングとの違い
フリーダイビングとスキンダイビングの違いが分からないという人がいるかもしれません。
どちらも「息止めダイビング」には変わりがないからです。
ですが、フリーダイビングは「競技」で、スキンダイビングは「行為」と考えると分かりやすいと思います。
もちろんフリーダイバーであっても大会に出場しない選手もいます。
しかし、フリーダイビングで使用する数々のテクニックは、競技で良い成績を残すために生まれたスキルです。
フリーダイビングとスキンダイビングは似ていますが、その本質はまったく異なるものなのです。
フリーダイビングで使用する器材
フリーダイビングで使用する器材は、競技種目や個人のレベルによって変わります。
まずは、フリーダイビングで使用する代表的な器材を見てみましょう。
マスク
フリーダイビングでは、スクイズの影響を受けづらい内容量を極力減らしたダイビングマスクを使用します。
アクアラングの「スフェラマスク」やクレッシーサブの「ミニマ」などが人気です。
また、大深度潜水にはスクイズが起こらない専用のリキッドゴーグルとノーズクリップを使用することもあります 。
ウエットスーツ
フリーダイビングでは、浮力の少ない3mm程度のツーピース専用ウエットスーツを使用するのが一般的です。
できるだけスーツ内に水が入らいないようにフルオーダーでフード付きのウエットスーツになります。
フィン
フリーダイビングでは、1枚の大きな足ひれとなる専用のモノフィンをするのが主流です。
また、フィンスイミングで使用されているビーフィンや、スピアフィッシングで使われるロングフィンを使うことがあります。
フィンはフリーダイビングにおいてとても重要な器材になるので、自分のレベルに合ったフィンを選ぶことが大切です。
その他
- ダイブコンピューター…潜水時間と深度を確認します。
- ウエイト…クイックリリースベルトに通し、深度に応じて使用します。
フリーダイビングのスクールに行こう!
これからフリーダイビングを始めたいという人は、まずはフリーダイビング専門のスクールで基礎知識をしっかりと身につけることが大切です。
これまでフリーダイビング指導団体と言うと「AIDA」のほぼ独占状態でした。
最近ではスキューバダイビング指導団体である「PADI」や「SSI」も、フリーダイビング講習を始めたことから間口が広くなっているといえるでしょう。
ただ、ほとんど人はフリーダイビングと言うと、海洋で深度を競う花形種目であるCWT(コンスタント・ウェイト・ウィズフィン)を思い浮かべると思います。
しかし、いきなり海洋でCWTやCNFといったフリーダイビングの深度競技に挑戦するのは危険極まりありません。
そもそも深度競技には個人の経験やスキルはもちろん、さまざまな条件が必要になるため、まずはプールで行うダイナミック競技やスタティック競技からはじめてみることをおすすめします。
学科講習
フリーダイビングの講習は学科講習から始まりまず。
内容は競技ルールやブラックアウト(酸欠による失神)などの緊急時の対処法が中心になります。
また、深く持っていくと末端の血液が体の中心部に集まるブラッドシフトなど、潜水における人間の生理学なども含まれます 。
プール講習
学科講習の後はプールでSTA(スタティック・アプネア)やDYN(ダイナミック・アプネア・ウィズフィン)に挑戦してみましょう。
STAは息を止めたまま水面に浮き時間を競う競技です。
そして、DYNは息を止めたままフィンを使い垂直に泳げる距離を競う競技になります。
息を長く持たせるコツは、いずれの競技の際も体の力を抜きリラックスすることです。
呼吸法
フリーダイビングでは「パッキング」と呼ばれる呼吸法があります。
息をこれ以上は無理という状態まで吸って、そこから口をポンプのようにして強制的に詰め込んでいく方法です。
この呼吸法を行うことで、通常の肺活量をより大きくすることができます。
トップダイバーになると、ヨガの呼吸法を用いて横隔膜を広げ、より多くの空気を肺に蓄えておくことができると言われています。
とくにヨガの呼吸法は、集中力と極限のリラックス状態を作り出すのに効果があるともされ、トップダイバーの多くがヨガの呼吸法を取り入れています。
泳ぎ方とフィンワーク
水中で泳ぐ方は、水の抵抗を最小限にした「ストリームライン」と、イルカのようにフィンを使う「ドルフィンキック」が基本です。
ストリームラインは両腕を耳の後ろにつけるようにして手を真っすぐ前に伸ばし、視線はお腹のみぞおち辺りを見るように、指先から水を切り裂いていくような姿勢で泳ぎます。
そして、ドルフィンキックはお腹から下を使って、最小限の動きで体をくねらすように水をかくように泳ぐフィンワークです。
ただし、これらのスキルは1日で身に付くものではなく、日々の練習が不可欠です。
海洋でのフリーダイビング
海洋での深度競技に挑戦してみたいと思っている方は、 まずはプールでしっかりと練習を積むことが重要です。
深度競技に出場している現役のトップダイバーでも、プールでの練習を怠ることはありません。
また、フリーダイビングはメンタルが7割と言われることもあり、日常的にヨガを行うなど、フリーダイビングのための呼吸法をマスターする必要もあるでしょう。
フィンワークでは体幹のインナーマッスルが重要な役割があるため、体幹トレーニングも欠かせません。
トップダイバーになると、少ない酸素で運動能力を高められるよう、低酸素室でのトレーニングも取り入れている選手も少なくありません。
フリーダイバーへの道は簡単なものではありませんが、いつの日か海洋でフリーダイビングができる日を目指して頑張っていきましょう!
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。