海外では妊娠中の海水浴は禁止事項ではない
一般的に妊娠中には、食物などを含め、いろいろな制限があります。
この制限は、国によってもだいぶ違っているようで、例えば海水浴に関しては、海外ではあまり制限されることは少ないようです。
筆者もイタリアにて出産していますが、その際に「海に行きたいのですが、大丈夫ですか?」と医師に相談したところ、「リラックスしてきない!」と言われました。
「え?入って大丈夫なんですか?」と、聞き直したことがあります。
海外ではあまりあれこれ言われない理由としては、「自己責任」ということが根底にあるからかもしれません。
日本でも海に近いところに住んでいる場合や、医師によっても、その対応は多少違うようです。
しかし、どちらかというと万が一を考えて、生まれてから行ったほうが良いという考えが産婦人科医の主流のようです。
では、妊婦が海水浴をすると危険な理由を見てみましょう。
理由1. 体が冷えやすい
海水浴に行って、海水に入ると体が冷えます。
体が冷えると、血流が悪くなるので、お腹が張りやすくなったり、腹痛や下痢が起きやすくなります。
もっと極端な例では、子宮収縮を起こして早産になったりすると言う話も。
元々妊娠中はホルモンバランスが変わり、自立神経が乱れることで冷え性になる人も多いのです。
もし水に入る場合は、短時間だけにしたり、上がったらすぐにタオルなどで体をよく拭いたりなど体を冷やさないようにすることが重要。
また海水浴に行って、海には入らなくてもパラソルの下にいると、暑さでぐったりしてしまったりすることもありますよね。
妊娠中は体力を消耗しやすいですし、日に焼けると血中の酸素不足になり疲労物質を回収する働きが低下して、疲れやすくなります。
そして妊娠していると、ホルモンバランスの影響で妊娠していない時に比べてメラニンの生成量が約10倍になるといいます。
つまり、いつも以上に日焼け止めなどをしっかりと塗らないと、シミが増えやすくなるということです。
パラソルの下にいたり、海岸沿いを歩いたりなど、水に入らない場合でも、こまめに日焼け止めをぬったり、水分補給をしたりして、絶対に無理はしないことが大切です。
理由2. バランスを崩して転倒しやすい
妊娠中は、お腹がだんだん大きくなり、後期になると自分で靴下が履けなくなるぐらい大きくなる人も多いです。
もちろん出産してしまえば、お腹はへっこむのですが、それまではお腹がでている分、体重の重心が前になりやすく、バランスを崩して転倒しやすいのです。
その上、海水浴場の砂浜は平らなところばかりではありませんし、海水で濡れている場所などは転倒のリスクが上がります。
また海水浴に来ている子どもが走っていたりすることもあり、混雑している海水浴場では、誰かにぶつかって転んでしまうこともあります。
海に行く場合は、あまり混んでいない海水浴場を選び、何かあった際には旦那さまに支えてもらえるように、手をつないで歩いてもらうのもおすすめです。
理由3. 体に負担をかけやすい
海に行くとなると、いろいろ準備をしたり、出かける楽しみで疲れを忘れがち。
しかし、どうしても体に負担をかけやすいです。
海に行けば、冷えのほかにも熱中症や脱水症状などにならないように、気を使わなくてはいけないので、海水浴は少なからず体の負担になっていることは確かでしょう。
また、海の衛生面を気にする人もいるのではないでしょうか?
妊娠中は体の抵抗力が低下しているので、感染症にかかりやすいと言います。
しかし実際のところ、海やプールなどで感染症にかかる可能性はかなり低いと言われています。
けれども、まったくゼロというわけではないので、きれいな海で泳いだり、シャワーや手洗いを徹底することも必要です。
海水浴に行くのは、決してリスクだけではありません。
海に行って日頃のストレスを発散させたり、リフレッシュという意味では、メリットも大きいです。
後になって、あの時海に行かなければ良かったということにならないように、疲れたらすぐに帰るぐらいの気持ちで行きましょう。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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