三浦半島の岩礁のみちや南伊豆の美しいトレイルを歩くうち、海岸沿いに打ち上げられた多くのゴミが目につきました。自然のなかで感じた違和感をきっかけに清掃活動への関心が高まり、地域や団体と連携したゴミ拾いの方法を調べました。この記事では、気軽に参加できる活動や、筆者が過去に行ったクリーンアップの体験などを紹介します。自然を守るための第一歩として、ぜひ参考にしてみてください。
トレイル中に見た!美しい海と残念な現実
海岸沿いを歩いていると、思わず足を止めて見入ってしまうほどの美しい景色に出会えます。一方では、思いも寄らなかった大量のゴミが浜辺に打ち上げられていて残念な気持ちにもなりました。
せっかくの素晴らしい景観が台無しになるだけでなく、海の生き物たちへの被害や環境汚染を考えると見過ごせない問題です。
このゴミの大半が私たちの暮らしのなかからでてきたもの。自然を楽しむ側として、ただ「汚れている」と嘆くだけでなく、自分にできることを改めて考えるきっかけとなりました。
ゴミの正体は?
浜辺一面に広がるゴミの現実。そのあまりの多さに驚き、歩きながら何が落ちているのか観察してみました。多かったのは以下の5つです。
ペットボトル
どちらの浜辺でも1番多かったゴミです。プラスチック製のペットボトルは、紫外線や波の影響で細かく砕けたマイクロプラスチックになり、私たちの健康にも深刻な影響を及ぼすリスクがあります。
ビニール袋
買い物用のビニール袋やお菓子の袋、さまざまな種類のビニール袋が捨てられていました。軽くて風に飛ばされやすいため、意図せずゴミにしている場合も。
また、海に漂うビニール袋はウミガメや海鳥がクラゲなどと間違えて誤食することがあり、消化器官を詰まらせて死に至るケースも少なくありません。ビニール袋は自然に分解されにくく、長期間にわたって海洋生物や人間の健康にも悪影響を及ぼします。
海外からの漂着ゴミ
ゴミのなかには中国語やタイ語などの文字が書かれたものも数多くありました。これらのゴミは発生源が海外であるため根本的な解決は難しく、国際的な協力が不可欠です。
環境保全の観点からも、各国との連携を強化し、ゴミの発生抑制や共有された海域の保全について取り組む必要があります。問題の深刻さと、国境を越えた対応の必要性が問われています。
漁具
破損した漁具やロープ、釣り糸などが放置されていました。これらは海中から流れてくることもあり、魚やカメ、海鳥が絡まって命を落とす原因にもなります。
また、漁具ではありませんが、釣りのあとで不要になった魚の死骸がそのまま捨てられているのも目につきました。海の豊かさを守るためには、漁業関係者だけでなく消費者や自治体も含めて連携し、持続可能な海洋利用のあり方を見直すことが必要です。
バーベキューの残骸
炭の残骸やバーベキュー道具の置き忘れ、放棄も目立ちました。使用後の炭は自然にかえるものと思われがちですが、実際には長期間地中に残留し、火災のリスクや土壌汚染の原因にもなります。
浜辺でバーベキューが禁止されるケースが増えているのは、こういった後始末の悪さが大きな要因になっているのでしょう。
誰でも参加できる!清掃活動のすすめ
筆者は以前から海や山のゴミ問題が気になっており、気が向くとビーチクリーンに参加しています。主に地域でやっているゴミ拾い活動やネットで探した団体のイベントなどです。
自治体や法人などが立ち上げているビーチクリーン活動に参加するのもいいですし、団体が嫌な人は自分で日程を決め、ゴミは清掃団体の人が回収に来てくれるものもありますよ。
ビーチクリーンイベントでは、ただゴミを拾って終わりではなく、細かく分別し何がどのくらい落ちているのかなども分析することも。マイクロプラスチックは思った以上に小さくたくさん落ちていて、これが体に入るのかと思うと怖くなりました。
頭でわかっていても、実際に見て感じるのでは全然違います。こういったものに参加してから、ゴミ問題に対する意識がグッと高まりました。筆者が参加したことのある湘南エリアの団体や改めて調べたものをまとめてみました。
ネットで調べるとさまざまな地域で活動している団体があるので、参加しやすい場所でぜひ探してみてください。
私たちが日頃からできる取り組み
ゴミ拾いのボランティア活動にはなかなか参加できなくても、普段の生活のなかで自分にできることは積極的に取り組むようにしています。小さな行動でも積み重ねていれば、大きな成果につながると感じています。
マイボトルを持つ
これまでペットボトルはコンビニや自動販売機で手軽に購入できるため、つい何本も買ってしまうことがありました。しかし、クリーン活動に参加するようになってから、海や道端に多くのペットボトルが放置されている現状を目の当たりにし、マイボトルを持つようにしています。
最初は洗う手間や準備が面倒に感じましたが、慣れてしまえばとくに苦にならず、飲み物代の節約にもなっています。環境にも家計にも優しい方法としておすすめです。
ゴミ袋を持つ
通勤中やランニングの途中に落ちているゴミを見かけることがありますが、以前は持ち帰る手段がなく、素通りしてしまうことも少なくありませんでした。そこでいつでも拾えるように、ゴミ袋を携帯するように心掛けています。
こうした日常の小さな工夫や意識の変化が、ゴミを少なくする第一歩になると信じて続けています。
ライター
yuki
幼少期からキャンプや釣り、スキーなどを楽しむアウトドアファミリーで育つ。10代後半は1人旅にハマりヨーロッパや北米を中心としたトラベラー期となる。現在もスキー、スノーボード、ダイビングなど海や山で活動中。「愛する登山」は低山から厳冬期の雪山まで季節問わず楽しむhike&snowrideなスタイル。お気に入りの山は立山連峰!Greenfield登山部/部長の任命を受け部活動と執筆活動に奮闘中。