クリートは、ロードバイクのペダルとビンディングシューズを固定するアイテムです。今回は、クリートの摩耗に気づかず、走行中にペダルにはまらなくなってしまった体験談をご紹介します。交換の目安や方法についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
失敗!走行中にクリートが摩耗、限界をむかえてしまった
ロードバイクで外乗りする際には、機材のチェックや気候に合わせた服装のチョイス、走る距離を想定したドリンクや補給食の準備など、事前にしなければいけないことがたくさんあります。
週に1度、ほぼ同じコースをライドする私は、いつもどおりの準備とチェックを終えて、意気揚々とヒルクライムを含むソロライドに出発しました。
無事にヒルクライムを終えて下山しようと思ったとき、「クリートがはまらない…?」なんとクリートが摩耗し、ペダルにはまらなくなってしまったのです。
獲得標高500m超の山頂から自宅までの距離は約30km。ペダルに固定できない右足と、ヒルクライム後の脚の疲れが相まって、つらい帰路を体験しました。機材だけでなく消耗品もその都度チェックしなければならないと再認識したライドです。
クリートはシューズとペダルを固定するアイテム
ロードバイクのペダルは、シューズが固定できるビンディングペダルが一般的です。クリートはシューズとペダルを固定するアイテムです。
ペダルやクリートは規格が決まっています。筆者も愛用するシマノ(SHIMANO)の規格である『SPD-SL』は、3つの穴で固定し、固定力が強いのが特徴で、ロードバイクで最もポピュラーな規格です。
摩耗のない状態であれば、シューズとペダルの先端を合わせて踏み込むだけでカチッとはまり、足首を軽く捻るようにするとスムーズに外せます。正しく固定できれば脚の押す力と引く力のどちらも使え、走行力がアップします。
気をつけたいのが、クリートはペダルの着脱やシューズを履いたままの歩行により徐々に摩耗していく消耗品である点。定期的に見直し、必要に応じて交換する必要があります。
ビンディングペダルについてはこちらを参考にしてください。
私が感じたクリート限界の兆候
私はクリートの摩耗に気づくのが遅く、走行中に限界を迎えてしまいました。今思えば数ヶ月前から少しずつ兆候があったため、ここで共有しておきます。
クリートのはまり具合に違和感がある
まず、クリートのはまり具合に違和感を感じていました。カチッとはまっていたのが、少しヌルっとする感覚です。
しかしそのときはペダル側の幅が狭いのかと思い、違和感を覚えながらも、そこまで不自由なく着脱していました。今思えば、この頃から少しずつ摩耗が進んでいたのだと思います。
本格的にはまりづらく感じる
次に、クリートの着脱が本格的にしづらくなりました。普段は室内でのトレーニングが多く、「久々の外乗りでクリートの着脱がヘタになっちゃたな」など、楽観的に捉えてしまい、このときもまだクリートの摩耗を疑っていませんでした。
ここで気づいていれば、30kmの片足ペダリングライドにはなっていなかったでしょう。
はまってもすぐに外れてしまう
最終的に、クリートがはまらずペダルに固定できない、固定できてもひと踏みで外れてしまう状況になりました。私はここでようやく「あれ?クリートが…摩耗している?!」と気づきました。兆候というより確認不足です。本当に気づくのが遅すぎました。
ここまで摩耗してしまうと、シューズとペダルを固定しての走行は困難になります。
クリートの交換方法
ビンディングペダルのクリート交換方法は簡単です。以下でご紹介します。
元のクリート位置をマジックなどで印づけておく
初めに、元々つけていたクリートの位置をマジックや修正ペンで印づけしておきましょう。新しいクリートを取り付ける際の目安になります。
印づけを忘れると元の位置がわからなくなり、違和感のある位置になってしまう恐れがあります。元々ついていた位置が気に入っている人は、忘れずに行なってください。
元のクリートを外す
次に、摩耗してしまったクリートを外しましょう。六角レンチ1本あれば外せます。外したネジはなくさないように保管してください。
印に合わせて新しいクリートを装着する
最後に、印づけをしたマジック線に合わせて新しいクリートを装着します。取り付ける位置を基本に戻したい場合は、クリートが母子球と小指球を線上に引いた中心にくるように取り付けてください。
しっかりネジを締めれば完了です。取り付け前にネジへグリスを塗ると固着防止になります。
グリスに関しては、以下の記事で詳しく紹介しています。
クリートがハマらないのは下手だからではありませんでした
ペダルになかなかクリートがはまらないのは、技術不足だからと思い込んでいた私。実際は、アイテムの確認不足で摩耗に気づいていなかったからでした。今回の30km片足ペダリングは大変なものの大事には至りませんでしたが、道路状況や天候によっては思わぬ事故を起こした可能性があります。
「ライド中に違和感があった場合はうやむやにせず、必ず原因を調べる癖をつけよう」と心がけるよい機会になりました。いつものコースやシチュエーションであっても、ライドごとのアイテムチェックは欠かせませんね。
ライター
yomec(よめしー)
自然豊かな新潟県在住、夫婦でロードバイクを楽しんでいる自転車ライター。子育てしながらトレーニングする方法を日々模索中です。今ではヒルクライムを中心としたレースが家族旅行に。愛車はSPECIALIZEDとBROMPTON。夫婦での所有スポーツバイクはなんと8台。ファミリーでも楽しめる自転車の魅力を発信します。