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ロードバイクのホイールは3種類
ロードバイクのホイールはタイヤの形状によって、主にクリンチャー・チューブレス・チューブラーの3種類に分けられます。メリットとデメリットを以下の表にまとめました。
クリンチャー | チューブレス (チューブレスレディ) |
チューブラー | |
メリット | ・パンク修理が簡単 | ・乗り心地がよい ・リム打ちパンクの心配がない |
・パンクしにくい |
デメリット | ・リムうちパンクのリスクがある | ・タイヤ交換が困難 ・専用のタイヤ交換器具が必要 |
・タイヤ交換が困難 |
ここからは、ロードバイクホイールの特徴や、適したシチュエーションをそれぞれ説明します。
クリンチャー
クリンチャーは、ロードバイクの最も一般的なタイヤで、数多くの完成車に使用されています。タイヤの中にチューブが入っていて、3種類のなかでは重量が大きいタイプです。クリンチャーは、性能のよいホイールが低価格帯で多くのブランドから販売されており、初めての人でも手に取りやすいでしょう。
クリンチャーは、勢いよく段差に乗りあげてしまうと、リムとタイヤの間に挟まれているチューブがパンクする「リム打ちパンク」のリスクがあります。万が一、パンクした場合は、チューブにパッチを貼るか、予備チューブを交換すればよいので修理は簡単です。
セルフでの修理が可能なため、ロングライドや長距離のイベント時におすすめです。
チューブレス(チューブレスレディ)
チューブレスは、名前のとおり、チューブを使わず空気のみで膨らませるタイプのタイヤです。チューブのないタイヤは乗り心地がよいといわれています。
チューブを使っていないため、パンク原因のなかで最も多い「リム打ちパンク」の心配がありません。その反面、パンクをしてしまった場合はタイヤの取り付けが難しく、修理に専用の工具が必要になります。
また、チューブレスタイヤから派生した「チューブレスレディ」というタイプもあります。チューブレスレディは、チューブレス同様チューブを使用しない点に加え、パンク防止のシーラント剤が入っているのが特徴です。
多少のパンクであれば、シーラント剤が穴をふさいで空気が漏れるのを防ぎます。パンクした際、その場で修理するのが難しいレース時に用いられるタイヤです。
チューブラー
チューブラーは、チューブをタイヤのなかに縫い込み、一体型してホイールに貼り付けたタイプです。
余計な部品がない分、軽量で高速域でも安定した走りが期待できます。レース時の決戦用ホイールや、ヒルクライム用ホイールとして人気です。
パンクのリスクが少ないタイプですが、空気が少しずつ漏れていく「スローパンク」が起こる場合があります。スローパンクの場合、シーラント剤の効果でパンク後も多少走れるようにできていますが、長距離の走行はできません。
また、パンク修理には、タイヤを剥がして新たに貼り直す必要があります。走行中には修理が困難なため、ツーリングやサイクリングといった普段使いには向いておらず、ここぞという場面で用いられます。
ロードバイクのホイールの選び方5つ
ロードバイクスタイルに適したホイールの選び方を紹介します。ロードバイクのホイールには、クリンチャー・チューブレス・チューブラーといった種類のほかにも、ブレーキの種類や素材など、選ぶ際に考慮すべき要素が数多くあります。ホイール選びのポイントは次の5つです。
・タイヤの種類
・ブレーキの種類
・素材の違い
・重量の違い
・リム高・リム幅の違い
ひとつずつ紹介するので、購入を検討している人はぜひ参考にしてください。
①タイヤの種類
まずは、自身のロードバイクスタイルにあったタイヤの種類を考えましょう。
ロングライドやツーリングなどの普段使いにはパンク修理の簡単なクリンチャー、パンクのしづらさや乗り心地を重視する人にはチューブレス、タイムトライアルなど高速域での決戦用や軽さの求められるヒルクライムレースにはチューブレスタイヤを検討してください。
また、好みのロードバイクタイヤブランドで選ぶのもよいでしょう。たとえば、ロードバイクタイヤにおいて長い歴史をもつContinental(コンチネンタル)や、日本ブランドのPanaracer(パナレーサー)、乗用車タイヤでなじみのあるMICHELIN(ミシュラン)などが人気です。
②ブレーキの種類
ホイールを選ぶ際には、手持ちのロードバイクのブレーキ方式をチェックしましょう。ロードバイクのブレーキにはリムブレーキとディスクブレーキがあり、見た目や商品名の違いで判断できます。この方式に対応したものでなければ使用できず、互換性がないため注意してください。
リムブレーキかディスクブレーキかを判断するコツを説明しますので、参考にしてください。
見た目の違い
ディスクブレーキ用のホイールには、ハブにローターを取り付けるための専用アダプタがあります。また、クイックリリース式で取り付けるリムブレーキと違い、ディスクブレーキはスルーアクスル式が一般的です。見た目で判断する場合は、ハブの部分をよく確認しましょう。
商品名の違い
ブレーキの種類を商品名で判断する方法もあります。ディスクブレーキ専用ホイールの場合、商品名に「ディスク」「DB」「Disk」と表記されていることが多く、リムブレーキの場合は表記がありません。
なお、すべての商品名に表記が正しくされているわけではないので注意が必要です。心配な場合はお店の人に相談してください。
以下の記事では、それぞれのブレーキ方式に対応したおすすめホイールについてまとめています。
③素材の違い
ホイールの素材も選ぶポイントです。ホイールの素材には、主にアルミとカーボンが使用されます。アルミ製のホイールは、熱に強い性質が特徴で、ブレーキをかけ続けるような下りがある状況に適しています。カーボンホイールは軽量なので、ロードレースやヒルクライムにおすすめです。
価格はアルミ製よりもカーボン製のほうが高価な場合が多いため、レースなどで結果を出すことを視野に入れない場合は、カーボン製に勝る丈夫さをもつアルミ製が適しています。
さらにロードバイクを楽しみたい人は、普段使いと決戦用など、用途にあわせて使い分けるとよいでしょう。
④重量の違い
軽量性を求める人が多いロードバイクにとって、ホイールの重量は大切です。ホイールの重量は、リムの重さが大きく影響し、軽くなるほど高価になるといわれています。リムがカーボン製の場合の平均重量は1,300g前後、アルミ製の場合は1,600g前後で、カーボン製のほうが軽量な分、高価な傾向があります。
ヒルクライムや即効性のある加速を求める人には、軽いホイールが人気です。ただし、重量があれば剛性も強くなり、パワーが伝わりやすいため、軽ければよいというわけではありません。ロードバイクの用途やパワーバランスを考えて選びましょう。
⑤リム高・リム幅の違い
リムの高さや幅は、ホイールを選ぶ重要なポイントです。エアロ効果や乗り心地に大きく影響するため、よく考えて選びましょう。また、ロードバイクホイールの一般的なサイズは、700C(622mm/29in)です。リム高、リム幅について、それぞれ説明します。
リム高
リムの高さ(リムハイト)とは、ホイールを横からみたときに見えるリムの長さを指します。ローハイトリム(30mm以下)・ミドルハイトリム(30〜50mm)・ディープリム(50mm以上)の3種類に分けられます。
リムが低く抵抗が少ないローハイトリムは、横風の影響を受けにくいのが特徴です。コーナリングや速度変更への対応がしやすく重量が軽いため、ヒルクライムや日常使いに適しています。
一方で、リムが高いディープリムは、横風の影響を受けやすくなりますが、エアロダイナミクス効果が期待できるため、平地で早く走りたい人におすすめです。
ミドルハイトは、ローハイトとディープリムのどちらの性質ももちあわせており、幅広いユーザーが使いやすいでしょう。
以下の記事では、ディープリムホイールのメリットやデメリットを紹介しています。
リム幅
リム幅は、ホイールを縦にみたときに見える幅を指し、単位には「C」が使われます。ロードバイク用のホイールは、17C・19C・21Cの幅が一般的です。
トレンドの太めのタイヤが使える「ワイドリム」は、フレームとホイールの間にある程度の隙間が必要です。ワイドリムに対応しているのは多くの場合ディスクブレーキ。剛性の強さと走行の安定性が魅力で、ロングライドやグランフォンドに適しています。
リム幅が細いタイヤは転がりがよく空気抵抗も少ないため、スタートからスピードを出しやすい特徴があり、ロードレースに適しています。使いたいタイヤの種類によっても使えるホイールが異なるため、用途にあわせて選びましょう。
ロードバイクホイールを取り扱う主要ブランド
ロードバイクホイールの主なブランドは次の5つです。
・SHIMANO(シマノ)
・Campagnolo(カンパニョーロ)
・FULCRUM(フルクラム)
・MAVIC(マヴィック)
・Lightweight(ライトウェイト)
数多くのブランドから豊富な種類のホイールが販売されており、選択の際には乗り心地や走行性能など、人によって重視する点が異なります。
なかには、パンク修理のしやすさを重視する人もいるでしょう。ブランドそれぞれの魅力的なデザインにこだわるのもありです。
SHIMANO(シマノ)
SHIMANOは、シティサイクルやプロ仕様など、幅広いアイテムをそろえる国産の自転車パーツ取り扱いブランドです。とくに、コンポーネントの性能のよさに定評があります。
ホイールとしては、左右非対称のスポークを採用した「オクトバルスポークシステム」や、非常に軽いリム構造でありながら十分な耐久基準も備えた「リムデザインストラテリー」が特徴です。独自のホイールテクノロジーを駆使し、高い性能とたしかな品質のホイールを製造しています。
また、国内で数多くの人に愛用されており、メンテナンスを受けやすいのも魅力のひとつといえるでしょう。
Campagnolo(カンパニョーロ)
カンパニョーロは、1933年にトゥーリオ・カンパニョーロによってイタリアで設立された、自転車パーツ取り扱いブランドです。航空宇宙業界で採用されている素材と最新の独自テクノロジーで、魅力的なアイテムを製作し、ホイールの人気ブランドとなっています。
カンパニョーロのホイールは、スポークが2:1の比率で配置されている「G3組」が特徴的です。3組に別れたスポークが、効率的にエネルギーを伝えて剛性を高めます。素材・価格・性能など、さまざまな種類を扱っているため、用途にあった1本がみつかるでしょう。
FULCRUM(フルクラム)
フルクラムは、カンパニョーロの伝統と技術を引き継いで、ホイールに特化したブランドとして2004年に設立されました。フルクラムのホイールは「Racing(レーシング)」「Racingクアトロ」「Speed」「Red Wind」と、4つのシリーズに分けられており、どれも走行性能に定評があります。
また、トレンドにあわせてディスクブレーキに対応したモデルが多くなり、今後も高い需要が期待できます。加速性に優れたディスクブレーキ用のホイールを探している人に、注目してほしいブランドです。
MAVIC(マヴィック)
マヴィックは、130年以上の歴史をもつフランスのブランドです。ニッケルメッキ事業を立ち上げ、さらに11年後に自転車部品の製造販売も始めました。マヴィックのホイールは、長い歴史がなせる技術による精度の高さが魅力です。
マヴィックの特徴は、高温でスポークホールをドリリングする「FOREテクノロジー」によって、ハトメを削減し、強度を落とさずに軽量化されている点です。さらに数多くの人が苦戦する、チューブレスタイヤの交換も容易になっています。リム部分は独自技術の「ITGMAX」を駆使して粗さを改善しており、ブレーキ性能も抜群です。
ヒルクライムを中心に、軽量性やブレーキ性能を重視する人におすすめです。
Lightweight(ライトウェイト)
ライトウェイトは、究極のカーボンホイールと呼ばれる、フルカーボン製のホイールブランドです。リムだけでなく、スポークにも独自開発したLCCカーボンが用いられており、圧倒的な軽さと高いパフォーマンスを発揮します。
また、カーボンスポークはハブを経由して単一の金型から作られるため、ねじれが少なく、高い剛性が期待できます。価格帯は高めですが、プロ選手も自分で購入する「究極のホイール」といえます。快適な乗り心地や高いパフォーマンスを感じられるでしょう。
ロードバイクのホイールおすすめ19選
ここでは、おすすめロードバイクホイールを紹介します。ホイールの素材とブレーキの種類別にピックアップしました。
デザインや性能なども紹介するので、自身に適したホイールを見つける参考にしてください。
「カーボン×リムブレーキ」5選
まずは、カーボン素材で、リムブレーキに対応しているホイールを紹介します。
重量(g) | リム高(mm) | リム幅 | 参考価格(税込) | |
FULCRUM/Racing Zero カーボン | 1,340g | 30mm | 24.2mm (ETRTO 17C) |
354,200円 |
MAVIC/COSMIC SLR 40 | 1,390g | 40mm | 19mm (ETRTO 19TC) |
297,000円 |
Campagnolo/BORA WTO 60 | 1,550g | 60mm | 26.5mm | 350,900円 |
ICAN/AEROシリーズリムブレーキホイールリムハイト40/50mm | 1,357g | 40/45mm | 25mm | 106,900円 |
Superteam/カーボンロードホイールセット | 1,630g ±30g | 50mm | 23mm | 112,434円 |
軽い素材とパンク修理のしやすい組みあわせは、ロングライドのイベントやサイクリングにおすすめです。
FULCRUM(フルクラム)/Racing Zero カーボン(レーシング ゼロ カーボン)
アルミ製のホイールの最高峰として定評のあるフルクライムから発売されている、カーボン製のクリンチャーホイール。重量は1,390gとクリンチャーのなかでは非常に軽量です。横風の影響を受けにくい30mmのリムハイトでありながら、アルミリムのような剛性も備えています。
さらに、クリンチャータイプでパンク時の対応が容易です。ヒルクライムだけでなく気軽なサイクリングやロングライドなどにも向いており、幅広いシチュエーションで活躍します。
MAVIC(マヴィック)/ COSMIC SLR 40(コスミック エスエルアール 40)
COSMIC SLR 40は、加速性・剛性・軽量性を備えたチューブレスのホイールです。フランスのブランドであるマヴィックが、デザインをはじめ製作まで、すべてヨーロッパの自社工場で行っています。
40mmのリムハイトは、風の抵抗を最小限に抑制。また、特許取得のエアロスポークの軽量さとチューブレスによる優れた乗り心地が評価されています。高速域での走行を得意とするため、ロードレースやタイムトライアルにおすすめです。
Campagnolo(カンパニョーロ)/BORA WTO 60 2WAY-FIT(ボーラ WTO60 2ウェイ-フィット)
エアロダイナミクス効果を重視したい人におすすめのチューブレスのホイールが、CampagnoloのBORA WTO 60です。「WTO」とは、「ウィンドトンネルオプティマイズド」の略称で、エアロダイナミクス効果にフォーカスしているモデルであることがわかります。
リム幅は60mmのワイドリム(ディープリム)を採用しています。リム剛性が強いため、高勾配のヒルクライムには適しておらず、空力を生かした高速巡航を得意とします。また、リムに描かれるシンプルなCampagnoloのデザインは、ディープリムならではの魅力です。
エアロダイナミクス効果を活かせるタイムトライアルや、トライアスロンを検討している人に適しています。
ICAN(アイカン)/AEROシリーズリムブレーキホイールリムハイト40/50mm
AEROシリーズのホイールは、ICANの最軽量モデルです。リムには東レの「T700」と「T800」のカーボンファイバークロスを組みあわせ、1,357gの軽量さを実現しています。
リムのワイド化にも対応しており、トレンドの太めのタイヤが装着できるのはうれしいポイントです。さらに、クリンチャーとチューブレスタイヤのどちらにも対応しているため、自身の用途にあわせて変更できます。チューブレスに挑戦してみたいけれど、メンテナンスの面で心配がある人にぴったりです。
Superteam(スーパーチーム)/カーボンロードホイールセット
中国のアモイで設立された佰业兴が展開しているホイールブランド「Superteam」のカーボンホイールです。カーボン素材でありながら10万円を切る価格が大きな特徴で、購入者のレビューにおいては、価格以上のスペックであると評判です。
デザインはシンプルでロードバイクを選ばないため、幅広いユーザーの人が使いやすいでしょう。なるべく価格を抑えたカーボンホイールが欲しい人は、検討する価値があります。
「カーボン × ディスクブレーキ」5選
カーボン素材で、ディスクブレーキに対応しているホイールを紹介します。
重量(g) | リム高(mm) | リム幅(mm) | 参考価格(税込) | |
ウインドブレーバイク/SUPERTEAM ホイールセット 65/25 | 1,765g ±30g | 60mm | 25mm | 51,999円 |
SUPERTEAM/カーボンホイールセット | 1,780g ±30g | 50mm | 25mm | 99,292円 |
SHIMANO/C46 チューブレスレディディスクブレーキ フロント | 719g(フロントのみ) | 46mm | 28mm | 65,267円 |
Vision /SC 40 DISC | 1,590g | 40mm | 19mm | 210,870円 |
LWC WHEELS/LWC AERシリーズ 25mm・45mmカーボンホイールセット/ディスク専用設計・チューブレスレディ | 1,350g | 45mm | 28mm | 170,000円 |
高勾配の登坂をともなう長距離サイクリングには、軽いカーボン素材と制動性の高いディスクブレーキの組みあわせがおすすめです。
ウインドブレーバイク/SUPERTEAM ホイールセット 65/25(スーパーチーム ホイールセット)
ウインドブレーバイクの、ディスクブレーキに対応したモデルです。UST(Universal System Tubeless)リムと呼ばれるチューブレスリムが採用されているため、チューブレスタイヤのみ装着できます。
タイヤが外れにくいビートロック設計に加えて、タイヤとチューブの間に気密シールが形成され、耐パンク性に優れています。また、5万円台と価格が抑えられているのも魅力のひとつでしょう。費用に対して性能が高いので、初めてディスクブレーキを試したい人におすすめです。
SUPERTEAM(スーパーチーム)/カーボンホイールセット
リム全面に描かれた「SUPERTEAM」のロゴが魅力的なホイールです。必要に応じてロゴペイントをカスタマイズできるため、個性を出したい人に向いています。
東レの「T700 ファイバーカーボン」素材とエアロスポークの採用により、走行性能も申し分ありません。低価格帯でディスクブレーキに対応しているため、価格を抑えたエアロダイナミクスなホイールを探している人は検討の価値ありです。
SHIMANO(シマノ)/C46 チューブレスディスクブレーキ フロント
性能に定評のあるシマノより展開されているディスクブレーキ用のホイールです。SHIMANOの独自テクノロジーである「D2リム」を採用し、ホイールとタイヤのギャップを軽減しています。よりエアロダイナミクスを向上させた設計です。
デザインはSIMANOらしいシンプルさで、ロードバイクや服装を選びません。1本のホイールで、普段使いやサイクリングイベントなど多彩に使用できるため、ディスクブレーキのホイール選びに悩んでいる人は、選択肢に加えてみてください。
Vision(ヴィジョン)/ SC 40 DISC
リム高40mmで、重量も1,600g以下の扱いやすいホイールです。ホイール取り付けの基本規格はスルーアクスル仕様ですが、クイックリリース規格に装着できるアダプターが付属されているのが特徴です。
また、タイヤの種類が、クリンチャーとチューブレスのどちらにも対応するのは魅力的なポイントでしょう。数多くの使用方法で幅広いシチュエーションで活躍するため、ロードバイクの用途がまだ定まっていない人におすすめです。
LWC WHEELS/LWC AERシリーズ 25mm・45mmカーボンホイールセット/ディスク専用設計・チューブレスレディ
カーボンホイールに特化したブランド「LWC WHEELS」より展開されている軽量モデルが、AERシリーズです。大手のブランドではありませんが、その分流通コストを削減し、20万円以下の価格帯でリム高45mm、1,350gという圧倒的な軽量性を実現しています。
前後のホイールにかかる応力を独自で解析するため、強度と重量のバランスは抜群です。なお、4〜6週間の納期を設けているので、気になるホイールがある場合は早めに問いあわせてみましょう。
「アルミ × リムブレーキ」5選
続いて、アルミ素材でリムブレーキに対応しているホイールを紹介します。
重量(g) | リム高(mm) | リム幅(mm) | 参考価格(税込) | |
MAVIC/KISYRIUM S | 1570g | 22mm | 19mm | 95,000円 |
SHIMANO/WH-RS700-C30-TL | 1540g | フロント:24mm/リア:28mm | 20.8mm | 134,979円 |
P&P COMPONENTS/WH-A1800R-HD2 | 1210g(フロントのみ) | 25mm | 17mm | 11,630円 |
Campagnolo/ZONDA C17 WO | 1596g | フロント:26mm/リア:30mm | 25mm | 79,200円 |
VISION/TEAM 35 COMP | 1740g | 35mm | 22mm | 58,960円 |
安定感のある乗り心地と、価格を抑えたホイールを探している人におすすめです。
MAVIC(マヴィック)/KISYRIUM S(キシリウム S)
高い剛性と耐久性に定評があるのが、MAVICのKISYRIUM Sです。高温のドリリングによってスポークホールをあけるFOREテクノロジーを駆使しているのが特徴。ねじ止めがない分、通常のリムよりも軽量かつ剛性の高いホイールになっています。
また、チューブレスタイヤの着脱が容易な設計は、初めてチューブレスタイヤを使用する人にとってうれしいポイントです。カーボン製のホイールに比べると軽量性は劣りますが、チューブレスタイヤを用いて、パワーを乗せて高速域で走りたい人に適しています。
SHIMANO(シマノ)/WH-RS700-C30-TL
SHIMANOのアルテグラシリーズである「WH-RS700」は、軽い走り出しでスピードに乗りやすいホイールです。リム高がフロント24mm、リアがmmと、前後のホイールで異なっているのが特徴です。
また、リアのリムには上位モデルのデュラエースと同じ、スポークの張度を均衡にする「OPTBALスポークシステム」を採用。バランスを強化し、強度を上げたタフな走行に対応します。
アルミならではの乗り心地のよさと、加速のしやすさでオールラウンドに活躍するため、サイクリングやツーリングにおすすめです。
P&P COMPONENTS(ピーアンドピー コンポーンポーネンツ)/WH-A1800R-HD2
国産自転車パーツメーカーのP&P COMPONENTSより発売されているホイールです。2000カンデラのライトがセットになったハブダイナモ式。17Cのワイドリムとアルミ素材で、転がりの軽さと安定性が特徴です。
また、セットのライトは車輪の回転で発電するため、充電や電池交換の必要がないのがうれしいポイントです。暗い道で自動点灯するオート式なので、ロードバイクで通勤・通学を考えている人は、選択肢のひとつになるでしょう。
Campagnolo(カンパニョーロ)/ZONDA C17 WO(ゾンダ)
パフォーマンスが高く、トッププロ選手の練習用としても使われているのが、CampagnoloのZONDAです。見た目にもわかるCampagnoloならではの「G3組」が特徴的です。C17のリムは25mmのワイドクリンチャーに対応しています。
また、スチール製のスポークとアルミ製のホイールの組みあわせにより、耐久性は抜群。さらにCampagnolo独自開発の、回転に優れた「カップ&コーンベアリング」で走行性も高く仕上がっています。ロングライドやツーリング、レースなどオールラウンドに使用したい人におすすめです。
VISION ( ヴィジョン )/ TEAM 35 COMP(チーム 35 コンプ)
高いパフォーマンスと抑えられた価格が特徴のモデルです。職人によって手組みされたアルミホイールで、エアロスポークを採用し、重量は1,790gと軽量です。リム高は操作性のよい35mmとなっており、多少の横風のなかでも快適に走行できます。
また、アルミ素材には少ないブラックカラー仕様のリムが魅力的で、性能だけでなく見た目にもこだわっています。5万円台と価格が抑えられているため、見た目も性能も完成車からアップグレードしたい人は、ぜひ検討してみてください。
「アルミ × ディスクブレーキ」4選
アルミ素材でディスクブレーキに対応しているホイールを紹介します。
重量(g) | リム高(mm) | リム幅(mm) | 参考価格(税込) | |
Novatec/CXD | クリンチャー:1,470g/チューブラー:1,510g | クリンチャー:24mm/チューブラー:23.5mm | 24mm | 135,580円 |
FULCRUM/Racing 3 DB 2way | 1,660g | 28mm | 23.8mm | 107,360円 |
P&P COMPONENTS/BOREAS | 1,450g | 30mm | 19mm | 94,600円 |
EASTON/EA70 SL DISC クリンチャーホイール | 1,760g(セット) | 20mm | 24mm | 25,800円 |
購入しやすい価格帯でパンク修理がしやすいので、最初の一台がディスクブレーキタイプの人におすすめです。
Novatec(ノヴァテック)/CXD
年間で最も優れた革新的製品を表彰するTBEA(台湾自転車輸出協会)において、最優秀製品に選ばれたNovatec。ディスクホイール対応のCDXが展開されていて、クリンチャーまたはチューブレス(チューブレスレディ)に対応します。
価格が抑えられたエントリーモデルですが、ベアリングは日本製を採用し、上位モデルに劣りません。また、シクロクロスに採用される耐久性と、メンテナンス性の高さに定評があるため、ハードなロードレースやトレーニング用におすすめです。
FULCRUM(フルクライム)/Racing 3 DB 2way(レーシング3)
ロードレースやエンデュランス、グラベルなど、数多くのシチュエーションに対応するのがフルクラムのRacing3です。19mmのワイドリムには、25C・28Cのタイヤが装着可能で、高いグリップ力が見込めます。
さらに、23Cのタイヤにも対応していおり、細いタイヤを使ったスピード走行を楽しめます。加速が早く、トップスピードに乗っても安定感のある走りは、ジャンル問わず幅広いユーザーの期待にこたえるでしょう。
P&P COMPONENTS(ピーアンドピー コンポーネンツ)/BOREAS(ボレアス)
BOREASは、ディスクブレーキ対応のアルミ素材でありながら、1,450gの軽量性を誇るホイールです。踏み出しが軽いため、脚に疲労がたまりにくいのが特徴です。
さらに、加速性に優れた36ノッチのハブで、ツーリングでの高速巡航を容易にします。また、ローターの固定方式にシマノが開発した「センターロック式」を採用し、ローターの着脱が容易で、メンテナンス性も抜群です。
高速巡航が好きな人、自身でカスタマイズやメンテナンスする人は、ぜひ検討してください。
EASTON(イーストン)/EA70 SL DISC クリンチャーホイール
重さや材料、強さにこだわりをもつEASTONより販売されている、ディスクブレーキ対応のホイールです。剛性を強化するためにリム高は27mmに設定。また、職人によって1本ずつ丁寧に製造されており、スポークのテンションなど、細部への精度の高さに定評があります。
重量は1,770gで、重すぎずCXタイヤに対応しているのが長所のひとつです。乗り心地のよいホイールで、ロードバイクとシクロクロスバイクのどちらも楽しみたい人におすすめです。
ロードバイクホイールとあわせて使いたいアイテム
お気に入りのロードバイクホイールには、タイヤやグリスをあわせて使うのがおすすめです。その理由と、おすすめアイテムを紹介します。
タイヤ
タイヤはホイールを使用するために、なくてはならないアイテムです。同じホイールでも、タイヤを変えるだけでスピードや乗り心地に大きな影響を与えます。
またタイヤには、クリンチャーやチューブラー、チューブレスなど、ホイールの種類によって装着できるタイヤとできないタイヤがあるため、よく確認してから購入しましょう。より快適に走行するには、ロードバイクの用途やホイールの個性にあったタイヤの装着がおすすめです。
以下は、コントロール性能と信頼性を高めるチューブレスタイヤです。
グリス
耐水性・耐熱性・耐圧性に優れたグリスは、ロードバイクのサビ止めや摩擦防止の効果があります。新しいホイールに交換する際には、摩擦防止としてハブの部分に薄く塗るとよいでしょう。
ホイール以外にもロードバイクのメンテナンスにおいて幅広く活躍するため、ひとつ持っておくと便利なアイテムです。
以下のような耐水性・耐圧性・耐熱性に優れた自転車専用のグリスをチョイスしましょう。
ロードバイクに乗る時にあったら便利なアイテム
お気に入りのロードバイクで出かける際に、一緒にあると便利なアイテムを紹介します。
ライト
ライトの取り付けは、道路交通法第54条において義務付けられており、公道を走るすべての車両に必要です。サイクリングやツーリングで公道を走るロードバイクにとっては、必要不可欠なアイテムといえるでしょう。
ライトは前と後ろに取り付けが必要で、前方10mを照らせる程度、後方100mから把握できる明るさが目安とされています。電池タイプや充電式、ソーラー式など、充電方法はさまざまです。サイズや形も数多くの種類が販売されていますので、好みのライトを探してみてください。
サドルバッグ
なるべく身軽な走りを楽しみたい人には、サドルバッグがおすすめです。サドルバッグは、サドルの下に取り付けて、アイテムが収納できる自転車用のバッグです。
スマホや財布など、すぐに必要なものは背中のポケットにしまっている人が多いのですが、修理キットや予備のチューブ、チェーンロックなどを収納しておくにはサドルバックが活躍します。
必要最低限の小物を収納できる小さいタイプや、着替えが入るほど大きなタイプなど多くの種類があるため、ロードバイクの用途によって使い分けるとよいでしょう。
安く買いたいなら中古品もチェックしてみよう!
価格を抑えてホイールをアップグレードしたい人には、中古品がおすすめです。ホイールの中古品は、スポーツバイクの中古専門通販サイトや店舗で取り扱っています。
年代が古くなっただけで新品同様のものや、年季が入った品など、販売されているホイールはさまざまです。同じモデルでも状態によって価格は変動しますが、お得に購入できる可能性もあります。
ただし中古品の場合は、使用前にメンテナンスが必要な場合があるため、自身でホイールの振れなどをチェックして、手入れや修理をしなければなりません。自身での対応が難しい場合は、対応可能な店舗を探す必要があります。
また、「想像より損傷や劣化がひどかった」という事態を避けるためにも、年式や使用年数を事前に確認しましょう。なかには、廃盤になったモデルが手に入る可能性があるため、ほしいホイールがある際にはぜひチェックしてみてくださいね。
ロードバイクのホイールのベストな交換時期
ロードバイクホイールを交換するベストタイミングの見極め方は3つあります。以下で順に紹介するので、交換を検討している人は参考にしてください。
走行距離で判断する
一般的に、走行距離「20,000km」がホイール交換のベストなタイミングだといわれています。20,000km以上走ったからといって、見た目にわかるような破損がみられるケースは少ないようですが、性能が落ちる目安の距離となります。
ただしブランドやモデル、使い方によって消耗に差があるため、目安として覚えておきましょう。
損傷状態で判断する
実際には、ホイールの損傷状態で判断するのがおすすめです。リム部分がすり減ってきたり、スポークが折れたりしたホイールは使用できなくなります。スポークの場合はセルフでの交換が可能ですが、難しい場合は取り扱い店舗にお願いしましょう。
また、リムの消耗は、ブレーキのかけ方によって大きな差が生じます。下りでのブレーキは適宜必要ですが、極端なかけっぱなしを避ければ消耗を抑えられるでしょう。また、雨天の走行も消耗の原因になります。
お気に入りを見つけたら交換する
もちろん、好みのホイールが見つかった場合に交換するのもよいタイミングです。お気に入りのホイールに交換すれば、よりロードバイクを楽しめるでしょう。用途によってホイールを使い分けるのも一つの楽しみ方です。
ロードバイクホイールの寿命やメンテナンスについては、以下の記事で詳しく説明しています。
ロードバイクのホイールの交換方法とメンテナンス
最後に、ロードバイクホイールの交換とメンテナンス方法を説明します。
ディスクブレーキのホイール交換方法
ここでは、需要の高まりを見せている、ディスクブレーキのホイール交換方法を紹介します。
ディスクブレーキホイールの特徴であるスルーアクスルには、さまざまな種類が存在します。アーレンキーを使用して着脱する、最もポピュラーなタイプの交換方法をチェックしましょう。
主に以下4つの手順に分けられます。
①スルーアスクルを外す
②古いホイールを外す
③新しいホイールをはめる
④スルーアクスルを取り付ける
①スルーアスクルを外す
まずは、もともと装着していたホイールの外し方です。アーレンキー(六角レンチ)を用意しましょう。
スルーアクスルを外すには、ホイールとフォークを止めているネジ穴にアーレンキーを差し、反時計回りに回します。中心にささっているシャフトが抜けるようになったら指で引っ張りましょう。
抜けない場合は緩め切れていない可能性があります。再度緩めて、フレームとスルーアクスルを垂直にして抜いてみてください。
②ホイールを外す
スルーアクスルが外せたら、車体を持ち上げて、ゆっくりホイールを前方にずらして外します。
外す際にはブレーキを握らないように注意が必要です。ブレーキを握ってしまうと、ブレーキキャリパーが閉じて、そのまま開かなくなります。自分で戻すのは難しく、店舗に持ち込まなければいけなくなるため気をつけてください。
③新しいホイールをはめる
次に、新しいホイールをはめます。フォークの間に、新しいホイールを挿入します。フォークの内側にある、ブレーキキャリパーやブレーキローターにぶつけないように慎重に挿入しましょう。ブレーキキャリパーの中心部分に、まっすぐ入れるのがポイントです。
④スルーアクスルを取り付ける
手順①で外したシャフトを差し込みましょう。最後まで差し込んだら、アーレンキーを時計回りにまわして固定します。アーレンキーがスムーズに入らない場合は、シャフトが曲がっている恐れがあるため、入れ直してから固定してください。
ホイール交換後の擦れ調節
ホイール交換後には、ブレーキローターとブレーキパッド間に起こる「擦れ」がみられるケースがあります。擦れは、普段のライド中にもよく起こる現象なので、ホイール周辺から少し異音がするなど違和感がある場合は、以下の方法で調節しましょう。
①ブレーキを固定しているネジを緩める
まずは、ディスクブレーキとフレームを固定している2本のネジを緩めます。このとき、アーレンキーを少しだけ反時計回りにまわしましょう。
②ブレーキレバーを握ってチェック
次に、ブレーキレバーを強く握って、ブレーキ(キャリパー)の中心にローターが入っているか確認します。左右どちらかに接触している場合は、丁寧にずらして調節してください。
③ブレーキネジを閉める
最後に、①で緩めた固定ボルトを閉めて完了です。簡単な作業ですが、ホイールやブレーキはロードバイク走行においてとても重要です。少しでも心配な場合は、無理せず店舗に相談しましょう。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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