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ロードバイクヘルメットの必要性
ロードバイクに乗る際は、すべての人にヘルメットの着用が努力義務化されています。そのため、必須ではありませんが、頭部の保護のためにはヘルメット着用の必要性があるといえるでしょう。ここでは、ヘルメットを着用すべきおもな理由を3つ紹介します。
交通事故対策
ヘルメットの最大の利点として、交通事故被害の軽減があげられます。内閣府の「令和4年度交通事故の状況及び交通安全施策の現況」によると、ヘルメットを着用せずに自転車に乗る場合、着用しているときよりも致死率が上がるというデータがあります。
また、自転車乗車時の事故死因は、頭部損傷が全体の約7割と圧倒的に多く、ヘルメットを正しく着用すれば、事故や転落時の大きなケガを避けられる可能性が高まります。さらに、ハイスピードでの走行中には小石や虫などがぶつかる恐れがありますが、そのようなリスクから頭部を守り、快適に走るためのアイテムとして役立ちます。
暑い日の熱中症対策
直射日光は、熱中症の要因となる危険性があるため、直接頭部にあたる日差しを防ぐ手段としてヘルメットが活躍します。走行中、顔に汗が流れてくるのを防ぎ、快適な走行をサポートする働きも期待できるでしょう。夏場に使用する場合は、日差しをガードできるつばつきのタイプや、通気性のよい素材を選ぶのがおすすめです。
寒い日の防寒対策
熱中症対策になる一方で、寒い日は防寒対策に役立ちます。可能であれば暑い日に向いている商品とわけて購入するのが有効ですが、コストがかかるのも事実です。そのため、基本的には暑い日に着用できる通気性のよいヘルメットを購入し、フリース素材やバラクラバタイプなど、防寒性があるインナーキャップで温度調節するのがおすすめです。
主なメーカー(ブランド)
ロードバイク向けヘルメットの主なブランドを紹介します。ロードバイクの使用目的は、レースや通勤・通学、サイクリングなど人によってさまざまです。たくさんのブランドから販売されているヘルメットには、それぞれ特徴があるため、自身の使用目的にあわせて選びましょう。
メイドインジャパンのこだわり/OGK kabuto(オージーケーカブト):日本
日本国内で、企画開発や安全性実験を行っているブランドです。ヘルメットのほかにもサングラスやバーテープなど、自転車用品を取り扱っています。ロードバイク向けのラインナップが豊富で、日本人の頭にフィットしやすいのが魅力的です。
カブト・チャイルドメットシリーズでは、「第4回キッズデザイン賞・キッズセーフティー部門最優秀賞」を受賞しています。安全性の高さと高品質なヘルメットは、子どもやプロライダーなど多くのユーザーに人気があります。
また、OGK kabutoヘルメットは、JCF(日本自転車競技連盟)の規格基準をクリアしているため、ロードレースへの出場を検討している人にとっては、選択肢のひとつとなるでしょう。
アジアンフィットの品揃えが豊富/GIRO(ジロ):アメリカ
アメリカンブランドであるGIROは、CANYON、SRAMをはじめとするワールドチームのトップライダーから支持されています。
「DOME」と呼ばれるGIRO社内テストラボを設けており、衝撃テストを繰り返し、多様な衝撃から保護する製品の開発に力を入れているのがポイント。とくに、他方向衝撃保護システムの「MIPS」を採用しているモデルでは、ヘルメット内部の低摩擦層によって落車時の衝撃を軽減し、頭部を守る効果が見込めます。
GIROのヘルメットは、グローバルフィットよりも10mm横幅が拡大されたアジアンフィットを展開しており、アジア人特有の頭部形状でも被りやすいモデルがあります。GIROの正規取り扱い店やGiro Studio Tokyoにて試着が可能なため、購入を検討している人はぜひ試してみましょう。
高品質と軽量性を両立/KASK(カスク):イタリア
KASKは、2004年よりイタリア本土に拠点をおく、ヘルメットの設計・製造を専門としたメーカーです。独自の厳密な安全性テストによって品質向上に努め、UCIワールドチームのトップアスリートにおいても長年採用されています。品質がよく、軽量なヘルメットを探している人におすすめのブランドです。
また、イギリスの自転車専門YouTubeチャンネル「GCN(Global Cycling Network)」とパートナーシップを結んでおり、KASK製品を用いた動画の配信は、世界中のサイクリストのサポートになっています。サイクリストファーストな考えの製品開発は、さまざまなユーザーに需要があるといえるでしょう。
自然なフィット感/LAZER(レーザー):ベルギー
LAZERは、1919年に設立されたベルギーのメーカーです。同年にUCIワールドツアー「ツール・ド・フランス」で優勝を果たしたアンリ・ファン・レルベルが着用していたことで知られています。オンロードやオフロード、キッズやレジャー用など、幅広いジャンルのヘルメットを取り扱い、世界50カ国で販売されています。
すべての製造をベルギーで行うLAZERですが、その多くは日本人の頭形に適合しやすいアジアンフィットのモデルです。さらに、LAZERの独自フィッティングシステム「アドバンスドロールシス」により、自然なフィット感を得られるのが魅力的です。海外メーカーのヘルメットがフィットしにくい人は、試してみる価値があります。
その他の有名ブランド
ほかにも有名なブランドをいくつかピックアップしましたので、参考にしてみてください。
・BELL(ベル):アメリカ
・BERN(バーン):アメリカ
・MET(メット):イタリア
・ABUS(アバス):ドイツ
・LIMAR(リマール):イタリア
おすすめのロードバイクヘルメット9選
ここでは、ロードバイクに適したおすすめのヘルメットを9つ紹介します。初めての人におすすめのエントリーモデルや、デザインを重視したい人、レースに使用できるハイエンドモデルなどを紹介しますので、ヘルメット選びの参考にしてください。
ベーシックなエントリーモデル
まずは、ロードバイクが初めての人におすすめのベーシックなエントリーモデルです。通勤や通学など、街乗りを中心に考えている人にも適したモデルを紹介します。
①初心者に最適なシンプルモデル:OGK Kabuto(オージーケーカブト)/CANVAS URBAN(キャンバス・アーバン)
スポーティーなヘルメットが恥ずかしい人でも使いやすい、アーバンスタイルのヘルメットです。付属のキャンバスバイザーは取り外しもでき、さまざまなスタイルにあわせられます。機能面においては、使い勝手のよいダイヤル式のアジャスターが魅力的です。
また、シリコンベルトのテールライトを取り付けやすい形状や、後部に施された大きなリフレクターの反射により、夜間の走行をサポートします。マットな質感とシンプルなデザインは街に溶け込みやすく、通勤通学で使用したい人にぴったりです。
価格 | 7,040円(税込) |
サイズ | M/L(57〜59cm) |
重量 | 290g |
カラー | ・マットオフホワイト ・マットブラック ・マットグレー ・マットネイビー ・マットオリーブ ・マットアッシュブルー ・マットワインレッド |
②コストパフォーマンスに優れたモデル:KASK(カスク)/SINTESI(シンテシ)
使い方を選ばない、バランスのよさが魅力のエントリーモデルです。価格を抑えたモデルでありながら、230gと抜群の軽量性と高い通気性を誇ります。
見た目はハイエンドモデルにも採用されている、継ぎ目のないカジュアルな丸いデザインで、使うシーンを選びません。また、KASK社の安全基準「WG11」に適合しており、ねじれ衝撃への対応も確認済みです。通勤や通学、サイクリングやレースと、いろいろな乗り方でロードバイクを楽しみたいと考えている人におすすめです。
価格 | 14,850円(税込) |
サイズ | ・M(52〜58cm) ・L(59〜62cm) |
重量 | 230g(M) |
カラー | ・ALOE GREEN ・BLACK ・GRAY ・LIGHT BLUE ・OXFORD BLUE ・RED ・WHITE ・TANGERINE ・WINE RED ・SAHARA ・SEA ICE |
デザイン重視モデル
次に、デザインを重視したモデルです。女性向け、男性向けのデザインや、おそろいで着用できるモデルなどを紹介します。
③キノコにならないスタイリッシュなモデル:MET(メット)/TRENTA MIPS(トレンタミップス)
シャープなシルエットでスタイリッシュに着用できるのが、METから発売されているTRENTA MIPSです。NACAベンチレーションが前方に設置されているため、スマートな形状になっており、高い通気性も確保されています。
また、「MIPS」という頭部の保護性能を高めたテクノロジーを搭載しており、転倒時の脳への衝撃を減らせるのもうれしいポイント。性能のよいスタイリッシュなヘルメットがほしい人は、検討の価値ありです。
価格 | 34,100円(税込) |
サイズ | ・M(56〜58cm) ・L(58〜61cm) |
重量 | 250g(M) |
カラー | ・Red Dahlia/Matt ・Navy Silver/Matt ・Undyed White Lime/Matt ・Gray Iridescent/Matt ・Olive Iridescent/Matt ・White Black/Matt Glossy ・Black/Matt Glossy |
④デザインを重視した女性向けモデル:OGK Kabuto(オージーケーカブト)/RECT LADIES(レクトレディース)
ユニセックスの「RECT(レクト)」に、レディースデザインを取り入れたモデルです。コンパクトな見た目と繊細なロゴが魅力的。57cm〜60cmと女性の頭部に合わせやすいサイズに加えて、アジア人の頭に適合しやすい円形状になっています。
また、フィット感が抜群の「XF8アジャスター」は、シリコンベルトタイプのテールライトが装着可能で、暗くなりがちな退勤時の走行をサポートします。JCF規格のヘルメットのため、サイクリングや通勤に加えて、積極的にレースへ挑戦したい女性にもおすすめです。
価格 | 10,120円(税込) |
サイズ | M/L(57〜60cm) |
重量 | 245g(M) |
カラー | ・マットパールホワイト ・マットブラック |
⑤ダイナミックなデザインの男性向けモデル:ROCKBROS(ロックブロス)/自転車ヘルメット TT16
大きなサイズも展開している、洗練されたデザインの男性向けモデル。通常、頭形60cm前後のサイズ展開が多いなか、65cmまで対応できるXXLサイズも取り扱っています。重量は335gと軽量とはいえませんが、頭部が大きめで、なかなか適するサイズがない人は、選択肢のひとつになるでしょう。
また、取り外しが可能なゴーグルとサンシェードがセットになって備え付けられているので、メガネの上から着用することも可能です。ECマークを取得しているため、保護性能も申し分ありません。大きなサイズを探している男性は、検討の価値ありです。
価格 | 4,399円(税込) |
サイズ | ・L(57〜62cm) ・XL〜XXL(58〜65cm) |
重量 | ・281g(L) ・335g(XL〜XXL) |
カラー | ・ブルー ・ブラック ・チタン ・パープルメタリック ・ブルーメタリック ・チタン(XL〜XXL) ・ホワイト(XL〜XXL) |
⑥カラーバリエーションを重視したカップル向けモデル:BERN(バーン)/ MACON VISOR 2.0(メーコン・バイザー 2.0)
12種類のカラーバリエーションと、SからXXXLまでの豊富なサイズ展開で、男女ともに着用しやすくカップルにおすすめのヘルメットです。BERNは、アメリカのボストンで誕生したブランドで、日本人向けにアレンジされたBERN JAPANが取り扱っています。
アメリカ本土と連携して開発されたジャパンフィットは、日本人の頭の形状に適合しやすい円形の形状で、MACONVISORには、取り外し可能なバイザーも付属しています。シンプルなフォルムは人を選ばないため、好みのカラーでおそろいのコーディネートを楽しみたい人にぴったりです。
価格 | 13,750円(税込) |
サイズ | ・S(54〜55.5cm) ・M(55.5〜57cm) ・L(57〜59cm) ・XL(59〜60.5cm) ・XXL(60.5〜62cm) ・XXXL(62〜63.5cm) |
重量 | ・312g(S・M・L) ・317g(XL) ・322g(XXL) ・325g(XXXL) |
カラー | ・MATTE AMAZONBLUE ・MATTE BLACK ・MATTE CHAMPAGNE ・MATTE MINT ・MATTE NAVY ・MATTE RETRO FOREST GREEN ・MATTE RETRO MAROON ・MATTE RETRO PEACH ・MATTE RETRO RUST ・MATTE SAND ・MATTE WHITE ・SAINT DEEPPURPLE |
機能重視モデル
最後に、機能にこだわる人におすすめのヘルメットを3つ紹介します。ハイエンドモデルや耐久性に優れたモデルをピックアップしていますので、レースやロングライドを楽しみたい人はぜひ参考にしてください。
⑦性能と品質を重視したハイエンドモデル:OGK kabuto(オージーケーカブト)/AERO-SP5
AERO-SP5は、OGK kabutoから発売されているハイエンドモデルのエアロ形状ヘルメットです。タイムトライアル系の競技のみに使用できる完全受注生産の製品で、公道では使用できません。
独自の実証データ(CED解析と風洞実験)をもとに、ヘルメットの設計をミリ単位で調節し、エアロダイナミクスを追求しています。また、可視光線透過率40%、紫外線カット率99%以上の「ARS-4シールド」を標準装備。マグネット方式で着脱が手軽なのも魅力でしょう。本格的なタイムトライアルレースの参加を検討している人は要チェックです。
価格 | 100,000円(税込) |
サイズ | ・XS/S(54〜56cm) ・S/M(55〜58cm) ・L/XL(59〜61cm) |
重量 | ・320g(XS/S) ・340g(S/M) ・360g(L/XL) ・シールドは26g |
カラー | カーボン |
⑧耐久性に優れた長距離向けモデル:GIRO(ジロ)/HELIOS SPHERICAL AF(ヘリオス スフェリカル)アジアンフィット
イタリアンブランドであるGIROから発売されている、総合的に機能面を網羅した多用途向けのミドルグレードモデルです。ヘルメット内部を2つに分割した衝撃保護システム「SPHERICAL TECHNOLOGY」を採用し、快適な通気性とフィット感の向上を実現しており、長距離ライドをサポートします。
また、さまざまな状況に対応できるシェルを用いており、グラベルロードにおいても高い衝撃吸収性を発揮するのはうれしいポイント。さらに、通常GIROではグローバルフィット規格が基準となりますが、HELIOS SPEHERICALは日本人の頭にあわせやすいアジアンフィットモデルとなっています。
長距離を快適に走行でき、耐久性があるモデルを探している人は、ぜひ検討してみてください。
価格 | 39,600円(税込) |
サイズ | ・S(51〜55cm) ・M(55〜59cm) ・L(59〜63cm) |
重量 | ・257g(S) ・277g(M) ・308g(L) |
カラー | ・MATTE WHITE/SILVER FADE ・MATTE BLACK FADE ・MATTE SHARK ・MATTE BLACK/RED ・MATTE BLACK FADE/HIGHLIGHT YELLOW ・MATTE BLACK CROSSING |
⑨長時間の着用時も疲れにくい軽量モデル:LAZER(レーザー)/GENESIS AF(ジェネシス AF)
LAZER史上最軽量で長時間の使用に適したヘルメットです。Mサイズの重量は210g、Sサイズは190gとなっており、頭に乗せているのを忘れるほど、軽さに定評があります。また、「ARS(Advanced Rollsys® System)」の採用により、頭を包み込むようなフィット感を得られ、髪を後ろで束ねる場合にもアジャスターが邪魔になりません。
サイズはS・M・Lで、男女ともに使用できます。フィット感抜群で、軽量なモデルのGENESISは長時間でも疲れにくく、ロングライドやロードレース、ヒルクライムなど幅広いユーザーにおすすめです。
価格 | 31,460円(税込) |
サイズ | ・S(52〜55cm) ・M(55〜59cm) ・L(58〜61cm) |
重量 | ・190g(S) ・277g(M) ・308g(L) |
カラー | ・WHITE BLACK ・BLACK ・ICE GREY ・GLOSS TITANIUM |
一緒に揃えると便利なアイテム
ヘルメット着用の際に併用して用いられるアイテムに、インナーキャップやヘルメット用シールドがあげられます。ここでは便利なアイテムを詳しく説明します。正しく使えば多くのメリットが得られるので、ぜひチェックしてください。
インナーキャップ(サイクルキャップ)
インナーキャップは、ヘルメットの下に着用して、汗対策や防寒対策になる便利なアイテムです。季節にあわせてヘルメットを使い分けない場合は、インナーキャップで調節するのがおすすめです。
インナーキャップの形には、つばつき、ビーニータイプ、バラクラバなどがあり、形や素材を用途によって使いわければ、快適な走行に役立ちます。寒い日には保温性と速乾性を備えたタイプ、暑い日には通気性と速乾性に優れたタイプが適しています。
また、インナーキャップを着用すれば、多少のサイズ調節ができる可能性があります。どうしてもヘルメットのサイズがしっくりこなかったり、ヘアチェンジしてあわなくなったりする場合には、ぜひインナーキャップを試してください。
ヘルメットインナーのさまざまな特徴については、以下の記事で紹介しています。
ヘルメット用シールド
メガネをかけている人や、サングラスが苦手な人に便利なのが、ヘルメット用シールドです。ヘルメット前部に装着し、虫や小石などから目を保護する役割があります。また、サングラスのようにヘルメットとの間に隙間ができないため、エアロダイナミックの効果を発揮しタイムトライアルの場面で活躍するでしょう。
はじめからヘルメットについているタイプと、あとからつけるタイプ、さらには使用できないタイプがあるため、ヘルメット用シールドを使用したい場合は、セット販売や、あと付け対応タイプのヘルメットを選びましょう。
ヘルメット用シールドについては、以下の記事を参考にしてください。。
ヘルメット用ライト
暗い道やトンネルを通る可能性がある場合は、ヘルメット用ライトが便利です。ロードバイクでは、ハンドル周りにライトを装着するのが一般的ですが、この場合、路面や前方しか照らせません。ヘルメット用ライトなら、自分の目線の先を照らせるので心強いでしょう。
また、ヘルメット用のリアライトもおすすめです。車体に装着するリアライトは、走行中に万が一電池が切れた場合、自分では気づけません。そのため、夜間の無点灯を避けるためにも、ヘルメット用のリアライト装着を検討しましょう。
どちらのライトであっても、首の負担を最小限にするために軽量なものを選ぶのがベスト。ヘルメット用ライトはヘルメットの上からつけられるタイプが一般的ですが、リアライトの場合はベルクロやシリコンバンドで装着可能なタイプがほとんど。ライトをつけやすい形状かどうかも、ヘルメットを選ぶうえでひとつの判断基準になるはずです。
ロードバイクヘルメットの正しい選び方
ロードバイクのヘルメットを選ぶポイントは3つあります。
- 使用用途を決める
- 頭囲を測定する
- カラーやデザインからチョイスする
ひとつずつ説明しますので、選び方を知って、しっかり頭部を守れるお気に入りのヘルメットを見つけましょう。
使用用途を決める
まずは、ヘルメットの使用目的を考えましょう。ロードバイクには、レースやサイクリング、通勤通学など、さまざまな使用目的があります。レースに使用するなら空気抵抗の少ないタイプ、サイクリングであれば、軽量で疲れにくく、通気性のよいタイプが向いています。
通勤通学に使用したいなら、服装にあわせてデザインにこだわるのもよいでしょう。また、着用する主な季節によっても選び方が変わります。決められない場合は、夏に使用できる通気性のよいタイプを選んで、インナーキャップなどで調節するのがおすすめです。ご自身がロードバイクに乗る目的や、季節などを考慮して選んでください。
頭囲を測定する
形状やサイズは、性能や見た目に大きな影響をあたえる大切なポイントです。サイズがあわないと、転倒時にヘルメット本来の機能を発揮できず、頭部損傷のリスクにつながります。
まずは頭のサイズを測って、おおよそのサイズを把握しましょう。ヘルメットには大きく分けて、円形と楕円形があります。アジアンフィットと呼ばれる形状の商品を展開しているメーカーも、選択肢のひとつに加えてみてください。日本人の頭には、円形やアジアンフィットが適合しやすいといわれています。
実際には、髪型や頭の形によってサイズ感が異なるため、購入前に試着するのがおすすめです。通販サイトの利用を検討していて試着が難しい場合は、アジアンフィット表記や頭の幅を参考にしてください。
カラーやデザインからチョイスする
機能性だけでなく、デザインにこだわるのもよいでしょう。通勤や通学など街乗りがメインの場合は、カジュアルなデザインでアーバンタイプのヘルメットがおすすめです。カラー展開が豊富なモデルなら、カップルでコーディネートを楽しめます。
もちろん、有名ブランドのハイエンドヘルメットをかっこよく着用するのも魅力的です。またサイクリングやレース向きでも、自身のロードバイクや、好みにあわせたカラー・デザインを選ぶと、より愛着をもって楽しめます。
ヘルメットの詳しい選び方は以下の記事で記で事紹介しています。
ロードバイクヘルメットの着用義務
2023年4月1日より、改正道路交通法が施行され、自転車を利用するすべての人は、ヘルメットの着用が「努力義務」となりました。そのため、自転車を利用する際は運転する人・同乗する人ともに、ヘルメットの着用に努めなければなりません。
自転車の死亡事故原因の約7割が頭部損傷というデータから、高速域で走行するケースのあるロードバイクにおいてはヘルメットは必須といえます。「努力義務」のため、罰則の対象ではありませんが、万が一の事態を考慮してヘルメットを着用したほうがよいでしょう。
なお。ヘルメットの安全性能は、以下のマークを目安に選ぶのもひとつの方法です。
・SGマーク(一般社団法人製品安全協会 日本)
・JCF公認マーク・JCF推奨マーク(日本自転車競技連盟 日本)
・JISマーク(日本)
・CEマーク(EN1078)(アメリカ合衆国消費者製品安全委員会 アメリカ)
・GSマーク(ドイツ)
とくにロードバイクには「JCF」を規格基準としているメーカーが多くあり、公式のロードレースでは必須となる場合があります。JCFには、公認マーク(白)と、推奨マーク(緑)があるので、レースで着用を考えている人は、公認マーク(白)があるかをチェックしましょう。
国によってもヘルメット着用の是非が異なるようです。詳しくは以下の記事をご覧ください。
最新のヘルメットファッショントレンド
レースやイベントに参加するホビーライダーが増え、通気性とエアロ性能を両立したヘルメットが人気だといわれています。エアロダイナミックのヘルメットは以前から人気でしたが、通気性が悪く、暑さが問題となっていました。
そこで、各メーカーはエアロ形状に加えて、通気性のよいヘルメットを開発しています。エアロダイナミックのヘルメットは、シンプルな見た目のものが多く、サイズが豊富に展開されているため、性別に関係なく着用が可能です。比較的シンプルなデザインは、レース以外の場でも主流となっています。
また、街乗りの際には、カジュアルなファッションに馴染むアーバンタイプのヘルメットがおしゃれでしょう。トレンドを把握しつつ、ご自身のロードバイクやファッションにあわせてコーディネートするのがポイントです。
有名ライダー愛用!トップアスリートのヘルメット選び
ここでは、公式のレースに着用できるヘルメットの基準や、世界で活躍する有名ライダーに選ばれるヘルメットを紹介します。ロードバイクのヘルメットに悩んでいる人は、こちらも参考にしてください。
公式のレースに使用できるUCIヘルメットの基準値
ロードバイクの公式レースで使用できるヘルメットのサイズは、UCI規格(Union Cycliste Internationale:国際自転車競技連合)を基準としています。規格に準じたものを使用しなかった際には、罰則や罰金の対象となるため注意が必要です。
UCIテクニカルレギュレーションの明確化ガイドによると、ヘルメットの長さは450mm以下で幅は300mm以下、上から下までは210mm以下でなければなりません。
また、JFC(JAPAN CYCLING FEDERATION:日本自転車競技連盟)においても同様の規格となっているため、日本のロードレースへの出場を検討している人も、こちらの基準を参考にしてください。
トップアスリートのヘルメット
トップアスリートの場合、自身が所属するチームで使用するアイテムが決まっているケースが増えています。空力性能、快適性、保護性能、すべてが必要なプロ仕様のヘルメットを2点紹介します。
RUDY PROJECT(ルディープロジェクト)/EGOS(エゴス)
日本人選手の「新城幸也」選手が所属するBAHRAIN VICTORIOUS(バーレーン・ヴィクトリアス)が着用したヘルメットです。3D AIR FRAME仕様になっているEGOSは、フロントから後方にかけてスムーズに通気し、ヘルメット内部の汗を素早く放出し快適に保ちます。
2024年のレーシングキットは、パールホワイトを基調としたさわやかなカラーリングが魅力的。サイズはS・M・Lの3サイズ、価格は37,400円となっています。
KASK(カスク)/ELEMENT(エレメント)
世界のスター選手の多くが所属するINEOS Grenadiers(イネオス・グレナディアズ)が長年採用しているヘルメットです。KASKとINEOS Grenadiersによる長年のパートナーシップで生み出された、安全性と快適性に定評のあるモデルがELEMENTです。
素材にはFLUID CARBON12が採用され、衝撃吸収性と軽量性を兼ね備えています。レースには必須といえるエアロダイナミクスな形状も魅力的です。サイズはM・Lの2サイズ、価格は50,600円です。
ヘルメットの正しいメンテナンス方法
ヘルメットのなかは汗をかきやすいため、ライド後のメンテナンスは必須です。メンテナンスの方法は、以下の4ステップです。
①表面(シェル)と内面を拭く
➁あごひも(ストラップ)を洗う
➂乾燥させる
④破損や消耗がないかチェックする
特別な道具は必要ありませんので、以下の手順を参考に、ライド後は毎回お手入れしましょう。
①表面(シェル)と内面を拭く
ヘルメットを外したら、まずは表面(シェル)と内面の汚れや水分を、ウエスなどのきれいな布で拭き取りましょう。インナーパッドが外せる場合は、バケツに洗剤を薄めた水かぬるま湯をためて、やさしくもみ洗いします。中性洗剤を使うのが一般的ですが、なかには使用できない場合もあるため、お手入れ前に材質をチェックしてください。
また、洗ったインナーパッドを絞ると損傷の原因となります。乾いたタオルで押さえて丁寧に乾かしましょう。
②あごひも(ストラップ)を洗う
ヘルメットのなかで、もっとも汗や皮脂を含みやすいのがあごひもです。洗う前に、汗や汚れのたまりやすいアジャストロックやバックルを緩めておくのがおすすめです。また、汗の匂いや雑菌の繁殖をふせぐには、水のみで洗うよりも、石鹸を使ってもみ洗いするのが効果的です。もみ洗いのあとは、泡が出なくなるまでしっかりすすぎましょう。
③乾燥させる
すすぎが終わったら軽くふき取り、風通しのよいところで陰干してしっかり乾燥させましょう。十分に乾かさないと、カビや臭いの原因となります。直射日光や50℃以上の温風があたると、材質劣化の原因となるため、干す場所に注意してください。乾燥後は風通しがよく、温度変化が少ない場所で保管します。
④破損や消耗がないかチェックする
メンテナンスは、ヘルメットの損傷や消耗がないかを確かめるよい機会です。シェルの破損だけでなく、アジャスターやインナーパッドの消耗具合もチェックしてください。ヘルメットによっては、パーツごとに買い換えが可能です。自身で判断できない場合は、購入した店舗やロードバイク用品を扱う専門店に相談しましょう。
※この記事の情報は、2024年3月時点のものです。内容が変更される場合がありますので、最新の情報はリンク先のHPでご確認ください。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。