また、ロシアやアラスカ、スウェーデン、フィンランド、ノルウェー、アイスランドといった北方の地域では日常的な交通手段として欠かせない乗り物です。
今回はスノーモービルの予備知識や日本でのライセンスについて解説していきます。
スノーモービルの予備知識
スノーモービルとは、エンジンで無限軌道(キャタピラ)を回転させて走行する乗り物です。
エンジンの排気量は90㏄~1000㏄まであり、1人乗りから10人乗りまで幅広いタイプがあります。
スノーモービルを世界で最初に開発したのは、航空機メーカーとして有名な「ボンバルディア社」です。
ボンバルディア社はスノーモービルの開発販売によって成長してきました。
カナダの僻地では冬の厳しい時期、交通手段がしばしば途絶えて生活が大変困難でした。
ボンバルディア社の創業者であるジョセフ・アルマン・ボンバルディア氏は、この状況を改善しようと、1922年にゴム製の無限軌道(キャタピラ)を備えたスノーモービルの開発を開始します。
スノーモービルの開発途上だったボンバルディア氏は、完成間近の1934年、腹膜炎を起こした2歳の息子を冬の嵐で病院に搬送する事ができず、不幸に見舞われています。
2年後の1936年、10年以上の歳月をかけて改良を重ねた結果、最初のスノーモービル「B7」を完成させました。
当初のスノーモービルの顧客は、医師(冬場の悪天候でも患者宅へ駆けつける必要があったため)やビジネスマンでした。
ボンバルディア社が本拠を置くカナダのケベック州が、スノーモービル発祥の地とされています。
スノーモービルのライセンスについて
日本の道路交通法では、キャタピラを有する自動車は大型特殊自動車に分類されます。
そのため、普通車免許(準中型自動車免許、中型自動車免許、大型自動車免許でも可)があれば公道上を走行することができます(ナンバープレートが必要)。
普通自動車に分類されるのでヘルメットの着用義務はありません(スノーモービルライセンスでは着用を義務化している)。
公道以外の雪原やスキー場内を走行するのであれば免許は不要です。
ただし、スキー場などのアウトドア施設内では事故予防や自然環境の保護を目的としたライセンス制度が設定されています。
スノーモービルのライセンス制度は安全走行のための操縦技術や知識を持っていることを証明するもので、アウトドア施設内の体験コースや長距離を走行する際はほとんどの場合でライセンスが必要です。
ちなみに、国立公園や国定公園内へのスノーモービルでの立ち入りは規制されていることがあります。
違反すると懲役刑や罰金といった処罰が課せられる恐れがあるので注意が必要です。
スノーモービルライセンスの講習を行うインストラクター向けライセンス制度もあります。
ヤマハスノーモビルライセンスの取得
スノーモービルのライセンスとしては、「ヤマハスノーモビルライセンス」が一般的です。
ヤマハスノーモビルライセンスは、全国各地にあるアウトドア施設内で講習を受けることで取得できます。
講習では安全で楽しくスノーモービルを操縦するため、技術とマシンの構造、自然の知識、走行する際のマナーなどを学びます。
ヤマハスノーモビルライセンスを取得するための講習では、日本スノーモビル安全普及協会(JSSA)認定のインストラクターが指導にあたります。
ヤマハスノーモビルライセンスの講習にかかる時間は45分程度。
費用は4000円程度です。
日本スノーモビル安全普及協会(JSSA)インストラクター資格認定制度
インストラクターのライセンス資格を取得するための講習は、1日の日程で講義と実技、試験を実施します。
日本スノーモビル安全普及協会(JSSA)インストラクターの資格があれば、スキー場やアウトドア施設内でスノーモービルを使った安全管理業務をはじめ、スノーモビルライセンスの講習でインストラクターとして指導する機会が与えられます。
【日本スノーモビル安全普及協会(JSSA)インストラクター】
・資格
22歳以上、普通自動車免許の保持者で3年間無事故無違反である者、スノーモービルの乗車経験が2年以上ある者。
・必要書類
インストラクター資格認定講習会申込書
スノーモービル乗車明書(乗車経験2年以上)
自動車運転記録証明書(無事故・無違反証明3年以上、最寄りの警察署で取得可能)
・講習内容
講義:自然環境と保護、安全確保の知識、マシンの構造・メカニズム
実技:スノーモービルの操作技術、走行技術、マシンのメンテナンス、安全対策、危険回避
受講料:15000円(税込)
参考:日本スノーモビル安全普及協会(JSSA)インストラクター資格認定制度
しかし、スキー場などのアクティビティー施設では、安全を確保するためにスノーモービルのライセンスが必要な場合があります。ライセンスを取得することで知識や技術が養われ、より安全なスノーモービルの操縦が可能になるはずです。
10日分の食料やテント、シュラフなどの装備を積み込んで、雪埃をまきあげながら雪原を駆けぬけるスノーモービル。この冬はそんなアクティブな冒険を体験してみませんか。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。