ザックは登山にかかせないアイテムです。ひと昔前は、横長で茶色い見た目のキスリングが主流でした。この記事では、キスリングの特徴や、使用時のメリット・デメリットを紹介します。おすすめのキスリングもピックアップしたので、ぜひ参考にしてください。
キスリングとは?
キスリングとは、分厚い木綿製の帆布生地でつくった登山用ザックです。スイスの登山家、ヨハネス・ヒューク・キスリングの名前が由来といわれています。
キスリングは、戦後から昭和30年頃にかけての登山ブームで、多くの登山者が愛用していました。茶色く横長の形が特徴で、歩く姿がカニに見える様子から、キスリングを背負った登山者をカニ族と呼んでいたようです。
キスリングのメリット・デメリット
ここでは、キスリングを使用する際のメリットとデメリットを紹介します。
①メリット
キスリングを使用するメリットは次の3つです。
荷物が安定する
現在主流の縦長のザックと比べて、キスリングは横長で重心が低いのが特徴です。そのため、ザックを背負った際に荷物が安定しやすいといえます。
キスリングが流行していた頃は、この安定感が好評を博していたようです。
防水性・撥水性にすぐれている
キスリングの素材である木綿製の帆布は、防水性・撥水性にすぐれています。高密度に織られている帆布生地は、織り目が詰まっているため、水が浸透しにくいという特徴があります。弱い雨であれば、荷物が濡れる心配はあまりないでしょう。
話題づくりになる
現在では珍しいため、キスリングが流行った昭和初期を知る年配の人や、ザックマニアの人などから、声をかけてもらえる場合があるでしょう。
山で知り合った人との会話は、山行の大切な思い出になります。キスリングは、話題づくりのひとつとしておすすめです。
②デメリット
キスリングを使用する際のデメリットを紹介します。
肩へ大きな負担がかかる
キスリングは、ウエストベルトがついていないものがあります。腰で重さを支えられない分、肩に大きな負担がかかるでしょう。
しかし、適切なパッキングによって、肩への負担を大幅に軽減できます。肩への負担を軽減するため、パッキング技術をしっかりと身につけておきましょう。
狭い場所では歩くのに苦労する
キスリングで歩く姿がカニ族とたとえられたように、横幅が広く、歩きにくいタイミングがあります。
登山をするうえでは大きな問題はありませんが、混雑する場所や狭い場所では、周辺に注意する必要があるでしょう。
パッキングにコツがいる
安定しやすい点がキスリングのメリットですが、そのためには適切なパッキング技術が必要です。
パッキングのコツは、ザックの底辺と同じ幅で、上部まで隙間なく荷物を入れることです。ひもで縛って型崩れを防止することで、バランスよく背負えます。
おすすめのキスリング3選
おすすめのキスリングを3つ紹介します。木綿製の帆布生地ではないタイプも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
①豊富なポケットが魅力的!/ TIGER LABEL 「リュックサックTL-5 リュック 31L」
フロント・サイド・上部にある豊富なポケットが魅力的なザックです。雨蓋がついており、弱い雨であれば荷物が濡れる心配がないといえます。
ポケットが数多くあるので、撮影機材やクッカーなど、さまざまなギアを整理して収納したい人におすすめです。
②レトロな見た目がかわいい!/Gootium(ゴーション)「 リュックサック キャンバス レトロ」
昭和のキスリングを思い出すような、レトロな見た目がかわいらしいザックです。5色展開をしており、カーキ・オリーブブラウン・ブラウン・ブラック・迷彩から好きな色を選べます。
また、SサイズとLサイズの2サイズがあり、用途にあわせて選択可能です。小屋泊や日帰り登山で使用できる、レトロな外観のキスリングがほしい人にぴったりな商品といえます。
③収納しやすい工夫がうれしい!/Seibertron(サイバトロン)「バックパック 3Pタクティカル MOLLE」
収納のしやすさを考慮した工夫が、随所に施されているのが魅力のキスリングです。着脱可能なサイドポーチの内側にはストラップがついており、手斧などを収納できます。
さらに、マットや寝袋など、ザック内に入りきらないものは、上部や下部にベルトで取り付けて持ち運べます。なお、ベルトは付属していないため、別途準備してください。
登山に加え、キャンプ・ブッシュクラフト・ミリタリーホビーなどで幅広く使用したい人に好適な商品といえるでしょう。
キスリングはオーダーメイドができる!
キスリングの老舗メーカーである片桐では、オーダーメイドで注文できます。職人の手によってつくられる、昔ながらの本格的なキスリングがほしい人は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか?(※現在、半年以上お待ちいただいています。)
公式サイト:登山用品・ザックとタウンバックの片桐
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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