冬の登山用テントの選び方|6つのチェックポイント
雪山登山でのテント泊は、気象条件が厳しくなるうえ、リスクも高くなります。そのため、テントは積雪期に対応している、丈夫なものを選ぶことが大切です。
しかし、冬用とうたっているテントは少なく、どれを選んでよいのか迷いますよね。雪山でもつかえるテントを選ぶときは、主に以下の6つのポイントをチェックしてみてください。
- 積雪期の登山に対応しているか
- 一重構造か二重か
- 入口は縦型か横型か
- 体に合うサイズか
- 重さはどうか
- オプションはあるか
それぞれのポイントを詳しく見てみましょう。
①積雪期の登山に対応しているか
冬に使用する場合、オールシーズン用のテントであれば、積雪期にも対応しています。
また、春・夏・秋につかえるスリーシーズン用は、冬でも時期や天気によっては使用可能。雨になりそうなときや、みぞれまじりの水分が多い雪などのときに向いています。
②一重構造か二重か
テントには、一重構造のシングルウォールと、二重構造のダブルウォールがあります。2つの違いは、フライシートがあるかないかです。
最初に購入するなら、ダブルウォールがおすすめ。もし、登る山や登山スタイルが決まっているときは、以下に述べる点を考慮して、自分に合ったものを選びましょう。
シングルウォール
防水性や透湿性などの機能を兼ね備えた、一重構造のテントです。
・メリット
フライシートがない分、軽量でコンパクト。荷物が多くなる雪山登山で、装備のもち運びが楽になるのは、うれしいところです。
また、設営・撤収が簡単で、素早く作業できるため、体を冷やさずにすみます。風に強いのも特徴で、冬のバリエーションルートでも活躍しますよ。
・デメリット
ダブルウォールテントに比べて、外気の寒さががダイレクトに影響します。耐久性も劣るので、破損に備えて、リペアシートなどを携帯しておくとよいでしょう。
加えて、結露が発生しやすいのが難点。シュラフや着替えなど、濡れないように対策が必要です。また、前室がないため、不便さを感じることも。外に出られない環境下では、調理などをテント内でしなければなりません。火気には注意しましょう。
ダブルウォール
インナーテントにフライシートをかぶせる、二重構造のテントです。
・メリット
インナーテントとフライシートの間に空気の層ができて、結露が発生しにくいのが大きなメリット。二重になっている分、寒さを軽減できます。前室があるので、テント内にいながら、調理は外でできて便利ですよ。
・デメリット
シングルウォールに比べて、設営・撤収に時間がかかります。慣れれば簡単なので、事前に練習をしておきましょう。
また、通常のフライシートは、雨が浸透しないように防水加工されています。通気性がないため、テントが雪で埋もれるような場合は、窒息しないように換気をしましょう。
③入口は縦型か横型か
テントの入口は縦型と横型があります。それぞれの特徴を知って、自分がつかいやすいほうを選択してくださいね。
縦型
・メリット
縦型のテントは、風を受ける面積が小さいのが特徴です。基本的にテントの後ろを風上にして設営するため、風の影響を受けにくく、安定感があります。
また、狭いスペースに張りやすく、グループ登山の場合は並べて設営しやすいですよ。
・デメリット
横型に比べて入り口が狭く、荷物の出し入れがしにくいのが欠点。2人用の場合でも、前室では1人しか作業できません。前室で作業する場合は、順番に使用するなど工夫しましょう。快適さよりも、安定感があるほうがよいと思う方に向いています。
横型
・メリット
横型は入口が広く、荷物の出し入れや人の出入りがしやすいため、快適性に優れています。前室がある場合は、2人で一緒に作業が可能です。
・デメリット
横幅がある分、風の影響を受けます。設営の場所が広く必要で、整地するのに一苦労。雪が積もったときは、入口の雪かきも大変になります。設営するときは風の向きなどに気をつけましょう。
2人でテント泊を考えている方や、テント内で快適に過ごすことを重視する方に適しています。
この記事を書いた人
Yuki
幼少期からキャンプや釣り、スキーなどを楽しむアウトドアファミリーで育つ。10代後半は1人旅にハマりヨーロッパや北米を中心としたトラベラー期となる。現在もスキー、スノーボード、ダイビングなど海や山で活動中。「愛する登山」は低山から厳冬期の雪山まで季節問わず楽しむhike&snowrideなスタイル。お気に入りの山は立山連峰!Greenfield登山部/部長の任命を受け部活動と執筆活動に奮闘中。