【2024年版】登山におすすめのガスカートリッジ5選

ガスカートリッジの形状とその中身について

ガスカートリッジの形状と中身について紹介します。なお、ガスカートリッジの形状だけでは、内容物のガスの種類を判別できません。ボンベの表示を確認して選ぶようにしてください。

ガスカートリッジの形状は2種類

ガスカートリッジには、おもにCB(カセットボンベの略)缶とOD(アウトドアの略)缶という2種類の形状があります。

CB缶は、カセットコンロなどで使用する細長い円筒形をしたボンベのことです。OD缶は、どっしりとした据え置きタイプのガスカートリッジで、おもに登山やアウトドアなどでよく使用されます。

CB缶とOD缶は、それぞれ使えるガスバーナーが違うので、使用目的に応じて選ぶようにしてください。

ガスカートリッジの中身は3種類

ガスカートリッジには、ブタン、イソブタン、プロパンのおもに3種類のLPガス(液化石油ガス)が使用されています。

ブタン、イソブタン、プロパンの性質の違いは沸点にあります。LPガス(液化石油ガス)は液体状でボンベに格納されており、沸点に達して気化することで、はじめて燃焼ガスとして機能します。

LPガスの種類	沸点
ブタン	気温-0.5℃
イソブタン	気温-11.7℃
プロパン	気温-42.09℃

たとえば、ブタンの沸点は-0.5℃ですが、気温-0.5℃以上の環境でなければ気化しません。実際には気温10℃を下回ると、火力が弱まります。

寒冷地仕様のガスカートリッジには、沸点が気温-11.7℃のイソブタンがおもに使用されています。この場合でも、気温が0℃以下になると、火がつきにくくなったり、燃えにくくなったりします。

LPガスのなかで、気温-42.09℃ともっとも沸点の低いプロパンは、標高の高い冬山といった-10℃以下の環境でも使用可能です。

 

登山向けのガス缶はどれがよい？選び方のポイント

登山向けのガス缶の選び方について紹介します。

プロパンやイソブタンが充填されたOD缶を選ぶ

登山用に使用するガスカートリッジは、OD缶がおすすめです。理由として、OD缶は「EPIgas」というヨーロッパ規格に基づいて日本国内で製造され、厳しい基準をクリアして販売されているので、安全性能にすぐれ、燃焼能力も高いためです。

プロパンやイソブタンを充填したOD缶は、登山ギア専門店やアウトドア専門店などで販売されています。一般的にOD缶は1個500円以上と、100円ショップで販売されているブタン充填のCB缶に比べると割高です。

しかし、気温の低い環境でも燃焼するので、登山のときには、プロパンが配合されたOD缶を携行するようにしましょう。

ガスの成分を確認する

登山用のガスカートリッジを選ぶときには、ガスの成分を確認しましょう。低い気温でも燃焼するプロパンやイソブタンが使用されているか、また、どの割合で配合されているかもチェックしましょう。

配合割合はメーカーによって異なっており、プロパンやイソブタンの割合が多いほど、低温での燃焼能力が高くなります。とくに厳冬期の登山では、プロパンの配合割合が高いガスカートリッジがおすすめです。

純正のガスカートリッジを選ぶ

使用しているバーナーが推奨している純正ガスカートリッジを選ぶようにしましょう。たとえば、岩谷産業のバーナーであれば同じメーカーのガスカートリッジを、SOTOのバーナーを使用している場合は、SOTOのガスカートリッジを合わせます。

登山でガスカートリッジを使用する際の注意点

登山中にガスカートリッジを使用する際の注意点もチェックしましょう。

換気をよくする

ガスバーナーは想像以上に酸素を消費します。実際、登山中にテント内でガスバーナーを使用して酸欠事故を起こすケースは少なくありません。

そのため登山中にテント内でガスバーナーを使用する際には、テントの入り口やベンチレーションを開放して、常に新鮮な空気が流通するようにしておくことが重要です。

氷点下では使用できないことも

CB缶やOD缶に充填されているガスの種類によっては、寒くなると燃焼しないことがあります。プロパンやイソブタンを充填したガスカートリッジを選ぶようにしましょう。

バーナーとの相性について確認する

OD缶に装着するタイプのガスバーナーは、登山やアウトドア向けに開発されていることが多いので、さほど問題はありませんが、バーナーとガスカートリッジのメーカーをそろえるのが基本です(たとえばSOTOのバーナーにSOTOのOD缶といった感じ)。

また、CB缶を装着するタイプのガスバーナーは、気化熱によってガスカートリッジが冷え、火力が落ちたり燃焼しなくなったりすることがよくあります。そのため、適度な熱をボンベに伝える機能を持つ、ヒートパネルつきのガスバーナーがおすすめです。

 

登山におすすめのガスカートリッジ5選

登山におすすめのガスカートリッジを紹介します。

PRIMUS(プリムス) GAS　岩谷産業

ブタンガス約75％、プロパンガス約25％を配合したOD缶。ボンベ内部にLPガスの気化を促進する特殊素材が張り付けてあるため、スムーズなガスの気化を促し、燃焼が安定しています。

ソト(SOTO) パワーガス トリプルミックス

ブタン約35％、イソブタン約45％、プロパン約20％を配合したOD缶。極地にのぞむ冒険家や登山家のために開発されたガスカートリッジです。

イーピーアイガス(EPIgas) 190エクスペディションカートリッジ

イソブタン約60％とプロパン約40％を配合したOD缶です。氷点下の環境でも安定した火力が得られる登山家仕様のガスカートリッジ。

MSR アウトドア ガス缶 イソプロ

イソブタン約80％、プロパン約20％を配合したOD缶。氷点下の環境でも安定した火力を維持するので登山におすすめです。

JETBOIL(ジェットボイル) ジェットパワー

イソブタン約80％とプロパン約20％を配合したOD缶です。ジェットボイルバーナー専用のガスカートリッジですが、そのほかのさまざまなバーナーにも対応しています。