知っておこう!川のもつ危険性
夏になると川遊びに行く家族も多くなります。しかし、川遊びは楽しい反面、一歩まちがえると水難事故に見舞われる可能性も。
実際、夏になると川での悲しい事故のニュースをみることがあります。今回は、そんな水の事故にあわないために、覚えておくべき川の危険性を説明していきます。
川の危険性①外からではわからない深み
川は陸からみると、水中の様子がわからないことが多々あります。たとえば、浅く見えても急に深くなっている場所、水流が変わる場所などがあるのが川の恐ろしいところ。
筆者もカヤックで川を下っている途中、茂みにある横穴に気づかず、カヤックごと吸い込まれそうになった体験をしました。近くにいた友人に引き上げてもらったので助かりましたが、水の力に恐怖したできごとでした。
川の危険性②川底は砂だらけでアリ地獄状態
川の様子は陸から把握するのが難しいのですが、川底も同様です。とくに砂が堆積した川底は危険です。
足がつかないと気づいて岸に戻ろうとしても、砂の堆積した底は足をとられ踏ん張りがききません。どんどん沈んで、アリ地獄のように沈んでいってしまう怖さがあります。
川の危険性③子どもは静かに溺れる
川で人が溺れるとき、大きな音をたてたら気づくことができます。しかし、子どもは声を出さずもがくこともなく沈んでいくことがあります。
「本能的溺水反応」と呼ばれ、とくに乳幼児によくみられる反応です。溺れていることに気が付いていない、呼吸をすることに精一杯で、声を出すことができないために起こると言われています。
川遊びの安全対策
川の危険性を確認したところで、それでは川遊びをする際に、どんなところに気を付ければいいのでしょうか?ここでは、川遊びで気を付けるべき安全対策について紹介します。
対策①目をはなさず一緒に遊ぶ
前述したとおり、子どもは静かに溺れます。そのため、子どもが危険な状態なのかは、岸から見ているだけでは気付くのがむずかしいことがあります。やはり、一緒に川に入ってあそぶというのが、いちばんでしょう。
対策②ひざより深い場所は避ける
小さい子どもとあそぶのであれば、深い場所は避けましょう。目安としては、水深がひざより下であれば、水中を歩くことができるといわれています。
そのため、小さい子どもとの川遊びでは、ひざより下くらいの水深の川を、ひざより上であればライフジャケット着用しましょう。
対策③ライフジャケットをつける
先程も少し触れましたが、ライフジャケットをつけていれば、浮いて救助を待つことができます。顔が水面に出ていれば助かる確率が高くなるのです。
子ども用のライフジャケットは、川遊びの必需品として持っていきましょう。つけた後、首の後ろから上に引っ張って、ぬげないかチェックも忘れずに。
それでも溺れてしまったときの助かるポイントと救助方法
万が一、不慮の事故が起こってしまったら・・・。溺れてしまったときに助かる方法と救助の方法を説明します。
ポイント①覚えておこう!ういてまて
自分が溺れてしまったら、まずは落ち着きましょう。大きな声を出し、もがくと、体から空気が抜けて浮力を失う原因にもなります。
落ち着いて水面で仰向けの姿勢になり、足を開いてつま先を上に向けます。アクアシューズを履いていると浮きやすくなります。手も同じように広げるか、浮きになるものが近くにあれば抱きかかえましょう。
この姿勢を「ういてまて」または「背浮き」と呼びます。2020年度からは小学校で背浮きの姿勢を授業で教えることが、学習指導要領の改訂により加えられました。それだけ、安全確保に必要な知識として広まっています。
文部科学省:平成29年改訂の小・中学校学習指導要領に関するQ&A <体育,保健体育に関すること>
ポイント②浮きになるものを投げて救助
遭難者を飛び込んで救助するのは危険。救助する側もまず落ち着き「ういてまて」の姿勢をとるよう呼びかけます。まわりに遭難者がいることを伝え、119番通報をしましょう。
次にうきになるものを投げます。このときロープを結んで投げましょう。ペットボトルはそのままでは、投げ込みづらいので、少し水をいれて浮力を調整しましょう。スローロープという専用の救助器具をなげるのもよいでしょう。
うきになるものがまわりになく、大人が多数いるときは、ヒューマンチェーンという方法もあります。複数の人で手をつなぎあい、救助者まで手を伸ばします。お互いの手をつなぎ、前後交互に並ぶのがコツです。
ポイント③浮き沈みを繰り返す人は遭難者かも
以下のような様子の人をみたら、遭難者かもしれないので周りに知らせましょう。
- 顔に髪がかかったまま泳いでいる
- 浮き沈みを繰り返す
- はしごを登るような動作
いざというときの備え安全対策グッズ
ここでは、川遊びの安全対策グッズをご紹介します。
パドルジャンパー キッズ用ライフジャケット STEARNS
小さな子ども用のライフジャケットです。後ろ側にバックルがあるので大人がつけてあげましょう。
モンベル(mont-bell) クイックロープ10m
スローロープと呼ばれる救助用のロープです。巾着の部分からロープを出し、巾着部分を遭難者に投げて救助します。
HOLDALL ホイッスル
大声を出すよりもホイッスルで救助を求めるほうが、少ない空気で大きな音を出せるので、ライフジャケットにひとつ忍ばせておきましょう。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。