タチウオ(太刀魚)について
昔から釣り人にも食通にも愛されてきたタチウオはどのような魚なのでしょう。
タチウオの種類
タチウオはスズキ目サバ亜目タチウオ科に属する魚で、堤防で釣れる一般的なタチウオのほか、2種類のタチウオがいます。
黄色い背ビレが特徴のテンジクタチは九州以南の暖かい海でよく釣れて、普通のタチウオより大型化します。オキナワオオタチは沖縄の水深350m程度の深海に生息していて、船釣りがメインの魚です。
ちなみに一般的なタチウオとテンジクタチは堤防から釣ることができます。ただしテンジクタチがよく釣れるのは九州南部の堤防で、本州ではめったに釣れません。
タチウオ釣りの特徴
タチウオは魚を食べるフィッシュイーターなので、餌には小魚を使用します。よく使われるのがキビナゴ、小アジ、小サバ、ドジョウなどです。
そのほか、生きたウグイを使う地方もあります。またルアーでもよく釣れ、基本的に夜行性の魚なので夜釣りがメインです。
タチウオ釣りのシーズン
全国的なタチウオ釣りのシーズンは、8月ぐらいからポツポツと釣れ出し、9月から初冬の12月ぐらいがベストシーズン。地域によっては春や初夏から釣れるエリアもあります。
タチウオ(太刀魚)が釣れるエリアとポイント
タチウオは北海道から沖縄まで幅広く分布している魚ですが、どちらかといえばあたたかい海を好む魚なので、関東地方以西で人気のある釣り。とくに西日本では堤防で夜にタチウオを狙う釣りは、昔からとても盛んです。
また、東北地方でもよく釣れるようになってきたので、東北でもタチウオ釣りブームが起こっています。
タチウオが釣れるポイント
堤防釣りに関しては、小アジや小サバ、イワシなどを追ってタチウオが堤防近くまで寄ってくるので、こういった小魚が釣れる所もポイントです。
タチウオが釣れる時合
タチウオは夕方ぐらいから釣れ出して、夜から早朝が最も釣れる時間帯です。昼間はほとんど釣れません。
タチウオの釣り方は3種類!仕掛けとコツ
堤防からのタチウオ釣りでおもに使われている釣法は、昔からあるウキ釣りやテンヤ釣り、そして年々人気が高まっている、ルアー釣りの3種類です。
ウキ釣り
タチウオ釣りで最もポピュラーなものがウキ釣りです。仕掛けがシンプルでそれほど難しい釣法ではないので、初心者でも取り組みやすい釣り方です。
釣り道具・仕掛け
タチウオはある程度大きな魚なので、軟調竿だと取り込むのにやや苦労します。また、それほど神経質な魚ではないため、硬い竿でも釣果が悪くなることはありません。そのため、長さ4m〜5m程度の投げ竿などの硬い竿を用いるとよいでしょう。
ダイワ(DAIWA) 投竿/振出し LBTC(リバティクラブ) SURF(サーフ) T 15号~30号
ウキはやや大きめの電気ウキを使用します。そしてタチウオ釣りのいちばんの特徴が、ハリスは糸ではなくワイヤーを使うということです。
タチウオは歯が鋭いので、普通の釣り糸だと歯で切られてしまう可能性があるためです。餌にはキビナゴ、小アジなどの小魚を使います。
コツ
タチウオのウキ釣りで覚えておきたいコツは、アタリが来てもすぐにアワセず、しっかり食い込ませてからアワセを入れるということ。
また、タチウオは光を好む傾向があるので、ケミホタルなどの発光物を使用するのも釣果を上げるコツです。
引き釣り(テンヤ釣り)
引き釣り(テンヤ釣り)は小魚をテンヤ針にセットして海に投げ込み、引きずるだけの簡単な釣り方です。後述するルアー釣りと違って、魚の臭いなどでアピールできるというメリットがあります。
釣り道具・仕掛け
引き釣りでは大きなジグヘッドのようなタチウオテンヤを用い、そこに餌の小魚をセットします。海に投げ込んでタチウオがいそうなタナ(タチウオのいる水深)を探ってテンヤを引いていきます。
引き釣りの場合、竿はあまり硬いものだとタチウオが違和感を感じるので、適度な硬さのものがよいでしょう。
仕掛けとしては道糸、ワイヤーハリス、テンヤ、ケミホタル程度なので、シンプルであまりお金のかからない釣りといえます。
コツ
引き釣りのコツはその日、タチウオがヒットするタナをしっかりと把握することです。そのため、釣れるまではこまめにタナを変えてみることで、大きな釣果を上げることができます。
また、ウキ釣りに比べていろいろなタナを探るのが簡単なところも、メリットとなる釣法です。
ルアー釣り
タチウオ釣りのなかで、年々人気が高まっているのがルアー釣りです。餌も不要で調子のよい時には短時間でタチウオを大量に釣ることも可能な釣り方です。
釣り道具・仕掛け
竿に関しては、ある程度大きな魚が釣れるものならば何でもよいです。わからなければシーバス用の竿を使えばよいでしょう。リールもスピニングリールならば何でもよい、という感じです。
ルアーは魚の形をしたものならば、大抵のものはタチウオ釣りで使えます。よく使われているのがメタルジグやミノー。
またワームなどの低価格なソフトルアーも、根掛かりなどでルアーをロストしても、金銭的なダメージが少ないため人気があります。
ルアーを結ぶリーダーには、フロロリーダーが一般的に使われます。タチウオの鋭い歯対策として、ワイヤーリーダーを使うこともありますが、フロロリーダーに比べると違和感が感じられるのか、タチウオの食いは落ちます。
コツ
引き釣りの場合とあまり変わりませんが、タチウオのタナをこまめに探ることが釣果を上げるコツ。また、ルアーのアクションもいろいろと変えてみて、タチウオが好む動きを把握するのも重要です。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。