冬キャンプの服装はレイヤリングで楽しむ
キャンプの服装はレイヤリングが基本
冬のシーズンのデイキャンプは日帰りとはいえ防寒対策がとても大切です。しかし、むやみにたくさん着込むと動きづらかったり、思ったほど暖かくなかったなんてことになりかねません。
キャンプで大事なのは、適切な素材の衣類を順番で重ね着するレイヤリングです。
レイヤリングとは、アウターレイヤー・ミドルレイヤー・ベースレイヤーの3つに分けて最適な素材の服を重ね着していく方法です。
天気予報だけではわからない寒暖差に気をつけよう
常に屋外にいるキャンプで冬に気をつけたいのが寒暖差です。とくにテントや焚き火台の設置をする午前中や、片付けをする夕方以降は気温が低くなるので、暖かさ重視の服装を心がけたいもの。
キャンプ場は風が強かったり、すぐに日陰になってしまったりと天気予報だけではわからないことも多くあります。
重ね着できるインナーや、暖かくなる小物アイテムがあると重宝します。
焚き火の火の粉や汚れに注意
冬のデイキャンプは、暖を取るために焚き火をする人も多いでしょう。焚き火は火を使うため、どうしても火の粉が飛んでしまいます。
この焚き火で飛んでくる火の粉は最高で800℃になるとも言われ、その火の粉が服に付着すると穴が空いてしまうことがあります。
服の素材によっても穴が開きやすいものがあるので、考慮しながら服装を決めましょう。
また、炭による汚れなどアウトドアには汚れがつきもの。張り切って高い服を買って、汚してしまったり、穴が空いてしまうとショックですよね。
キャンプでのファッションは、暖も取れるおしゃれな小物をうまく使って差をつけるのもおすすめです。
冬キャンプの女子向け服装についてはこちらの記事も参照にしてください。
冬キャンプの服選びのポイント
冬キャンプにでかけるときには慎重な服装選びが必要です。楽しい雪中キャンプになるか、悲惨なことになるかは、服装と装備にかかっているといっても過言ではありません。
冬キャンプに臨む服装選びのポイントを項目別にまとめました。
肌着や中間着は動きやすく汗を逃がすものを
アウトドアの中でも気温差の激しい環境で体を動かす登山などでは、衣類のレイヤリング(重ね着)が快適さを左右します。
冬のキャンプも、登山と同じように気温差に対応でき、汗を自然と逃し、着脱による体温調節が可能なレイヤリングを意識しましょう。
汗を逃がすドライレイヤー、肌着であるベースレイヤー、長袖のシャツなどであるミッドレイヤー、パーカーやフリースなどのミッドシェル、コートやダウンなどのアウターシェルと重ね着していきます。
重ね着することで、暑ければ脱ぐ、寒ければ着込むと調節ができるので常に快適であり汗をかくことがなく、冷えから体を守ることができます。
綿製品は汗を吸い取り温かく過ごせるイメージがありますが、汗を逃すことができず濡れたり冷えたりしたままの状態がつづきます。
また、ミッドレイヤーやアウターレイヤーも綿製品だと雨に濡れた場合は乾きが遅く、体を冷やしたり、重くなってしまったりし、アウトドアには向きません。
できるだけ、発熱性が高く暖かさをキープしてくれる素材を着用しましょう。
吸湿発散性に優れ、汗による冷えを防ぐ素材のものを選びましょう。ポリエステル素材のものもよいのですが、冬キャンプにはウール素材が配合されているものが温かでいいですね。
冬キャンプ中はインナーを脱ぐことはまずないので、温かくも汗を逃す素材がベストです。
また、ミドルレイヤーになるパーカーやフリースもそういった機能のついたものがあります。ミドルレイヤーまではそういった機能があるとかなり快適に過ごせますよ。
燃えにくい素材
冬キャンプでは、薪ストーブを使ったり焚火をしたりする機会が多いので、アウターは燃えにくい素材を選ぶようにしましょう。燃えにくい素材として、ウールやコットンなどがあります。
化学繊維は燃えやすくちょっとした火の粉でも穴があいてしまうことがあるのでおすすめできません。
動きやすい素材
冬キャンプでは、テント設営前の雪かきなど体を動かすことが多いので、作業しやすい伸縮性のある素材を選ぶことが重要です。
脱着しやすい衣類
冬キャンプの服装の基本は重ね着(レイヤリング)です。作業などをしてあつくなってきたらすぐに脱げて、寒くなってきたらすぐに着られる脱着のしやすい服装を選ぶようにしましょう。
防水機能をそなえたアウター
冬キャンプでもっとも避けなくてはいけないのが、雪や雨によって衣類が濡れて低体温症になる事態です。
雪が衣類につくと体温で溶けて水分が衣類に浸透することがあるので、防水機能をそなえたアウターを着て作業するようにしましょう。
冬のキャンプは、雪はもちろん、雨に当たることももちろんあります。また冷たい風が吹きさらすこともあるでしょう。かと思えば、日差しが降り注ぎポカポカと温かな時間帯があるかもしれません。
アウトドアは冬であってもお天気が変わりやすいので、オールラウンドなウエアを選びたいもの。できれば、普段使いもできるデザインであればなおのこと使いまわしがきくことでしょう。
デザインと機能性の両方を兼ね備えたアウターを選びましょう。マーモットのダウンは、タウンユースからアクティビティまで幅広いニ ズに応えるデザイン性とスペックを兼ね備えたオールラウンドなアイテムです。
冬キャンプと言えば、一番の楽しみは夜の焚き火時間。焚き火は火の粉が飛ぶので、知らずにアウターに穴が開いてしまうこともあります。
ダウンやナイロンジャケットから焚き火に強い綿製品のアウターへ着替えることをおすすめします。
ダウンなどの上からすっぽりかぶることができる「焚き火ウエア」もあるので、寒い冬キャンプでは温かさをキープしながら火の粉から守ってくれますよ。
大切なアウターが火の粉を浴びて穴だらけになってしまうと、取り返しがつきません。焚き火をする際は、注意して楽しみましょう。
寒さ対策は小物が活きる!
小物をプラスすることでさらに快適に冬キャンプを楽しめます。
帽子はもちろん、ネックウォーマーやイヤマフ、手袋やレッグウォーマーがあると温かさが増すでしょう。ニット素材もよいですが、軽くて温かなフリース素材もいいですね。
風を通さない素材や、帽子とネックウォーマーが一体になったものも温かく過ごせます。手袋については、作業しやすいインナーのついたものが最適でしょう。
また、衣類のほかにもカイロや湯たんぽなどを衣類のなかに入れて温まるとさらに快適に過ごせます。
冬キャンプの服装【アウター】
アウターは風を通さないものを選ぼう
一番外側に着るアウターは風を通しにくいものがおすすめ。中に着ているインナーの暖かさを保つためにも大切です。
最近ではレインウェアなどもスタイリッシュなものがあるので代用できますよ。
焚き火の火の粉や汚れに対応できるアウターを
パチパチと燃え上がる焚き火はキャンプの醍醐味ですが、発生する火の粉によってアウターに穴が開いてしまうことも。
ダウンなどに使われるナイロンなどの化学繊維は穴が開きやすいのが特徴です。
焚き火をするときは穴が開きづらいコットン素材のアウターがベター。焚き火に対応したアウトドア用の難燃ウエアが販売されています。
作業着系ショップにも上から被るタイプのおしゃれな焚き火ウェアなどが販売されていて、汚れてもあまり気にならないリーズナブルな価格も魅力。
これらの難燃ウェアは、手持ちのダウンなどのアウターに重ね着する使い方もできます。
冬キャンプの服装【インナー】
肌着となるインナーは吸水性と速乾性があるものを選ぼう
冬とはいえ準備や片付けの作業中に汗をかくことも考えられます。汗を吸収してくれる肌着でないと体が汗で冷えてしまい、いくら服を着ても意味がありません。
そのため、肌着となるインナーは吸水速乾性のあるものを選びましょう。
長くキャンプを楽しみたい人はアウトドアブランドの高機能インナーがいいですが、アパレルショップなどにある吸水速乾性があるインナーでも代用可能です。
肌着の上に着る中間着は保温性が大切
肌着の上に着る中間着の役割を果たすミドルレイヤーは保温性を重視しましょう。1番おすすめなのがフリースです。
アウトドアブランドのフリースの方が機能性もあり暖かですが、 デイキャンプの場合はアパレルショップなどで販売されているフリースでもOK。
夕方など寒くなった時の場合にインナーダウンを持っていくと、着膨れせず暖かくなりますよ。
冬キャンプの服装【ボトムス】
手持ちのボトムス+インナータイツでOK
冬のキャンプ時のボトムスとしては暖かなダウンパンツもありますが、デイキャンプでは手持ちのボトムスの下に保温性の高いインナータイツを履けば問題ありません。
裏起毛になっているデニムでも良いですね。
キャンプでスカートを履く場合
カジュアルな格好が得意でない人もスカートでキャンプを楽しめますよ。おすすめはロングスカートです。
中に厚手のボトムスやタイツを履いていても目立たないのでスッキリ着こなすことができます。冷えが気になる女性はスカートの下にレッグウォーマーなども着用してくださいね。
冬キャンプの服装【小物・靴】
小物アイテムで首・手首・足首を温めよう
首・手首・足首などを首がつく部分には大きな血管が通っているのでその部位が冷えると体感温度も下がってしまいます。
小物アイテムで暖さをキープできるようにしましょう。
また、手頃な価格でゲットできる小物アイテムにアウトドアブランドを取り入れることで、全体がおしゃれな雰囲気になるのでおすすめですよ。
ニット帽やネックウォーマー、手袋など自分好みのものをセレクトしてみてはいかがでしょう?
ブランケットをうまく活用しよう
防寒対策としてブランケットを持って行くのもおすすめ。腰回りや肩にかけて留められるようにボタンが付いているタイプがキャンプでは便利です。
素材を選べば、焚き火をしている時にアウターやパンツに火の粉が付くのも防げる便利アイテムにもなります。
普段使いできる防寒靴がおすすめ
スニーカーなどの運動靴は動きやすいですが、防寒ができないのが難点。冬キャンプには保温性がある靴を選びましょう。
アウトドアブランドからも多く出ているウィンターブーツはスタイリッシュなものも多く、日常でも活躍してくれます。最近では履くダウンのようなスリッポンタイプのモックシューズも人気です。
冬は防寒のため靴下の2枚ばきや、厚手のウール靴下を履くことが多いため、靴のサイズは少し大きめに設定しておくといいでしょう。
冬キャンプにおすすめの服装
アウターを中心に雪中キャンプにおすすめのアイテムを紹介します。
ARCTERYX(アークテリクス)アトムフーディ
アルパイン環境で、ミッドレイヤーとしても単体でも定評ある機能性を持つこのフーディは、長年にわたりクライマーやバックカントリーの旅行者に愛用され続けています。
幅広いコンディションや負荷レベルを想定して設計されたアトムの最新作。
断熱性能のあるストームフードで暖かさをプラスしています。
パタゴニア フーディニ ジャケット
軽量かつ丈夫で耐風性と耐摩耗性を兼ね備えたこちらのフーディニ・ジャケットです。
シェルとフロントファスナーにはDWR(耐久性撥水)を施した急な悪天候にも対応する機能性の高さが魅力的です。
ファイントラック(finetrack) FMM0901 ドラウトポリゴン3
撥水性能を持つ生地を採用しているため、雪が解けて水分が中に浸透するということを防いてくれます。ナノエアフーディなどよりも薄手であるため雪中での作業がしやすいでしょう。
冬キャンプのおすすめ防寒対策グッズ
防寒対策になる便利な小物グッズなどを紹介します。
ハクキンカイロ ハクキンウォーマー
ちょっとした熱源があるだけで、全身がポカポカとあたたかくなります。ハクキンカイロは、1923年に生まれた超ロングセラーアイテム。一回の給油で24時間もあたたかい状態が続きます。
THERMAREST(サーマレスト) アウトドア キャンプ マットレス モンドキング3D R値8.0
R値とは地面の冷気を遮断する能力を示す単位です。R値が高いものほど冷気を遮断してくれます。雪中キャンプではR値6以上が必要だといわれています。
サーマレスト「モンドキング」は空気を入れて膨らませるのではなく、はじめから断熱材が入っているのでしっかりと冷気を遮断してくれます。
ファイヤーボックス
どのシーズンでも大活躍してくれるファイヤーボックス。とくに雪中キャンプでは威力を発揮してくれます。そのへんに落ちている枝が燃料になるので、携行する荷物も少なくてすみます。
ファイヤーボックスがあれば、テントの前で焚火をしながら暖をとることや調理することが可能です。