オーストラリアの森林火災は環境問題が原因?
オーストラリアでは大規模な森林火災が続けて発生しています。何が原因で森林火災が起きるのでしょうか。
大規模な森林火災はなぜ起きたのか?
オーストラリアのニューサウスウェールズ州で起きた森林火災は、長期間に及ぶ大規模な森林火災に発展しました。
その要因は、40℃を超える気候に加えて、長期間に及ぶ深刻な雨不足という森林火災が悪化する環境だったことです。
さらに、強風の中で森林火災が発生したことで、大規模に広がる要因が重なってしまいました。
森林火災の影響
森林火災が広範囲に広がったことで、野生動物が生息する森が奪われました。
絶滅の危機に陥っている固有種も少なくありません。オーストラリアの代表的な動物、コアラも山火事によって多くが犠牲になり、住処を失いました。
森林火災は直接的に人間や動物の住処を奪うにとどまらず、長期に渡って影響を残します。
森林火災は地球温暖化や気候変動に影響を与えます。大規模火災が起きることで、大量の二酸化炭素が放出されるのです。
大気中の二酸化炭素が増えることにより、地球温暖化が進む危険性があります。地球温暖化が進むことにより、台風や豪雨など気候変動をもたらし、私たちの生活にも影響を与えるのです。
日本でも起きた森林火災
日本でも毎年1,000件以上の森林火災が発生しています。森林火災が起きる要因の多くは、たき火やたばこなどの人が原因の火災です。
日本ではヘリコプターによる消火活動と地上の消火活動、消火設備の設置などで規模が広がる前に消火され、大規模災害に発展することはあまりありません。
しかし、日本でも林業の衰退や植生の変化などで森林を取り巻く環境は変化しており、オーストラリアの大規模な森林火災は対岸の火事とはいえないのです。
森林火災だけじゃない!オーストラリアの環境問題
オーストラリアが抱える環境問題は森林火災だけではありません。オーストラリアが直面している環境問題について紹介します。
プラスチックによる海洋汚染
ポイ捨てや違法投棄が原因でオーストラリアの海洋汚染は深刻化しています。
海洋汚染の原因になるゴミは直接海に捨てられたものだけではありません。街に捨てたゴミも排水溝から川へそして海へ流れていくのです。
プラスチックゴミは生物にも悪影響を与えます。誤って飲み込んだり、からまって動けなくなったりして死んでしまう事故も起きています。
干ばつ問題による水不足
オーストラリアは水不足の問題を抱えています。晴れの日が多く、年間の降水量が少ないのが水不足の要因の1つです。そのため、オーストラリアは地球上で最も乾燥した大陸と称されています。
オーストラリアでは2018年には各地で大干ばつが起き、2019年は最も降水量が少ない年でした。その結果、深刻な水不足問題が発生しています。
水不足は人の生活に影響を及ぼすだけでなく、砂漠化を加速させます。
農作物が育たなくなるため、生産量が減少したり、牛や羊の餌となる牧草が育たなくなったり、農業にも影響を与えます。
オーストラリア固有種への影響
人間による環境破壊が原因で急速に多くの種類の動物が絶滅の危機に陥っています。
オーストラリアには1,300以上の固有種が生息しています。しかし、生息する場所が森林火災により奪われ、その数は減少しました。
さらに動物たちが生息する土地を人間の生活のために整備されることにより、彼らの住処はどんどん減少しています。
自然破壊だけではなく、外来種が侵入することにより、生態系のバランスが崩れ、将来的に悪影響を及ぼします。
オーストラリアの入国審査は最も厳しいと言われていますが、これは外来種の侵入を防ぎ、国内に生息する固有種を守るためです。
オーストラリアの環境問題への取り組み
さまざまな環境問題を抱えているオーストラリア。政府は環境問題を解決するために積極的に取り組んでいます。
その中でも国民も力を入れて取り組んでいる対策について紹介します。
リサイクル市場の開発
オーストラリアではリサイクルゴミの輸出を禁止しました。ゴミとして無駄にしてきたプラスチックの資源を有効活用するために、リサイクル市場の開発をしています。
いままではリサイクルゴミは種類が混在して捨てられていました。さらに、リサイクルゴミの汚染率も高く、他国からもゴミを受け入れてもらえない状況でした。
しかし、リサイクルゴミを分別し、きれいな状態でリサイクルゴミを出すことで、リサイクル材の品質があがります。
このように、リサイクルゴミの扱いを変えることで価値を上げ、有効活用へ繋げる取り組みに力を入れています。
国家プラスチック戦略
さらに脱プラスチックを行うために「国家プラスチック戦略」を唱えました。
日本ではエコバッグは最近普及してきましたが、食品、飲料の入れ物としてプラスチック容器や梱包に発泡スチロールなどを使用しています。
オーストラリアでは段階的に期間を決めてプラスチックを禁止し、使用する素材にもこだわり、リサイクルできるものか再利用可能なもの、堆肥化可能なものを使用するように移行していくのです。
高い節水意識
オーストラリアは深刻な水不足により、取水制限が設けられることもあります。スプリンクラーの使用禁止や、庭への散水に時間制限が設けられるといった厳しいもので、違反者には罰金が科せられることも。
そのような取水制限はいつもというわけではありませんが、国が対策の方針を示していることもあり、オーストラリアの人々には日頃から節水意識が定着しています。
例を紹介します。
- シャワーは5分から10分
- 食洗機を使用し節水
- 洗濯物は溜まってから洗う
水に恵まれた日本と比べると、節水意識の高さに驚かされます。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。