ランニングで足の裏が痛くなるメカニズム
足の裏が痛くなるメカニズムをわかりやすく解説します。
足裏の痛みは人類の進化が関係している?!
二足歩行をおこなうようになったことで人類の知能は飛躍的に発達してきました。2本の足でより速くより遠くへ移動するために、しなりとバネの反発機能をそなえたアーチ形へと足の形状を変化させてきた人類。
足裏には土踏まずができ、アーチの形状をたもつための足底筋(腱)膜という網状の筋肉が形成されます。この足底筋(腱)膜の炎症や断裂が足の裏の痛みの原因です。
足底筋(腱)膜とは
足の裏にはかかとから指のつけ根にかけて強靭な網目状の筋肉(腱)が膜のようにして覆っています。この膜こそが足底筋(腱)膜です。
足底筋(腱)膜は、人の足の特徴であるアーチ形の形状を維持して、ランニング時、着地の衝撃を吸収したり、指のつけ根でバネのように反動をつけて瞬発力を発揮したりする役割を果たしています。
足底筋(腱)膜を酷使しすぎると、疲弊して炎症を起こしたり、ひどい場合には断裂したりすることがあり、そのことが足裏の痛みとなって現れます。
どんなときに足底筋(腱)膜の炎症や断裂になりやすい?
足底筋(腱)膜の炎症や断裂は、長い距離を走ったり歩いたりすることで起こります。
たとえば、マラソンに出場して42.195㎞を走ったあとや、登山で長い距離の縦走をおこなったあとに足の裏が痛くなったというかたが多いのではないでしょうか。
原因は足の裏のかかとから指のつけ根まで繊維状にひろがって足のアーチ形を維持している足底筋(腱)膜の疲労です。
足の裏が痛くなったときの対処法
足の裏が痛いときにはどうすればよいのでしょうか?市民ランナーの立場から経験をふまえながら解説していきます。
足裏の痛みの対処法①走る距離を短くする
足の裏の痛みは、先ほど述べた足底筋(腱)膜が炎症を起こしたり、小さい断裂が生じたりして発生するトラブルです。
炎症や断裂の原因はおもにトレーニングのしすぎ(オーバーユース)にあります。
足の裏が痛いときには、ランニングの距離をいつもより短くする、または、しばらくお休みするなどの対処法がおすすめです。
足裏の痛みの対処法②アイシングをおこなう
足の裏の足底筋(腱)膜が炎症を起こして痛みが生じている場合には、氷などで足裏を冷やすアイシングがおすすめ。
ランニングのあとに冷やすことで、炎症がひどくなることをおさえることができます。
足裏の痛みはどこを受診する?
足の裏が痛いときには、病院であればスポーツ外来などを受診しましょう。またはスポーツを専門とする接骨院もおすすめです。
ただし、医療機関を受診したからといってすぐに治るとは限りません。「足底筋(腱)膜炎を起こしているので安静にしてください」という診断がほとんど。
すぐに痛みの原因を取り去って解消することは難しいようです。
足の裏の痛みを起こさないための対策
足裏の痛みを起こさないための対策はあるのでしょうか
痛みの予防対策①ストレッチやマッサージ
足裏の痛みに限ったことではありませんが、ストレッチやマッサージをおこなって足底筋(腱)膜をつねに柔らかい状態で保つことが重要です。
青竹ふみやゴルフボールを使用した足裏マッサージなどがおすすめ。足裏だけでなく周辺のアキレス腱やふくらはぎもストレッチをおこなって柔軟にしておきましょう。
痛みの予防対策②ソールをクッション性のあるものにする
足の裏に強い衝撃が加わることが足底筋(腱)膜の炎症や断裂の原因です。そのため、クッション性のある厚めのソールのシューズに切り替えることが、足底筋(腱)膜炎や断裂の予防につながります。
また、履きなれたランニングシューズを使い続けたい場合は、シューズの中にインソールをはめてクッション性を高めるという対策があります。
インソールは足のアーチ形を維持できる土踏まずの部分が盛り上がったものがおすすめです。
痛みの予防対策③アーチの形が崩れないようにテーピングをする
足のアーチの形状が崩れることが足底筋(腱)膜炎や断裂の原因です。あらかじめアーチの形状を崩れにくくするためのテーピングをおこないましょう。
アーチの形を崩さないためのテーピング方法
手順① | 足裏の親指のつけ根から小指のつけ根にかけてテーピングします。 |
手順② | 親指のつけ根からかかとにかけて土踏まずをクロスするように斜めにテーピングし、かかとの後ろをまわって親指のつけ根にもどります。 |
手順③ | 同じように小指のつけ根からかかとにかけて土踏まずをクロスするように斜めにテーピングし、かかとの後ろをまわって小指のつけ根にもどります。 |
手順④ | 次に中指のつけ根から②、③とおなじ要領で土踏まずをクロスするように斜めにテーピングし、かかとの後ろをまわって中指のつけ根へもどります。 |
※テーピングのポイント
②、③、④それぞれのテープがかかとの後ろ側で重なるようにテーピングしてください。
痛みの予防対策⑤足底筋(腱)膜に負担をかけないランニングフォームをこころがける
ランニングで着地をするときに足裏に大きな衝撃を与えない走りかた(フォーム)をこころがけるようにしましょう。
身体の重心軸よりも前で着地するオーバーストライドのフォームになっていないか、確認してください。
オーバーストライドのフォームは、足裏におおきな負担がかかるだけでなく、前進しようとする慣性にブレーキがかかるため、とても非効率なランニングフォームだといわれています。
身体の重心軸よりも手前で着地して足底筋(腱)膜に負担をかけない、効率よく前進するランニングフォームがおすすめです。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。