腕の力に頼りすぎない
岩場を登るとすぐに腕が疲れてしまうという方、腕の力に頼って登っていませんか?
また、緊張で体がこわばると、岩から体が離れないようにひじを縮めてしまいがち。その結果、腕の力を使いすぎてしまうのです。
腕の筋肉は足の筋肉より少ないので、大きな足の筋肉を推進力にして、手(腕)は添えるような意識で登ることが大切です。
長い距離の岩場を登るには、いかに腕の力を消耗させないように登るかがキーポイントになります。
基本は「三点支持」
岩場を登るときは、「三点支持」が基本の姿勢です。
三点支持は、両手両足の四点で立ったところからどれか一点をはなして、次のホールド(手がかりや足がかり)へ移動して歩く方法。ハシゴを登るように、足で登って手は支えるイメージで動きます。
足の置き方は?
ルートクライミングでの足の置き方は、大きく分けて2つあります。
クライミングシューズの先端や端でホールドに足を置く方法がエッジング、クライミングシューズの足裏をホールドに置く方法がスメアリングです。
エッジング
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エッジングの中でも、クライミングシューズのつま先を、ホールドに対して垂直に置いて立つ方法をフロントエッジングと言います。
つま先で立つと体の方向が変えやすく、最も基本的な技術のひとつです。
また、親指側(母指球)を意識してクライミングシューズの端に力を入れてホールドに足を置く方法がインサイドエッジングと言い、小指側(中指と薬指)を意識してクライミングシューズの端に力を入れてホールドに置く方法をアウトサイドエッジングと言います。
スメアリング
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スメアリングは、のっぺりしたホールドや足場が無い場合に、足の裏(母指球の下あたりから指先)を岩に押さえつけるように置く技術。
次の足場が遠い、足場が見つからないときに、スメアリングの摩擦力を使い、次の足場まで繋ぐイメージです。
腕や手の使い方は?
足をホールドに置く時には、腕や手の使い方にもコツがあります。腕や手の負担を軽くすることは、足の力を有効に発揮することへつながります。
肘を伸ばして足元を良く見よう
足で登るには、足にしっかり重心を乗せなくてはいけません。
ひじを縮めると足元がよく見えなくなるので、次のホールドに足を動かす時は、足元が見えるようにひじを伸ばして移動しましょう。
手の位置は手元が見える高さ
ホールドを持つ時の手の位置は目線の高さが基本とされていますが、自然の岩場ではいつも目線の高さにホールドがあるわけではありません。
男女差による指の太さの違いで、男性には持ちにくいホールドでも女性は持ちやすいホールドになることも良くあり、女性には目線の高さにホールドがあると確信しても、男性にはそのホールドがつかみにくく疑念の一手になることがあります。
逆に腕が伸びきるくらいの高いホールドを持つと、体が壁に近づきすぎて足元が見えづらく、足に力が乗りにくくなります。
目線の高さを基本として、その時の状況に応じて、ひじを軽く曲げても手元が見えるくらいの目線のホールドを持ちましょう。
ホールドには指を引っ掛けるように
ルートクライミングのルートには多彩なハンドホールドがありますが、始めに、登山の岩場で比較的よくある岩の形状と持ち方をご紹介します。
ガバ(ジャグ)
指や手のひらで持つことができる大きなホールドで、クライミングジムなどでは優しいグレードの課題に多く設定されています。
インカット
ガバより小さいホールドですが、指をしっかり引っ掛けることができます。持ちやすいホールドは、指や手のひらでがっちり握り込みたくなります。
しかし、握り込みを多用すると腕の筋肉を使うことになり、腕力の消耗を早めるので、ホールドには指を引っ掛ける意識で持つようにしましょう。
体の動かし方は?
岩を登る時の動き方を「ムーブ」と言います。
ムーブもたくさんの種類がありますが、岩登りが苦手な方やルートクライミングが未体験の方に、ぜひ覚えて欲しいムーブを1つご紹介します。
正対ムーブ
壁に対して体を正面に向けて登るムーブです。
ひじを伸ばしてホールドを手で持ち、フットホールドにしっかりと足を乗せ、そこからひじを曲げて腕を引き付け、上のホールドを右手または左手でとり、左足または右足を次のホールドに乗せます。
例えば、右手を離して次のホールドをとる前の状態、左手と両足がホールドに触れている二等辺三角形の時が三点支持の状態です。
右手で斜め上のホールドをとったあとは、左足右足の順に足をあげてしっかりとホールドに足を乗せ、右肘を曲げて腕を引き付けて左手で斜め上のホールドをとり、右足左足の順に足をあげてしっかりとホールドに乗せます。
体の重心は、ハンドホールドの真下にくる二等辺三角形の形が一番安定します。片手で持つホールドを頂点として、底辺の2点が両足になるようにしましょう。
また、終始ひじを縮めたままだと腕の力が消耗してしまうので、次の一手をとりにいく時だけひじを曲げる、それ以外は伸ばしておくことが大切です。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。