スキンダイビングに挑戦!
マスク、フィン、スノーケルで水中世界を楽しめるのが、シュノーケリングとスキンダイビングです。
いずれも、スキューバダイビングのようなライセンスは一切必要ないので、誰にでも手軽にできることが大きな魅力です。
まずはシュノーケリングからはじめて、慣れてきたらスキンダイビングにステップアップするのが良いでしょう。
とはいえ、水面を泳ぎながら水中をウォッチングするシュノーケリングと息をこらえて水中に潜るスキンダイビングでは、器材のブラッシュアップと追加スキルの練習は不可欠です。
シュノーケリングとスキンダイビングの違いを比較しながら、快適にスキンダイビングを行うためのポイントをご紹介します。
スキンダイビングに適した器材
シュノーケリングとスキンダイビングの器材は基本的に同じものですが、スキンダイビングでは器材の見直しが必要です。
それぞれの器材の違いを見てみましょう。
マスク
スキンダイビング中は鼓膜に水圧がかかり、鼓膜内との圧のバランスを取るため「耳ぬき」が必要になるため、鼻が覆われたダイビングマスクを使用しなければいけません。
鼻が覆われていないスイミングゴーグルは、水圧の影響で目のまわりが痛くなるのでスキンダイビングでは使用できません。
また、マスクとシュノーケルが一体になったフルフェイス型のシュノーケリングマスクなども、耳ぬきとマスク内の圧のバランスがとれないため使用できません。
かならず、自分の顔にフィットしたダイビング用マスクを使用しましょう。
フィン
スキンダイビングでは頭から水中へ一気に潜っていくため、十分な推進力のあるフィンを使いましょう。
ショートブレードのシュノーケリング用フィンでも使えないことはありませんが、しっかり水を捉えることのできる大きめのブレードのフィンが良いでしょう。
上級者のなかには、フリーダイビングなどで使用されるロングフィンを使う人もいますが、初心者は柔らかいラバー製のフルフットフィンからはじめるのがおすすめです。
スノーケル
マウスピースが自分の口に合っていて、呼吸のしやすいスノーケルを使用しましょう。
スノーケル内の水を簡単に排出できる排水弁と、スノーケルのトップから水の侵入を防ぐスプラッシュガードが付いたものが使いやすくおすすめです。
また、水中で抵抗になるという理由でスノーケルを使用しない人がいますが、水面での呼吸確保のためにはかならず着用するようにしましょう。
ウエットスーツ
シュノーケリングの場合は、ライフジャケットで浮力を確保することがありますが、ライフジャケットを着たままでは浮力が大きすぎて水中に潜って行くことはできません。
そのためスキンダイビングでは、ライフジャケットを着用せず水着だけで水中に潜ることになります。
しかし、水着のままだと背中がひどく日焼けしたり、海の中で危険な生物などにうっかり触れてケガをしたりする心配があります。
そこで、スキンダイビングでは体の保温と保護のため、ウエットスーツを着用するのがおすすめです。
ただし、ウエットスーツには浮力があるため、それを相殺するために腰にウエイトを装着しなければなりません。
ウエイトが軽すぎるとうまく潜れませんし、重すぎると沈んでしまうので、適正ウエイトを知っておくことが大切です。
スキンダイビングの基本スキルと練習方法
次に、スキンダイビングの基本スキルと練習方法を見てみましょう。
バディシステムを守ろう
安全のためにバディシステムを厳守して2人1組で泳ぐのが基本です。
これはスキンダイビングに限らず、シュノーケリングでもスキューバダイビングでも同じことです。
ときどきアイコンタクトをとり、バディの泳いでいる位置を確認しながらスキンダイビングを楽しみましょう。
基本の泳ぎ方を練習しよう
まずは、プールや穏やかな海の浅瀬などで水面に浮きながら泳ぎ方の練習をしましょう。
視線は自然に前に向けて、フィンキックは下に向けてやや強くキックするようにします。
両手は体に自然に沿わせると水の抵抗を受けにくく、泳ぎやすくなります。
スノーケルクリアをマスターしよう
スノーケルはしっかり咥えて、ゆっくり大きい呼吸が基本です。
波をかぶったりしてスノーケルに水が入ってくることがあるので、息を強めにフッと吐いて中に入った水を出す「スノーケルクリア」を練習しておきましょう。
耳抜きとマスクブローを練習しよう
スキンダイビング中は水圧の影響で、耳に痛みを感じたりマスクが顔に強く張り付いたりしてきます。
そのため「耳ぬき」と「マスクブロー」で、鼓膜内とマスク内の圧のバランスを取るため必要があります。
耳ぬきはマスクの上から鼻を摘まんだ状態で、鼻からゆっくり息を吐き出す方法が一般的です。
また、マスクブローはスキンダイビング中にマスクが強く顔に張り付いてきたら、鼻から息を出すだけで解消できます。
いずれのスキルも、海に入る前に陸上で何度か練習をして、コツを掴んでおくようにしましょう。
ジャックナイフを練習しよう
ジャックナイフとは、水面から体をジャックナイフがパタッと開く時のように曲げて、水中へとスムーズに潜降するスキルのことです。
バディにサポートしてもらいながら練習をするとコツがつかみやすいので、まずはダイビングプールなどを利用して練習するのがおすすめです。
それでは、ジャックナイフの手順を見てみましょう。
1.水面に浮いてリラックスして深呼吸
水面に体の力を抜いて真っ直ぐに浮き、ゆっくり数回呼吸をして、大きく吸ったところで息を止めます。
2.水底に向けて頭を直角に下げる
おへその真下あたりを意識して、体を垂直に折り曲げます。
耳が抜けにくい人は、この時点から耳ぬきをしておくと良いでしょう。
3.足を真っ直ぐに上げる
体を直角に曲げたら、すぐに両足を揃えたまま真上に持ち上げます。
はずみをつけなくても体の重みで自然に沈んでいくので、フィンの先が水中に入ったらそのまま水底に向けて泳ぎます。
4.耳抜きはこまめに行う
ジャックナイフでは頭を下にするため、耳が抜けにくくなります。
そのため、潜り始めてからすぐにこまめに耳抜きを開始しましょう。
ジャックナイフで耳抜きをしながら頭からスムーズに潜降できるように練習をしましょう。
潜水時間を長くするコツ
スキンダイビングで出来るだけ長く潜っているためには、水中では常にリラックスして無駄な動きをしないことが最善の方法です。
「ハイパーベンチレーション」と呼ばれる息ごらえのテクニックもありますが、これは潜る前に小まめに息を吐くことで体内の二酸化炭素濃度を下げて、脳からの信号を騙す方法です。
そのため、ハイパーベンチレーションをやり過ぎるとブラックアウト(意識を失うこと)の危険性があるので控えたほうが良いでしょう。
また、フリーダイビングでは「パッキング」と呼ばれる強制的に酸素を取り込む呼吸法があります。
しかし、これは競技向けのテクニックなので、レジャーとしてスキンダイビングを楽しむ場合は行うべきではありません。
水面を確認しながら浮上
浮上するときは、水面に危険がないか目で見て必ず確認しましょう。
何かにぶつからないように、片手をかざすように浮上すると良いでしょう。
スキンダイビングのスクールに行こう
スキンダイビングは、個人で練習しなければいけないと思っている人がいるかもしれませんが、実はダイビングショップもスキンダイビングの講習を開催しています。
ダイビング指導団体PADIの「スキンダイバーコース」では、学科講習と限定水域(プールまたは浅い水域)で、スキンダイビングのスキルを学ぶことができます。
スキンダイビングにライセンスは必要ありませんが、講習を修了すればCカード(認定証)も取得できます。
インストラクターのもとで、しっかりスキンダイビングの練習をしたい方は、ダイビングショップに問い合わせみるのも良いでしょう。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。