ゼロウェイストとは?
ゼロウェイストは、無駄や浪費、ゴミをなくすという考え方です。ゴミをどう処理するかではなく、最初から出さないように工夫する生活を指します。
そもそもゼロウェイストは、1996年、オーストラリアの首都キャンベラが「ゼロウェイスト宣言」を発表したのがきっかけでした。また、2013年にはアメリカの主婦、ベア・ジョンソンさんがゴミを出さない生活の実践方法を発信。著書「ゼロ・ウェイスト・ホーム」は世界中で話題になりました。
ゼロウェイストの実践は、わたしたち日本人にとっても他人事ではありません。環境省によると、国内の2020年度のゴミ排出量は4,167万トン(東京ドーム約112杯分)。世界的に見ても、日本のゴミの排出量は非常に多いのが現状です。ゴミを焼却する電力量も増加しています。
現在ではゼロウェイストは世界の国々や地域、企業が取り組むべきこととして掲げられていますよ。ゴミはすぐにすべてをなくせなくても、少しのアイデアで削減可能です。ゴミを減らそうと意識する人が増えれば、世界全体で大きな成果になりますね。
出典:環境省「一般廃棄物の排出及び処理状況等(令和2年度)について」
ゼロウェイストの基本「5R」
ベア・ジョンソンさんの著書では、ゼロウェイストを実践するためには以下の「5つのR」が必要とされています。
- Refuse(断る)
- Reduce(ゴミを減らす)
- Reuse(再利用する)
- Recycle(リサイクルする)
- Rot(堆肥化する)
5つのRの内容を見てみましょう。
①Refuse(断る)
不要なものやすぐゴミになるものは、受け取らない選択をすることが大切です。たとえば、宣伝のためのチラシやサンプル品、つかい捨てのカラトリーなどはできる限り断りましょう。家のなかも不用品でごちゃごちゃせず、必要なものだけでシンプルな生活ができますね。
②Reduce(ゴミを減らす)
ゴミが出ないような買い物の仕方を意識してみてください。吟味せずに流行りのものや安いだけの商品は買わないようにしましょう。本当に気に入った商品を見つけて、長くつかいつづけることがゴミの削減につながります。
また、ラップやストローなどの消耗品を、繰り返しつかえるものにかえるのも方法です。食材も食べきれる量だけを買えば、ゴミを減らせますよ。
③Reuse(再利用する)
まだつかえるものは捨てず、中古品として売ったり人に譲ったりしてみてください。自分ではもう必要なくても、ほかの人がつかってくれればゴミになりません。
なにか欲しいものがあるときも、必ずしも新しい商品を買わなくてもすむ場合があります。中古品やもらったものを再利用すれば、環境にやさしい選択になりますね。
④Recycle(リサイクルする)
リサイクルするのもゴミを減らす方法です。たとえば、着なくなった服は回収している店舗にもっていくと、リサイクルに貢献できます。
そのほかにもリサイクル可能なものは、缶やビンはもちろん、食品トレーやプラスチック容器などが挙げられますね。スーパーなどに回収コーナーがあるので、ぜひチェックしてみてください。
⑤Rot(堆肥化する)
自宅でコンポストすれば生ゴミを減らせます。コンポストとは、野菜くずなどの生ゴミを堆肥化することです。コンポスト用の容器が販売されているので、自宅で手軽に堆肥をつくれます。
生ゴミは廃棄物の量を増やすだけではありません。水分が多く含まれており、焼却に多くのエネルギーを必要とするのも問題です。コンポストすると、たっぷりの栄養を含んだ堆肥をガーデニングなどにつかえるので、よい環境の循環が生まれますね。
下記の記事でコンポスト用の容器を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
「おしゃれなコンポストのおすすめ4選!家庭の生ごみでエコ生活を実践」
すぐに実践できるゼロウェイストのアイデア5選
少しのアイデアでゼロウェイストは実践できます。日々の生活でできる、具体的な取り組み方法を5つご紹介しましょう。
①エコバックを持ち歩く
常にかばんにエコバックを入れて持ち歩きましょう。買い物をするときにビニール袋や紙袋をもらう必要がなくなります。
エコバック自体も長くつかえることが大切です。飽きのこないシンプルなデザインや、丈夫な素材のものを選んでみてください。
②マイボトルをつかう
マイボトルに好きな飲み物を入れて持ち歩くと、ペットボトルや紙パックの飲料を買わずにすみます。マイボトルの持参で割引が受けられるカフェや、無料の給水スポットを見つけられるアプリなどもありますよ。経済的にもお得になり、一石二鳥です。
③土に還る素材の商品をつかう
土に還る素材をつかったものを選びましょう。植物の繊維からつくられたセルロースや天然ゴムなど、自然に戻る素材はたくさんあります。一方で、プラスチック製品は分解されず、自然のなかに流出すると、何十年、何百年と残りつづけるのが問題です。
すぐに自然に還る天然素材でできた商品を選べば、ゴミとして捨てるときにも地球環境に配慮できます。
④壊れたものは修理する
壊れたものでも、修理すればまだつかえる場合があります。ほつれた服や欠けた食器などは、家でも直せるものがあるかもしれませんね。家具や家電、靴、かばんなどは、業者に修理を依頼してみてください。
手間やお金をかけて直したものには愛着がわき、長くつかうことにもつながりますよ。
⑤家庭菜園をする
畑がなくても、マンションのベランダなどの限られたスペースで育てられる野菜はあります。ミックスレタスやミニトマト、ほうれん草などは、鉢やプランターをつかって簡単に栽培できますよ。
スーパーで野菜を買うと、包装のビニールや容器がゴミになってしまいます。家で栽培した野菜を食べれば包装のゴミを減らせますね。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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