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1年の延期を経て、開催まで残りわずかとなった東京2020オリンピック。初めて追加競技に選ばれたサーフィンの歴史的瞬間を見られる日が間近に迫っています。そこで、追加競技決定までの経緯や開催場所などの基本情報を抑えておきましょう。

サーフィンがオリンピック種目へ

サーフィン オリンピック

2016年8月3日(日本時間8月4日)はサーフィンにとって、大きな変換となる1日になりました。

ブラジルのリオデジャネイロで開催されたIOC(国際オリンピック委員会)総会で、サーフィンが東京2020オリンピックの競技に追加されることが決定したのです。

それまで競技としてのサーフィンは、WSL(ワールドサーフリーグ)やJPSA(日本プロサーフィン連盟)、NSA(日本サーフィン連盟)などの団体がそれぞれツアーや大会を行っていました。

一方、ISA(国際サーフィン連盟)は長年IOCにサーフィンのオリンピック競技追加を働きかけていました。それが実を結んだのが2016年8月3日というわけです。

この決定は、一説によると若者を取り込みたいIOCサイドと、若者の競技人口が多いサーフィンというスポーツの実態が合致したのが理由とのこと。

その後、2024年のパリオリンピックでもサーフィンが追加競技として正式に承認され、2028年のロサンゼルスオリンピックに繋がっていく可能性もあるでしょう。

 

波にあわせたサーフィンの競技日程

サーフィン オリンピック

サーフィンは自然を相手にする競技。だからこそ、通常の大会では他のスポーツとは異なる日程を組んでいます。

それは東京2020オリンピックでも同様。2021年7月25日から8月1日までの開催期間のうち、競技に適した波のコンディションを選んで4日間の日程で行われます。

競技が実施されない日についてはライブなどオリンピックサーフィンフェスティバル(仮称)が行われる予定ですが、新型コロナウイルスの影響により不透明な状態となっています。

現在のところ、

  1. 7月25日(日)7時〜16時20分予定:男女ラウンド1、ラウンド2
  2. 7月26日(月)7時〜16時40分予定:男女ラウンド3
  3. 7月27日(火)7時〜14時20分予定:男女準々決勝、準決勝
  4. 7月28日(水)8時〜11時35分予定:男女3位決定戦、決勝および表彰式

がクレジットされています。

競技会場に選ばれた千葉・釣ヶ崎海岸

サーフィン オリンピック

サーフィンが追加競技として承認された約4ヶ月後の2016年12月、競技会場に千葉県長生郡一宮町の釣ヶ崎海岸が決まりました。

この釣ヶ崎海岸は、サーファーの間で通称「志田下」と呼ばれ、「波乗り道場」の異名も持つ日本屈指のサーフスポットです。

特に関東近郊に住んでいるサーファーであれば、一度は訪れたことのある場所でしょう。

九十九里海岸の南端に位置し、千葉の房総半島が太平洋に大きく張り出していることから、広範囲のうねりをキャッチします。そのため一年を通じてコンスタントに波がブレイクし、サーフィンできない日はほとんどないほど。

その豊富な波が割れるという条件こそ、オリンピック会場に選ばれた大きな要因でしょう。

それゆえ、これまで釣ヶ崎海岸は多くのトッププロサーファーを排出してきました。その中には日本チャンピオンにまで昇り詰めたサーファーも。

また、コンスタントな波とハイレベルなサーフィンの環境を求めてこの地に移住するサーファーも多くいます。

最近では子どもたちが技を競い合う姿も頻繁に見られます。そんな子どもたちの中から未来のオリンピック選手が出てくることも期待できるでしょう。

そんな、サーフィンが上手くなるための循環が生まれているのが、釣ヶ崎海岸なのです。

波は海底が砂になっている典型的なビーチブレイク。ただし、波のフェイスが急で、パワーがある波質が特徴です。

海底の砂の付き方によって波の割れる位置は変化しますが、メインとなるブレイクは右の堤防脇から割れるライトの波。

うねりが沖へと向かう流れとぶつかって、チューブを形成することもあります。オリンピック観戦の際には、ここで割れる波に注目してみましょう。

 

オリンピックはショートボードのみの試合フォーマット

サーフィン オリンピック

サーフィンはサーフボードを使って波に乗るスポーツ。しかし、一言でサーフボードと言っても、形や大きさはさまざまです。

中には2m70cmを超える長くて重いロングボードや、大きな波に乗るのに適したガンなどがあります。

その中で、今回オリンピックに採用されたのはショートボードを使った競技のみ。そこには当然ボディボードも含まれません。

2m弱の先が尖ったサーフボードを駆使し、世界最高峰のサーファーたちが技を競い合っていきます。

出場できる選手は男女20名ずつ。かなりの狭き門です。そうなるとオリンピックのサーフィン競技に1人も派遣できない国/地域も出てくることになります。

日本の場合は、現在のところ、男女2名ずつの出場が暫定的に決定している状況です。

 

東京2020オリンピック種目【サーフィン】抑えておきたいサーフィンの基本情報−vol.2−

歴史上初めて行われるオリンピックのサーフィン競技だからこそ、イベントを思いっきり楽しんで観てみたいですよね。今回は、そのために知っておくべき基本的なことをいくつかピックアップしてみました。続きとなるvol.2では、代表選手の選考基準や採点基準、各国の有力選手などをお届けしていく予定です。

ライター

中野 晋

サーフィン専門誌にライター・編集者として20年以上携わり、編集長やディレクターも歴任。現在は株式会社Agent Blueを立ち上げ、ライティング・編集業の他、翻訳業、製造業、アスリートマネージング業など幅広く活動を展開する。サーフィン歴は30年。