薪ストーブがあたたかくなる仕組み
薪ストーブの使いかたに入る前に、どうして薪ストーブがあたたかくなるのか、その仕組みや原理についてわかりやすく解説します。
薪ストーブがあたたかくなる仕組み:一次燃焼
薪ストーブがあたたかくなるのは、薪を燃やすことで熱を発生させるからです。着火剤や薪などが直接燃える現象を一次燃焼と呼びます。
薪ストーブがあたたかくなる仕組み:二次燃焼
一次燃焼によりストーブ内の温度が徐々に上昇していきます。温度の上昇にともない一次燃焼していない薪の部分から煙がでるようになり、さらに温度上昇してくると煙が燃えはじめます。これが二次燃焼という現象です。
煙がストーブ内で燃えることで燃焼効率がよくなり、煙の排出量を抑えることができます。
薪ストーブがあたたかくなる仕組み:放射熱
薪の一次燃焼と二次燃焼により、ストーブ本体や煙突部分が高熱になります。このストーブ本体や煙突部分からの放射熱によって、さらにあたたかくなっていきます。
薪ストーブの使いかた
薪ストーブの設営から着火、燃焼、消火、後片付けまで、それぞれの手順をくわしく紹介します。
ストーブの使いかた①使用するアイテムの準備
薪ストーブに使用するアイテムを準備しておきます。
- 着火剤
- 薪
- 火吹き棒
- 革手袋
- 灰カキ(スクレーバー)
- 火消し壺
ストーブの使いかた②薪ストーブの設営
テントの設営が終わったらいよいよ薪ストーブの準備。薪ストーブを置く位置を決めたら煙突を装着します。テント内で使用する際はテントが焦げないようにするための煙突ガードなども忘れないようにしましょう。
また、基本的にどのアウトドアメーカーもテント内で、薪ストーブを使用する事自体、推奨しているメーカーはありません。
テント内で薪ストーブを使用する事は完全自己責任になっていますので、その点を注意して薪ストーブを使用する必要があります。
こまめな換気や一酸化炭素チェッカーなどを使用して一酸化炭素中毒にならないように注意してください。
ストーブの使いかた③薪ストーブの着火
薪ストーブの設置が完了したら、着火剤などを使用して着火します。筆者は、そのへんに落ちている杉などの針葉樹の枝を着火剤のかわりにしています。下に杉の葉を置いて、そのうえに細い枝、太い枝の順に重ね、杉の葉に火をつけます。
着火剤がなくても着火は可能ですが、あることでより確実に着火させることができます。薪ストーブの使いかたに慣れていないかたは、着火剤を使用するようにしましょう。
ひまわりの会 着火材
ソロキャンパーのあいだで人気の高い着火剤です。間伐材を原料にしているため環境にやさしく、嫌なにおいの煙を出すこともありません。
火吹棒は小さい炎を大きくするときに便利なアイテムです。とくに着火する際には大きな威力を発揮してくれます。
ZAFIELD 火吹き棒 バーベキュー 火起こし 火吹き ふいご
小さい火をめがけてピンポイントに風を吹きつけることができます。空気量の微調整がしやすいため、強く吹きすぎて火が消える心配もありません。
ストーブの使いかた④一次燃焼〜二次燃焼
杉の葉から枝に火がうつったら、上にそっと細めの薪を積みます。杉の枝から薪に火がうつると一次燃焼(薪などが直接燃える現象)がはじまります。
薪は自分で用意するかたもいますが、すぐに使える薪が販売されているので、急ぐ場合には購入するとよいでしょう。
広葉樹の薪 ソロキャンプ用
長野県の蓼科高原や白樺湖の周辺で伐採された硬くしまった広葉樹の薪です。強い火力で長時間燃えてくれます。しっかり乾燥しているので、到着したらすぐ使用することが可能です。
一次燃焼(薪などが直接燃える現象)によって薪ストーブ内の温度が上昇してきたら、薪の直接燃えていない部分から煙が出はじめます。この煙が燃える現象が二次燃焼です。
二次燃焼することでエネルギー効率が向上して薪の節約になります。薪ストーブの本体は高熱になるため、革製の手袋をはいて薪をくべるなどの作業をおこないます。
素手だと少し触れただけで火傷を負ってしまうので、必ず革手袋をはめて作業するようにしてください。ホームセンターで売られている溶接作業用の革手袋でもかまいません。
キャプテンスタッグ(CAPTAIN STAG) アウトドア キャンプ BBQ 手袋 レザーグローブ 牛革
ロングタイプの耐熱革手袋。手首や腕までガードしてくれるので気兼ねなく火をあつかうことができます。
ストーブの使いかた⑤薪ストーブの消火
薪が燃え尽きたらひとりでに火は消えます。燃えているときに消したいときは、空気の供給口と煙突の排気(ダンパー)を閉めることで火を消すことができます。
ストーブの使いかた⑥後片付け
水などをかけて火を消すことはNG。燃えかけの薪や灰を火消し壺などに入れて、完全に火を消すようにしてください。
ゼブラポットのようなものを火消し壺として使用することも可能です。ステンレス・スチールなどのしっかりとした金属製で空気を遮断して密閉できる容器であれば代用できます。
薪ストーブ内の灰や燃えカスなどを灰カキでかきだして火消し壺に格納し、煙突などを取り外して撤収します。
ヤマトキ製作所 灰カキ 燕三条製
新潟県燕三条市のヤマトキ製作所が製造している灰カキです。さまざまな形状の灰カキがあるので、自分の薪ストーブにあったものを選んでください。
ロゴス(LOGOS) バーベキュー ポータブル 火消しつぼ
しっかりとしたボトルのようなフタを閉めることで、空気を完全に遮断して、残り火や熾きを完全に消火することができます。そのまま持ち帰り、炭になったものをまた次回のキャンプで使用することも可能。
※薪ストーブを使用する際のテント選びはこちらの記事をご覧ください。
薪ストーブが使えるテント選び!冬キャンプはテント内で薪ストーブを楽しもう
おすすめ野外用薪ストーブ
重さは付属品を合わせて14㎏です。
それでいて二次燃焼で煙も少なくよく燃えて、ソロキャンパーや薪ストーブ初心者の方にお勧めのモデルです。
暖房&調理器具と1台2役で大活躍、薪ストーブの楽しさを凝縮させました。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。