西表島のダイビング
西表島は総面積の90%以上が熱帯・亜熱帯のジャングルに覆われ、河口にはマングローブが密生している「東洋のガラパゴス」の異名をとる秘境の島です。
イリオモテヤマネコやカンムリワシ、ハコガメなどの固有種をはじめ、貴重な自然が手つかずのまま残された島だけあって、島を囲むように点在するたくさんのダイビングポイントはまさに大小さまざまな魚が乱舞するフィッシュウォッチ天国です。
山から栄養豊富な水が流れてくるおかげで、美しいサンゴ礁の間に住む魚の赤ちゃんやエビ、カニ、ウミウシなど、自然のままに元気に育つ生物たちを見ることができます。
島周辺のダイビングスポットは最大水深も浅いところが多いので、ゆっくりとリラックスしたダイビングが楽しめます。
ただし、西表島にはもう1つの顔があります。
それは島から南西の沖合約15km、船を40分ほど走らせると見えてくる荒々しい岩山「オガン」こと沖ノ神島です。
海中までもその荒々しい地形は続き、しかも流れが非常に強い上級者向けのダイビングスポットです。
見たこともないような数のイソマグロの大群、バラクーダの群れ、運が良ければジンベイザメやタイガーシャークなどの大物も現れるという、底知れない実力を持っているダイビングスポットです。
繊細さとダイナミックさを兼ね備えたダイビングスポットが西表島なのです。
西表島のトラベル情報
西表島は沖縄本島に次いで2番目に大きい島ですが、人口はたったの2,000人足らずです。
ジャングルで覆われた西表島のトラベル情報を見てみましょう。
西表島への行き方
西表島には空港が無いため、石垣島からの船を利用します。
大原港と上原港の2箇所に到着する便が出ていますが、各ダイビングサービスでは上原港を利用するのが近くて便利です。
石垣港から上原港へは2社の高速船が出ており、いずれも所要時間は約40~45分です。
また、港からは各ダイビングサービスや宿泊先の送迎を利用するのがおすすめです 。
【石垣-西表上原運賃】※安栄観光・八重山観光フェリー共通
- 大人:片路2,360円/往復4,510円
- 子供(12歳未満):片路1,180円/往復2,260円
西表島のシーズナリティ
つづいて、西表島のシーズナリティを見てみましょう。
- 3~6月: 春の訪れを告げるのはやはりコブシメの産卵です。また、梅雨明けからは沖ノ神島などのビックポイントにも行けるようになります。
- 7~9月:イソマグロなどの回遊魚を筆頭に海もベタ凪となり、イルカやクジラも登場します。
- 10~11月:コンディションが良ければ遠出、ダメなら近場でフィッシュウォッチングというパターンが多くなります。 透明度も良く幼魚なども充実しています。
- 12~2月:北風が強く吹く時期でもあり、 外洋へは出かけにくくなりますが湾内は充実しています。マンジュウイシモチなどレアな魚をウォッチングするのがおすすめです 。
西表島のアフターダイブ
アフターダイブをアクティブに過ごしたいのなら、西表島の大自然を満喫できるエコツアーに参加するのがおすすめです。
カヌーでマングローブの林を抜けるツアーや有名なマリウドの滝などを見に行くツアーなど、たくさんのエコツアーがあります。
また、少し足を伸ばして日本で最南端、最西端にある西表温泉もおすすめです。
西表島のダイビングポイント10選
それでは、西表島を代表するダイビングポイントを見てみましょう。
バラス西
バラス西は3つの根が東西に伸びており、その中で一番大きな根が「カスミの根」と呼ばれ、その名の通りカスミチョウチョウウオのカラフルな群れが見られます。
水深は深いところで-25mほどあり流れもあるため基本的には中上級者向きですが、コースによっては初心者でも潜ることができます。
イソマグロやカスミアジなどの大物が期待でき、時にはマンタが現れることもあります。
鹿ノ川 中ノ瀬
鹿ノ川は起伏のあるサンゴ礁域で浅いところは水深-8mぐらい、砂地の深い根で-30mほどあります。
大きなおむすび形をしたアザミサンゴがあり、沖合ではバラクーダやイソマグロの群れが見られます。
秋になると優雅なマンタもやってきます。
沈船
真っ白な砂地の上に沈船の残骸が横たわっており、その周りにはアカヒメジやキンメモドキなどの魚が見られ、砂地にはヤッコエイがたくさん見られます。
沈船の先端は水深-8m、深いところでも-16mほどなのでビギナーにもおすすめのポイントです。
ハテルマ石
ハテルマ石は水深10mあたりにいくつかの亀裂があり、そこをくぐって洞窟の中に入っていきます。
リーフの外側ではカスミチョウチョウウオの大群が見られ、サンゴ礁と岩場の両方が楽しめるポイントです。
透明度も良好でかなりマニアックな魚が見られることもあります。
崎山アザミサンゴ
高さ2.5m、周囲は20mほどある大きなアザミサンゴが見所のポイントです。
サンゴの中にはダンゴオコゼ、パンダダルマハゼなどが見られ、イソマグロなどの回遊魚もやってきます。
透明度もかなりよく浅場ではキンギョハナダイが群れをなしているのが見られます。
八重目崎
八重目崎は西表の南西端にある外洋に面した20mほど続くリーフのポイントです。
リーフの途中にいくつも亀裂があり、中にはアカマツカサの群れなどが見られます。
水深-25mあたりから砂地が広がり、いくつかの根が点在しています。
沖ノ神島・東の根
沖ノ神島・東の根は西表を代表する中上級者向け大物ポイントです。
四角く角張った大きな根の間を潜っていくと、まるでビルとビルの谷間を潜っていくような感覚を味わうことができます。
イソマグロ、ギンガメアジ、ツムブリ、ナポレオンなど、さまざまな大物が見られますが、時に流れが強いこともあるので注意が必要です。
沖ノ神島のベストシーズンは5月~9月です。
沖ノ神島・二の根
沖ノ神島・二の根は上から見ただけではわからない巨大な隠れ根で、東西に長く、南側は垂直なドロップオフ、北側はスロープになっていて直角三角形のような断面図をしています。
イソマグロなどの回遊魚や夏場には大きなナポレオンも見ることもできますが、潮の流れが激しいポイントなので注意が必要です。
沖ノ神島・三の根
沖ノ神島・三の根は範囲が広くいたるところにポイントがあり、その日のコンディションによって様々な海の姿を見ることができます。
バラクーダの群れやロウニンアジなどの大型回遊魚が見られますが、何が出るかわからない面白さを秘めているポイントです。
沖ノ神島・洞窟ポイント
水深-10m辺りにある入り口を入っていくと、まるで人間が掘ったのかと思うような高さ3m以上、幅7mはある真四角の洞窟があります。
薄暗い洞窟の中に浮かび上がる真っ青な出口に向かっていく幻想的なダイビングを楽しめます。