石垣島のダイビング
石垣島のダイビングと言えば、やはり「マンタ」です。
マンタは体長5~7mにもなる大きなエイの仲間ですが、石垣島周辺に生息するマンタは体長3~4mほどの「ナンヨウマンタ」という種類です。
トップシーズンは遭遇率100%とも言われ、運が良ければ10枚ほどの群れを見ることもあります。
マンタは大きな体に似合わず海中のプランクトンを主食とするおとなしい性格をしていますので、初心者ダイバーでも安心してマンタをウォッチングすることができます。
エリア別の潜り方とアフターダイブ
石垣島のダイビングスポットは、市街地のある南部、川平湾付近の中部、昔ながらの自然が広がる北部の3つに分かれます。
各エリアの潜り方とアフターダイブの特徴を見てみましょう。
南部エリアにステイ
石垣市内から程近い石垣港から出港するボートダイビングがメインになり、海況に合わせてさまざまなポイントを選ぶことができます。
主に大型クルーザーを駆使して、竹富、黒島、新城、波照間といった離島までをカバーするパターンと、大崎周りや屋良部崎を中心にする行動するパターンがあります。
また、石垣市は八重山一の都会で、市内はミニ那覇といった感じでアフターも充実しています。
バーから沖縄風料理屋、クラブから公設市場まで豊富にあり、沖縄本島エリアとはまた違う雰囲気を楽しめます。
中部エリアにステイ
中部エリアは、東は米原、西は石崎までが主な行動範囲になります。
どこのポイントへ行くにも10~15分程度で行ける便利さがウリですが、やはり石崎の「マンタスクランブル」が一番の人気です。
アフターは日本百景にも選ばれている川平湾の絶景を楽しみながらビーチでのんびりとくつろぐのが中部エリアのおすすめの過ごし方です。
北部エリアにステイ
北東に伸びる平久保崎は未開のダイビングスポットで、伊土名や裏側の玉取崎周辺も合わせると約10か所のポイントがあります。
潮通りが良いため大物も狙えたり、じっくりマクロダイビングも楽しめます。
伊原間や伊土名には民宿もチラホラありますが、豊かな自然に囲まれたエリアなのでアフターはビーチでのんびりとシュノーケリングなどをして過ごすのがおすすめです。
石垣島のトラベル情報
石垣島は八重山の島々の中心であり、西表や小浜、与那国などへの交通の拠点となる島です。
石垣市街は都会的な雰囲気がありますが、一歩街を外れると昔ながらの赤瓦の家やさとうきび畑が広がるのどかな南国ムードにあふれています。
東京から約3時間半、大阪からは約2時間半の直行便が出ており、那覇からも飛行機が1日12便ほどあり石垣空港までは約50分かかります。
また、那覇から船も出ていますが、片道14時間もかかるためダイビングツアーには不向きと言えるでしょう。
石垣市街地は港、空港のいずれからも程近く移動も簡単ですが、川平や北部エリアはレンタカーを利用するか、宿かダイビングサービスの送迎を利用するのがおすすめです。
石垣島のシーズナリティ
石垣島のシーズナリティを見てみましょう。
- 3~6月: コブシメをはじめとする水中生物たちの交尾や産卵が春を告げます。運が良ければサンゴの産卵を見ることもできます。
- 7~9月:マンタシーズン真っ盛りです。時には10匹以上の群れで現れることもあります。また、水中で雲のように固まる稚魚など海は最もにぎやかなシーズンを迎えます。
- 10~11月:11月いっぱいまではマンタも期待できます。また、回遊魚も狙える時期なので風が許せば外洋のポイントに足を伸ばすこともできます。
- 12~2月:水温はやや下がり南のポイントが中心となります。ツバメウオやミノカサゴなどの被写体をじっくり狙うならこの時期がおすすめです。
マンタシーズンはもちろんのこと、春から梅雨にみられるサンゴの産卵も必見ですね。
石垣島のダイビングポイント10選
つづいて、石垣島を代表する人気のダイビングポイントを見てみましょう。
石崎マンタスクランブル
石垣島で一番人気のマンタポイントが石崎マンタスクランブルです。
水深は10mぐらいと浅く、流れもほとんどないため初心者でも潜れますが、根と根を渡るように中性浮力をしっかり取りながらマンタのクリーニングポイントまで進むことが大切です。
岩から少し離れてマンタが来るのを待っていると、マンタが頭すれすれまで来ることがありますが、決して触らずに排気のエアーをかけないように注意しましょう。
御神崎カスミの根
御神崎カスミの根は、景勝地である御神崎灯台の近くにある川平エリアNO.1の地形ポイントです。
水底30mから立ち上がる隠れ根の斜面にはカスミチョウチョウウオやキンギョハナダイなどが群れており、時にはマンタやイソマグロが現れることがあります。
大崎ミノカサゴの宮殿
大崎ミノカサゴの宮殿は、沖合の深場から潮が上がってくるため個性的な魚が多く見られカメラ派にも人気のポイントです。
水深30mに根がありミノカサゴが10匹以上も固まって見られることから、こう呼ばれています。
ただし、ミノカサゴは常に居るわけではなく定期的に移動しています。
根っコ(川平)
根っコは、沖に向かって南北に伸びる馬の背のような形をした隠れ根のポイントです。
根の上にはサンゴがあり、クマノミやダンゴオコゼ、ダルマハゼが見られます。
両サイドは落ちていて、水深27mぐらいの砂地にはガーデンイールやヤッコエイなどが見られます。
宮良口
宮良口は、水深5mから50mまで一気に落ちる外洋に面したダイナミックなドロップオフのポイントです。
イソマグロやナポレオンなど大物にも会える確率が高いポイントですが、夏場のベタ凪の日限定です。
荒川
荒川は、地元ではヨスジの根とも呼ばれており、水深5mにアンカリングするリーフがストンと20mまで落ちています。
沖合に進むと大きな根があり、夏にはヨスジフエダイが群れており、砂地ではガーデンイールの姿を見ることもできます。
米原Wリーフ
米原Wリーフは、東と南に分かれているポイントです。
東は穴などの地形も楽しめ、水深も浅いため初心者から潜れるポイントです。
夏には水面を埋め尽くすキビナゴの大群が見られたり、春にはコブシメの産卵やふ化を見られたりします。
南はサンゴが一面に広がっており、スミツキベラの幼魚やオトヒメベラ、ナンヨウハギなどが見られます。
屋良部崎コーナー
屋良部崎コーナーは、一枚岩の岩盤が続くダイナミックな地形が特徴で、水深は浅いのですが流れがあるため中級者以上のポイントになります。
沖合に根があり、マダラトビエイやイソマグロ、カスミチョウチョウウオなどが多く見られます。
玉取崎イソバナの根
島の東側沖に位置するポイントで、水深10mから沖に向かって根が張り出し、20m辺りのイソバナやウミウチワの群生が見ものです。
外洋に面しているため時に流れが強く、潜れるのはベタ凪の日に限られます。
マエザトケーブ
マエザトケーブはサンゴが美しく、イセエビが潜んでいるアーチや神秘的な光が差し込むトンネルなど地形が特徴的なポイントです。
周辺にはマダラトビエイ、イソマグロ、マンタが見られることもあり、定期的にカマスの群れも現れます。