南大東島のダイビング
南大東島の特産品であるサトウキビ畑が広がる光景のなかに、島唯一となる初心者お断りのダイビングサービスがポツリとあります。
たったそれだけのことですが、この南大東島でのダイビングへの期待が高まるというダイバーは少なくないはずです。
何より50mもの断崖絶壁に囲まれた南大東島はまさに絶海の孤島といった雰囲気があり、ダイビングもそのイメージ通りダイナミックな地形&大物を堪能できるスポットになっています。
そんな南大東島では独自の生態系が形成されおり、沖縄の魚だけでなく小笠原諸島に生息するユウゼンやカッポレ、ハワイに生息するトンプソンチョウチョウウオやアカツキハギといった魚を見ることができるのが特徴です。
また、透明度が良いうえに水深が深いため、気がついたら深く潜り過ぎてしまうことがあるので、深度チェックを怠らないようにしなければいけません。
さらに、南大東島は黒潮のど真ん中に位置することから、ほとんどがドリフトダイビングとなり、ときにはかなり強いカレントが発生するため上級者限定ポイントになっています。
南大東島のトラベル情報
沖縄本島から東へ約360km離れた南大東島はサンゴが何度も隆起してできた島です。
そのため島にはビーチは無く、土地のほとんどがサンゴ由来の石灰岩でできているため、あちこちに鍾乳洞があります。
必見は「星野洞」という鍾乳洞で「ソーダストロー」と呼ばれる珍しい鍾乳石を見ることができます。
南大東島への行き方
南大東島への行き方は那覇から飛行機を利用するのが一般的です。
1日1~2便のRAC(琉球エアーコミューター)を利用して片道約1時間半かかります。
また、那覇から船で行くルートもありますが月に4~5便しかなく、所要時間も13時間以上もかかるため、ダイビングツアーで行くには不向きといえるでしょう。
南大東島のシーズナリティー
南大東島といえば台風情報でその名前を聞いたことがあるという人も多いと思います。
そんな南大東島のシーズナリティーを見てみましょう。
- 3~6月:ほかの沖縄の島々と同様に稚魚の数が一気に増えてきます。マクロな世界を楽しめるシーズンです。
- 7~9月:ダイビングのトップシーズンです。カンパチやロウニンアジなどの大物が列をなしてやってきます。
- 10~11月:台風さえこなければ夏とほとんど変わらないコンディションです。ただし、台風に当たると島から出られなくなるので注意が必要です。
- 12~2月:潮の流れをさえぎるもののない孤島ゆえに、風の影響を受けやすく外洋はむずかしいシーズンになります。
南大東島のダイビングポイント
南大東島では、ほかの沖縄のダイビングポイントとは一味も二味も雰囲気の異なるダイナミックなダイビングが楽しめます。
南大東島の代表的なダイビングポイントを見てみましょう。
高幕
高幕は水深15mの海底に岩がゴロゴロと転がっている感じで、地形的にも非常にダイナミックなポイントです。
そして、ここの目玉はやはり回遊魚でカンパチやロウニンアジ、ときにはジンベイザメまでまわってくる大物狙いのポイントです。
ゴンゴン穴
ゴンゴン穴は水深5mからドロップオフがあり、L字型の洞窟など複雑な地形が入り組んでおり、ライトが無くても明るい不思議な地形を楽しめます。
洞窟から見える光のコントラストなど写真撮影にも最適な地形が楽しめるポイントです。
実釣り場
実釣り場は、水深20mから30mあたりに連なる根が一部えぐれたようになっていて、そこにたくさんの魚が集まっています。
その魚を目当てにアオザメが回ってくることもあり、当たった時には本当にすごいポイントです。
ヤギバナNO.1~3
ヤギバナはNO.1からNO.3までエントリーポイントが分かれ、いずれも-40~50mまで落ち込む壁に大きなヒラヤギやウミウチワの群生が見られるポイントです。
人気のヘルフリッチも見られますが、水深が深いポイントなので深度チェックを怠らず、残圧計にも十分に注意を払いましょう。
塩屋のハナ
塩屋のハナは島の南西の先端にあるポイントで、沖縄では非常に珍しいユウゼンが見られます。
ただし、時によって潮がかなり早いポイントなので、グループをロストしないように注意しましょう。