しかし近年は鮭の数が減り、釣果が上がらないのも事実。
また、禁止事項も多く違反すれば逮捕されることも。
そこで今回は、鮭釣りの基礎知識と禁止行為について解説します。
鮭釣りのシーズンやフィールドは?
鮭(シロザケ)は回遊魚なので、人が釣れる場所に近付いたときにしか狙えないターゲットです。
また法律で捕獲場所も指定されており、違反すれば逮捕されます。
では、日本の鮭はいつごろどこで釣れるのでしょうか。
シーズンは8月末~
鮭は北海道から北関東まで釣れるので、地域によって微妙に時期が変わります。
北海道では8月中旬以降から少しずつ釣れるようになり、東北では9月ごろから徐々に釣れ始めます。
最盛期はいずれも10月頃で、その後徐々に数を減らしていきます。
この短いシーズン中に釣果を上げるポイントとしては、人よりやや早めに竿を出し始め、最盛期までなるべく高頻度釣りに行くことです。
経験上、最盛期に入る前にもコンスタントに釣れるタイミングがあります。
なにより釣れるようになると場所取り合戦が始まるので、最盛期に情報が回って混雑する前が一番釣りやすくなります。
フィールドは大型河川近くの海
鮭は稚魚が海に出て、大きくなって川に帰ってくるタイミングで釣ります。
ただし川での捕獲は法律で禁止され、かなり厳しく法律で取り締まられているので毎年逮捕者が出ています。
特別に川で釣る許可(有効利用調査)もありますが、かなり狭き門ですし、川に入った鮭はなかなか釣るのが難しいので、セオリーは海での釣りです。
海でのポイントは、鮭が遡上する河口周辺のサーフ(砂浜)がメインで、場所によっては漁港や堤防からも狙えます。
「河口制限」で河口から指定された範囲は釣り禁止になっている場所がほとんどなので、海で釣っても河口制限区域であれば密漁になり逮捕の対象になります。(詳細は下記)
鮭釣りの方法は?
では、実際に鮭を釣る装備をご紹介します。
仕掛けは鮭が釣れる釣れない以前に、釣り場で扱いやすい仕掛けにするといいでしょう。
ルアー釣り
比較的混雑していない釣り場であれば、ルアー釣りがおすすめです。
具体的にはミノーやスプーン、タコベイトなどを使用します。
タックルは8~9ftのサケ用ロッドかシーバスロッドを使用しますが、初心者の方は長い竿だと鮭に振り回されてしまうので、8ft程度でなるべく硬いロッドがおすすめです。
ウキルアー・ウキフカセ
浮きでルアーを漂わせるのがウキルアー仕掛けで、ルアーのフックを改造して餌を付ける仕掛けもあります。
ルアーは、20g程度のスプーンにタコベイトをつけたものが一般的です。
餌はエビや塩締めしたサンマを使用します。
タックルは8~9ftのサケ用ロッドかシーバスロッドで、3000番程度のスピニングリールを使用しましょう。
投げ釣り(ブッコミ)
30号程度の重りで仕掛けを遠くに投げ(50~100m)、当たりを待つ仕掛けです。
ルアーを使用したり、フカセと同じ餌を付けることもあります。
投げながら探る釣りと違い竿の本数が必要なので、場所を確保できるときにおすすめです。
鮭釣りのルールとマナー
鮭は重要な資源なので、釣り方や場所まで細かく法律で保護されています。
また人気の釣りなので混雑することも多く、釣り場を守るためにはマナーを守ることも必須です。
最悪逮捕もありえるので、基本的なルールとマナーについてあらかじめ覚えておきましょう。
禁漁区間の確認
先述したとおり、鮭を釣れる場所は法律で制限があります。
内水面(川・湖など)での捕獲は全面的に禁止で、許可を得て有効利用調査に参加した方のみ釣りができます。
また海で釣る場合にも、河口からの距離を指定されていたり、船からの釣りでもライセンスが必要な場合があります。
これらのルールは各自治体によってさまざまなので、必ず釣り場の自治体に問い合わせて確認しましょう。
ギャング釣り・引っ掛け釣りの禁止
鮭釣りでは、口を使わせない釣りを禁止しています。
「ギャング釣り」や「引っ掛け釣り」と呼ばれるもので、餌やルアーで口に掛ける釣りと違い、鮭の体にフックを引っ掛けて釣る釣りのことです。
釣れなかった場合にも魚体に傷を付けて産卵前に殺してしまうことになりますし、違法行為なので絶対にやめましょう。
場所取りと駐車マナー
鮭釣りは時期が限られ、人気のターゲットでもあるのでシーズン中は平日や深夜に関わらず大量の釣り人が押し寄せます。
このため地元住民や漁師、釣り人同士でのトラブルが絶えません。
基本的なルールとして、
- 過度な場所取りは避ける(最低限のスペースで)
- 近隣住民や漁業関係者の邪魔にならないよう駐車する
- 隣の釣り人とはなるべくスペースを開ける
- 釣具のゴミやアラは持ち帰り、血やウロコなどは綺麗に掃除して帰る
など、以上の点に関しては必ず厳守しましょう。
釣った鮭の保管方法(クマ対策)
木彫りの置物のイメージどおり、北海道ではヒグマは秋に鮭を狙って食べ、本州に住むツキノワグマも鮭を食べることが知られています。
基本的に熊は人を恐れて近付きませんが、人から鮭を奪えることを知った熊は再び釣り場に現れるようになり、すでに一部の地域では釣り人と熊のトラブルが多発しています。
また、自分が人より強いことを知った熊は、人を襲って餌を狙うようになることもあります。
まずは熊を寄せ付けないように、釣った鮭はその場に放置せずにすぐに車に乗せ、熊の生息域で鮭を捌くのはやめましょう。
熊は餌への執着心がとても強く、一度自分に所有権が移った獲物に対しては相手を殺してでも奪い返すので、もし釣り場で熊を見かけたら接近する前に安全な場所に避難し、奪われた鮭や餌は素直に渡しましょう。
鮭より人が多いような状況も多く、周囲への配慮も必要な釣りです。さまざまな仕掛けがあるので、釣り場の状況を見て釣りやすい仕掛けを選択しましょう。
また、人間だけでなく熊とのトラブルも増えているので、ルールとマナーも守って鮭釣りを楽しんでくださいね。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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