「庭がないからコンポストはできない」「難しそう」そう思っていませんか?実はコンポストは、特別なスキルや技術がなくても始められ、ベランダでも気軽に楽しめます。この記事は、ベランダで「LFCコンポスト」を実践してきた筆者の体験をもとに、基材や設置場所、初心者がつまずきやすいポイント、そして毎日の管理の工夫まで詳しく紹介します。

私のベランダコンポスト紹介

コンポスト 使い方

「ベランダコンポスト」と一言でいっても、種類や設置方法はさまざまです。ここでは、私が愛用するベランダコンポストを紹介します。

【初心者向け】ベランダコンポスト「LFCコンポスト」

私が選んだのは、通気性が良く、軽くて扱いやすいバッグ型の「LFCコンポスト」です。狭いベランダでも設置しやすく、シンプルで無駄のないデザインも魅力です。

LFCコンポストは、必要なものがすべて揃ったセットで届きます。本体バッグのほかに、あらかじめ調合された独自の基材(分解を助ける素材)が付いており、基材には土やもみ殻くん炭などがバランスよく含まれています。自分で材料を揃える必要がなく、手元に届いたその日からすぐに始められる手軽さが魅力です。

さらに、使用中にわからないことがあればプロの手厚いサポートを受けられるのも心強いポイント。気軽に問い合わせができるので、初めてコンポストに挑戦する人にとっても大きな安心材料になるでしょう。

ベランダのどこに設置したか

設置場所は「風通しの良い場所」を基準に選びました。私は、半日陰で風通しの良いベランダの片隅にコンポストを設置しています。雨が直接入り込まないよう、屋根がある場所を選ぶことも大切なポイントです。

また、LFCコンポストの場合、バッグの下に空気の通り道をつくるため、台の上に置いて使うことが推奨されています。公式から販売されている「コンポストベース」を使うのはもちろん、すのこやラックなど、自宅にあるものでも代用可能です。

さらに、窓を開けてすぐ手が届く場所に置いておくと、管理のハードルがグッと下がります。料理の後にサッと生ゴミを投入できるよう、動線を考えておくと毎日の習慣として自然に取り入れやすくなりますよ。

ベランダコンポスト生活スタート!初心者が気をつけたいポイント

ベランダコンポストは手軽に始められる一方で、「虫が湧かない?」「臭いは大丈夫?」と不安や悩みも尽きないもの。ここでは、私自身の経験をもとに、初心者がつまずきやすいポイントと対策を紹介します。

入れていいもの・入れてはいけないもの【LFCコンポストの場合】

LFCコンポストでは、野菜くず、果物の皮、コーヒーかす、茶殻、卵の殻、さらには肉や魚類など、さまざまなものが入れられます。中でも驚いたのが、廃油も週に1回100〜200cc程度なら問題なく入れられること。実際に入れるときは、漏れ出さないか心配でしたが、少量ずつ様子を見ながら投入することで、特に問題はありませんでした。

卵の殻や肉、魚類(骨まで含む)も投入可能ですが、分解には時間がかかるため、入れる量や頻度には注意が必要です。

一方で、入れてはいけないものとしては、貝殻、タケノコやトウモロコシの皮、雑草、生花などがあります。「これも入れられるの?」と迷ったときは、まず少量ずつ試してみるか、問い合わせて確認するのがおすすめです。

コンポストの方法や種類によって入れられるものや注意点は異なるため、使用前には必ず取扱説明書やガイドラインをしっかり確認しましょう。

臭いや虫を防ぐための初期対策

臭いや虫の発生は、初心者にとって一番の不安なポイントかもしれません。私が実際に行った基本の対策は、以下の3つです。

  • 生ゴミを細かくカットして入れる
  • 生ゴミを投入後、しっかり混ぜて空気を入れる
  • 表面を基材でしっかり覆う

生ゴミを細かくすることで分解が早まり、臭いが出にくくなります。また、投入後にしっかり混ぜることや、基材で覆うことも、基本の流れとして大切です。つまり、特別なことをする必要はなく、使用上の注意をしっかり守ることが、効果的な臭い・虫対策になります。

また、実際に虫や臭い、カビが発生したときも、すべてを「失敗」と捉えないことが大切です。中には、分解の過程で必要な変化もあります。

例えば、コンポスト内に白カビが発生することがあります。私も最初は「失敗してしまった」と慌てましたが、これは分解が始まっているサインの一つ。「一つひとつの変化には意味がある」と思えると、過剰に心配せず、落ち着いて対処できますし、必要な過程として受け入れられるようになりますよ。

水分管理のコツ

水分量が多すぎると発酵が進みすぎて腐敗臭の原因になり、逆に乾きすぎると分解が進みません。

コンポスト内の水分量は、手で触って確認できるため、こまめに様子をみるのがおすすめです。具体的には、握ったときに形が残るけれど、ほろっと崩れるくらいが理想です。パラパラしている状態は、水分が不足しているサインなので、注意しましょう。

私がコンポストを始めた当初は、「水分=臭いの原因」と思い、必死に水切りをしていました。その結果、内部が乾燥しすぎてしまい、分解が進まず、カサばかりが増える状態に。

そこで水切りをやめ、適度に水を含んだ状態で投入してみたところ、驚くほど分解が進み、理想的な状態になりました。それでも乾いていると感じるときは、少し水を足すことで分解がさらに促されます。

最初は感覚がつかみにくいかもしれませんが、日々観察していくうちに、少しずつコツがわかるようになりますよ。

毎日の管理で気づいた、堆肥ができるまでの変化

コンポストは「入れたらすぐに土になる」というわけではなく、少しずつ時間をかけて変化していきます。最初の数日は食材の形が残っていますが、1〜2週間ほど経つと全体が茶色っぽくなり、見た目にも変化が表れてくるでしょう。

LFCコンポストでは、約2ヶ月間生ゴミを投入し、その後3週間ほど熟成させるサイクルが推奨されています。熟成期間には、しっとりとした土のような香りが漂い、原形をとどめない部分が増えていくのが特徴です。

また、微生物の働きが活発になると、バッグ全体がじんわりと温かくなります。そっと手を当てると、やさしい温もりを感じられるのも変化の一つです。

見て、触れて、香りを感じる。コンポストは、まさに「五感で楽しむ手仕事のひとつ」。小さな変化を観察することで、自然の尊さをより身近に感じられるのも、コンポストの大きな魅力です。

ベランダコンポストを無理なく続けるためのポイント

コンポスト 使い方

ベランダコンポストを無理なく続けるためには、毎日のちょっとした工夫や環境づくりが大切です。さらに、困ったときに相談できるサポート先を確保しておくことも大きな助けになります。ここでは、「ベランダコンポストのある暮らし」を楽しく、そして長く続けるためのポイントを紹介します。

続けやすい習慣づくり

毎日続けることだからこそ、短時間で手軽にできる、無理のない習慣化が大切です。例えば、野菜の皮や種は、切ったそばからバケツやボウルに水分ごと入れておき、調理が終わったらそのままコンポストへ。

さらに、設置場所・動線を工夫しておけば、ベランダにさっと出て、バッグを開けて混ぜるだけ。所要時間はわずか約3分ほどです。忙しい朝でも無理なくできますよね。

もちろん、時間があるときは、毎日ゆっくり変化を観察するのも楽しみの一つです。忙しい日々は「サッと混ぜるだけ」、休みの日にはじっくり向き合う、そんなメリハリをつけることで、無理なく続けられる習慣が生まれます。

サポートを活用してプロの相談

最初は「これで合っているのかな?」と不安になることも多いものです。そんなときは、公式サポートをぜひ活用してみてください。

LFCコンポストでは、公式LINEアカウントを通じて気軽に質問や相談ができます。写真を送って分解の進み具合をみてもらったり、困ったときにすぐにアドバイスをもらえたりするのは大きな安心感があります。

初心者の方は、サポートが手厚い商品を選ぶことで迷いや失敗が減り、続けやすくなるのでおすすめです。

専用サポートがない場合でも、InstagramやXで「#コンポスト初心者」や「#ベランダコンポスト」と検索すると、同じように挑戦している仲間とつながれます。同じ悩みを共有し、励まし合うことで、解決のヒントがみつかることもあるでしょう。

自宅のベランダでできるコンポストには、LFCコンポストのほかにもいくつか種類があります。どのタイプを選ぶかは、ライフスタイルや目的に合わせて選ぶのがおすすめです。迷っている人は、こちらの記事も参考に、自分に合ったものをみつけてくださいね。

【2024年版】おしゃれなコンポストのおすすめ4選
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ベランダコンポストは、「庭がなくても自然とつながる暮らし」を叶えられるおすすめのアイテムです。最初は不安があって当然ですが、やってみると意外と手軽で、新しい発見や驚きに満ちた日々が待っています。さらに、自分で作った堆肥を使ってプランター菜園を始めれば、循環型のライフスタイルがもっと豊かになります。「私にもできそう」と感じた方は、ぜひ一度試してみてくださいね。

AYA

ライター

AYA

静岡県出身。海と山に囲まれた自然豊かな環境で育ち、結婚後に、タイ・バンコクへ移住。病気がきっかけで、ヴィーガンのライフスタイルに目覚める。現在は、2児の母として子育てに奮闘しながら、人と環境にやさしいサステナブルな暮らしを実践中。自身の経験をもとに、ヴィーガン、環境問題、SDGsについて情報を発信している。