ボホール島は、フィリピンのリゾート地セブ島の南東部にある、筆者激推しのダイビングスポットです。ダイビング歴20年、こんなに鮮明に心に残るダイビングスポットはなかなかありません。今回はあまり知られていないボホール島の魅力をご紹介します。

ボホール島ってどんなところ?

7,641の島から構成されるフィリピン共和国は、世界屈指のリゾート地が点在し、癒しと贅沢を求めた観光客で溢れています。ボホール島もそのひとつで、数あるフィリピンのダイビングスポットの中でもトップクラスの島です。

島の概要

ボホール島はフィリピン共和国で10番目に大きな島で、島の面積は4,117㎡と東京都の約2倍の広さ。真っ白な美しいビーチと、圧倒的な水中の透明度はダイバーを魅了させ、地元の人からも「神の小さな楽園」と称されるほど神秘的な自然や生物が豊富な島です。

アクセス方法

ボホール島へのアクセス方法は2種類です。

①マニラ経由:日本各地からマニラ、国際線を乗り継ぎボホール島パングラオ国際空港へ
②セブ経由:日本各地からセブ、高速フェリーでタグビララン港へ

①のマニラからパングラオ国際空港の直行便のほうが40分ほど早いですが、マニラでのトランジットは大変わかりづらいので、初めての方は②のセブ経由の高速フェリーをおすすめします。

ベストシーズン

乾季の3月下旬〜6月下旬がダイビングのベストシーズン。ただ雨季であっても、ダイビングは雨天に左右されないアウトドアスポーツなので、ほとんど潜れます。ただ台風だとさすがに潜れませんので、7〜10月は注意しましょう。

ダイビング規制と保全活動

年々観光客が増えるボホール島では一部の入島制限や、環境保全活動が行われています。

入島制限の理由

2016年にボホール・バリカサグ島エリアで入島制限が敷かれました。ボホール島からボートで約45分の位置にあるバリカサグ島は、ギンガメアジのトルネード、オニカマスの魚群が見られる絶景ポイントのため、年々訪れるダイバーが増加。島周辺の魚たちが減少する事態になってしまったのです。

入島を制限することで、少しずつ水中生物も戻りつつあり、筆者が来島した2019年1月にはギンガメアジのトルネードやオニカマスが優雅に群れをなしていました。

環境保護の取り組み

バリカサグ島への入島制限は1日150名のみ。ダイビング予定日より3か月以上前からダイビングショップで予約する流れになります。

ちなみに筆者は予定日の半年前からCカード(ダイバーの証明カード)のコピーを現地ガイドから催促されました。Cカードのコピーがないと予約完了にはなりません。

Cカードを持たないダイバーを入れないのは、サンゴ礁を破壊してしまう可能性が高いためです。Cカード保持者でも中性浮力(水中でのバランス)に不安のある方は、行く前に練習することをおすすめします。

また、マリンアクティビティだけでなく、マングローブ植樹保全活動や、観光地にて環境保全を促す多言語の看板設置が行われ、より観光客に自然を残すための協力を促す運動が、島全体で広がっています。

ダイバーが守るべきルール

ボホール島に限ったことではないのですが、水中生物をむやみに追いかけたり触ったりしないことがダイバーとしての基本です。

しかし残念ながら、SNS映えする動画を撮影したいがあまりに、魚の群れに突っ込んでいってしまうダイバーは少なくありません。この行動は水中生物にとってはもちろん、周りのダイバーへの迷惑行為にもなります。夢中になり過ぎず、しっかりと周囲にも気を配ることが大切です。

水中だけでなく、陸でも注意が必要です。ビニール袋や輪ゴムが使用されているお弁当など、落としやすく海ゴミになってしまう可能性があるものを持って行かないなど、訪れた全員がルールを意識して守ることが大切です。

ボホール島周辺の代表的ダイビングスポット

ボホール島周辺のダイビングスポットは数多くありますが、今回は3つにギュッと厳選して紹介します。

バリカサグ島

上述で何度も出てきたバリカサグ島。ボホール島=バリカサグ島といってもいいほどダイビングのメインスポットです。ギンガメアジのトルネードやメガネモチノウオ、ウミガメ、そしてダイバーを包み込む最高の透明度。一度経験してしまうと何度も訪れたくなるダイバーの楽園です。

カビラオ島

各スポットに断崖絶壁のドロップオフ(陸の絶壁がそのまま海に落ち込んでいるイメージ)があり、浅瀬にはソフト・ハードコーラルが点在する地形派もフォト派にもたまらないスポットです。特にドロップオフの壁沿いにある大型のウミウチワやイソバナ、それらを居住とするピグミーシーホースなど、地形以外にもマクロな水中生物がダイバーを楽しませてくれます。

パングラオ島

ボホールからバンカーボートで約10分の砂地とドロップオフスポットです。マクロ派(小さい水中生物を好む)ダイバーにはたまらないハゼやウミウシのオンパレード。比較的浅い場所なので、ゆっくり水中撮影を楽しみたい方にはピッタリです。

滞在のコツと注意点

海外のダイビング旅行に慣れていない方は、滞在のコツや注意点をしっかりと把握しましょう。

貴重品の取り扱い

セブ島に比べ客引きが少なく、温厚な人柄が多い島ですが「日本より安全な国はない」という意識で旅行しましょう

貴重品は肌身離さず、ダイビング遠征中は必要最低限のお金だけを携行し、あとはホテルの貴重品BOXに入れておくのが賢明です。

ダイビングショップ・宿泊施設選び

日本人スタッフ常勤は必須。集合時間やボートや施設の使い方、決まりなど日本人の文化や習慣を理解している人のほうが説明がわかりやすく、よいサービスが受けやすいです。

集合場所や時間の相違をなくすためにも、ホテルとダイビングショップが併設された施設おすすめします。

ちなみに、個人手配ではなくダイビングツアーであれば、陸でのガイドや、ダイビング費用以外の入海料など親切にフォローしてくれますよ。

持ち物と準備

平均気温は27℃前後で通年半袖・短パンですが、施設は常にクーラーが効いているのでカーディガンなど羽織るものを用意しましょう。

もし自身の器材を持っているのであればレンタルは避けてください。サイズが合わなかったり、日本のダイブサービスよりもメンテナンスが行き届いていない可能性があるからです。

ホテルの部屋のタイプによってはベランダやバルコニーがありません。そのときは室内に水着などを干すため、簡易的な洗濯物ロープや小型のピンチハンガーなど、100均程度のものでいいので用意しておきましょう。

今回は、入島制限をしないとダイバーで溢れかえってしまうボホール島の魅力について紹介しました。人気のバリカサグエリアは3カ月以上前からの予約が必須のため、余裕をもったダイビング計画を立てることをおすすめします!

参考サイト:
ボホール島観光地10選&おすすめホテルを徹底解説!CSPトラベル
バリカサグ島 フィリピン政府観光省

ライター

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マリンスポーツのジャンルを得意としたwebライター。海遊びの楽しみ方やコツを初心者にも伝わるよう日々執筆活動中。スキューバダイビング歴約20年、マリンスポーツ専門量販店にて約13年勤務。海とお酒と九州を愛する博多女です。