※このページにはアフィリエイトリンクが含まれています。

肉のうまみがダイレクトに感じられる豚ロース肉。今回はその豚ロース肉を燻製にした、「カナディアンベーコン」の作り方を紹介します。燻製は難しく思えるかもしれませんが、手軽に作れる方法もありますよ。家族や仲間と共に楽しむカナディアンベーコンは格別なので、ぜひ参考にしてみてください。

家庭やキャンプでも燻製ができる?

冬キャンプサイト

燻製器がアウトドアショップなどに並んでいるのを見て、家庭やキャンプで燻製に挑戦したいと思ったけれど、「なんだかハードルが高そう…」。そう思われている方も多いのではないでしょうか?

しかし、燻製は家庭やキャンプで、できます!燻製に初チャレンジするときのポイントは2つ。手軽に使える燻製器を用意することと、試作からはじめることです。詳しく説明しますね。

①燻製器を調達しよう!

「キャンプで燻製に挑戦してみたい!」という方におすすめなのは、手軽に使えるミニスモーカーです。筆者は上の画像のようなスモーカーを使っています。

燻製の方法はかける温度によって、熱燻(ねっくん)・温燻(おんくん)・冷燻(れいくん)に分けられます。ミニスモーカーを使えば、熱燻と温燻に対応できます。

本格的な燻製器には『IVERO(イブロ)』や『Weber(ウェイバー)』など、大型で性能のよいものもあります。ただ、スモークサーモンや生ハムは燻煙後の熟成に長い時間がかかるため、1泊2日などの短期のキャンプには向いていません。

フライパンや中華鍋で代用もできますが、焦げ付きでかなり汚れてしまうのが難点。ミニスモーカーを用意して、それを燻製専用にするのがよいでしょう。

②家で試作してみよう!

スモークの画像

燻製に初挑戦するときは、家で試しに作ってみることをおすすめします。たとえば、そのままでも食べられるチーズ・ナッツ・茹でたうずら卵などで、”香りをまとわせる”スモークをしてみてください。カンタンだけど、そのおいしさにきっと燻製の魅力にハマりますよ。

次にベーコンを焼いてみましょう。約500gの肉の下処理に3日ほどかかるため、うまくいくかどうか、最初はドキドキします。

ポイントとしては、最初の工程では焼きすぎず、焼きが甘いようなら後でよくあぶって食べるようにしてください。だんだん火加減がうまくできるようになると思います。なお、スモーカーでいぶしすぎると”えぐみ”がでて、おいしくなくなってしまいます。

肉のうまみが凝縮!カナディアンベーコンのレシピ

スモーク料理の画像

燻製に慣れないうちはご家庭で焼いて、キャンプに持っていきましょう。ほかの燻製おつまみも一緒に持っていけば、キャンプ仲間によろこばれますよ!

作るのに自信がついたら、下処理までをご家庭ですませ、キャンプ場で焼くとできたてを食べられます。炭火では火加減が難しいので、カセットコンロを使うと安心ですね。

スモーク料理の画像

専門店で買ってきた高級ベーコン……おいしいですよね。しかし、塩とコショウだけで味付けした手作りの無添加ベーコンは、またそれとは違った格別の味わいがあります。

自分の好みのウッドチップでスモークすれば、その香りに魅了されることはまちがいありません。ここからは、カナディアンベーコンの作り方を紹介します。

作り方(まずは家で下処理)

ブロック肉

材料はブロック肉と塩・コショウだけ。脱水と乾燥の時間はかかりますが、段取りよく進めれば、この工程の手間はそれほどかかりません。

材料(2人分)

  • 豚ロース肉ブロック(または肩ロース肉):約500g
  • 塩:大さじ1(約15g)
  • コショウ:約8g
  • 燻製用チップ(ヒッコリー):大さじ3

※白コショウ(あれば)5g。黒コショウはミルで全面にかけてまぶす。

1. フォークで肉の表裏に穴をあける。

ブロック肉

2. 塩・コショウを肉全体にまぶす。
※コショウを先にまぶすと、味がよく入ります。

ブロック肉

3. 脱水シートやキッチンペーパーで肉をつつみ、重しを乗せて冷蔵庫へ。ペーパーをときどき替えて1.5~2日間脱水する。

スキレットの画像

4.その後、ペーパーをはずし、網を乗せたバットの上において、冷蔵庫で1~1.5日乾燥させる。

ポイント

脱水をしっかりできるかが、カナディアンベーコンのポイントです。ここまでが家での下処理なので、キャンプの日程にあわせて進めましょう。

冬場なら日陰でつるして乾燥もできますが、衛生上おすすめできません。また、塩の量は好みで加減できますが、あまり減らしすぎると腐敗の原因になりますので、注意しましょう。

作り方(キャンプ場でスモーク)

ブロック肉

脱水した肉は赤味が濃くなります。もちろんもっと時間をかけて熟成すると、うまみがさらに凝縮されますが、豚肉の熟成はプロでも難しいといわれています。

スモークするために、表面の脱水をすることが下処理の目的。熟成のやりすぎには注意が必要です。

1.スモークする前に、肉をクーラーから出して常温にもどす。サーモプレートがあれば短時間で常温戻しが可能。

COOK&DINE HAYAMA オリジナルアルミ ミートサーモプレート

2.ウッドチップをスモーカーの底にいれる。

スモークチップ

3.油受け皿やアルミホイルをセットし、焼き網の上に肉を乗せる。

ブロック肉

4.スモーカーのふたを少し開けた状態で、強めの中火にかける。煙がでてきたら、ふたを閉めて弱めの中火に。

5.約20分後、焼け具合をみて裏返す。

ブロック肉

6.焼け具合をみながら火を調節して、ふたを閉める。さらに10~15分火をいれたら焼き上がり!

スモークされたブロック肉

7.あら熱がとれたら、ラップをしてクーラーに入れて約1時間おく。

ポイント

常温戻し⇒スモーク⇒燻煙後の熟成の時間を計算すると、食べる2時間前には調理をスタートするとちょうどいいですよ。重ねていいますが、焼きすぎに注意しましょう!

焼き上がり後に冷やすことで、スモークの”えぐみ”がマイルドになります。さっとあぶって食べてみてください。

カンタンおいしく!アレンジレシピ2選

カナディアンベーコンはそのまま食べても絶品ですが、アレンジを加えることでさらにおいしく。カンタンに作れるアレンジレシピを2品紹介します。

アレンジレシピ1:いろいろ巻いておつまみに

カナディアンベーコンのアレンジレシピ

塩コショウのきいたベーコンなので、調味料はいりません。燻製の香りをつまみに、ビールなど好きなお酒や飲み物を楽しんでみてください。

材料(2人分)

  • カナディアンベーコン:3mmスライス 8枚
  • ミニトマト:4個
  • エリンギ:1本
  • ニンニク:1かけ
  • リーフレタス:4枚

1.スキレットにオリーブオイルを入れる。焦げないようにニンニクをあぶってから、4等分にしたエリンギをかるく焼く。

2.スライスしたベーコンの上に、それぞれミニトマトと焼いたエリンギ、ニンニクを乗せて巻き、つまようじでとめる。

カナディアンベーコンのアレンジレシピ

3.炭火があれば、あぶってできあがり!

ポイント

炭火であぶるときは焼き鳥用の串にさして、やけどをしないように注意してください。そのほかにもアスパラやインゲン、オクラなども巻くとGOOD。

あぶったベーコンをリーフレタスで包んで食べてもおいしいですよ!

アレンジレシピ2:ベーコン入りホットサンド

キャンプご飯

バラ肉に比べて脂身の少ないカナディアンベーコンは、朝食にぴったり。コーヒーの香りとの相性もバツグンですよ。

材料(2人分)

  • カナディアンベーコン:3mmスライス 8枚
  • ホウレンソウ:1把
  • たまご:2個
  • 溶けるチーズ:30g
  • 無塩バター:8g(お好みで有塩でも可)
  • マヨネーズ:適量
  • トマトケチャップ:適量
  • 粒マスタード:お好みで

1.ホットサンドメーカーの焼き面にバターを塗る。

ホットサンドの画像

※筆者はスノーピークのトラメジーノを使っています。現在はシルバーのみの販売ですが、ぎゅっとプレスできて、つくりもしっかりしているのでおすすめです!

2.たまごはスクランブルに。ベーコンとホウレンソウはかるくあぶっておく。

3.パン⇒具材⇒調味料⇒パンの順にかさね、ホットサンドメーカーを閉じる。

ホットサンドの画像

4.片面が焼きあがったら裏返して反対側を焼く。こまめに確認して裏面も焼けたらできあがり!

ポイント

具材をたくさん入れるとおいしいですが、入れすぎるとチーズやたまごがもれて、片付けが大変です。ホットサンドメーカーがぴったりと閉じるくらいに、具の量を調節してください。

また、片側が焼けたら、裏面は(熱くなっているので)早めに焼き上がります。焦がさないように注意しましょう。

ホットサンドの画像 

カナディアンベーコンをおいしく作るためには、まずはもとの肉をよく脱水することです。焼く前に表面に水分があると、えぐみの原因になります。塩は標準量だとかなり強いですが、衛生上、他の具材とあわせる調味料と考えて、多めにしておいたほうがよいと思います。また、最初は火は弱めでじっくり焼きましょう。カナディアンベーコンの次は、いろいろな具材とあわせられて香りのよい、脂がのった豚バラベーコンに挑戦してみてくださいね。基本的な作り方は同じですよ。

ライター

Maita

アウトドア大好きなフリーランスのフードコーディネーター(FCAJ認定/1級)&Webデザイナー。こだわって作った『つくりおき料理』で楽しいキャンプ飯を考案。また、日本各地の固定種・在来種の食材を使った料理を手掛け、地域の食文化の継承を模索している。一人でも家族でも仲間でも楽しめる、そして地球にやさしいレシピを提案していく。