成長段階の指標 スキャモン曲線とは
皆さん、スキャモン曲線という言葉はご存知でしょうか?
医療や教育に携わる方は耳にしたことがある言葉だと思います。
簡単に説いたします。
スキャモン曲線とは、1930年にScammonが身体諸属性は大きく4つに分類できることを提唱し、発達段階においての指標になることを論文化したことがはじまりです。
スキャモンによると、人間の身体諸属性は神経型、リンパ型、生殖型、これら3つに属さない一般型の4分類できるとし、20歳を100%としたときの各属性の成熟度をグラフ化しています。
特徴は、各属性の成熟ピークが異なることです。
以下に各属性の特徴を記載します。
神経型
神経型は生まれてから上昇し、12歳でピークを迎えます。
この神経型は、四肢を動かす神経やバランス感覚の神経などを指します。
リンパ型
リンパ型は生まれてから上昇し、12歳でピークを迎え190%程度まで上昇します。
そこから20歳を迎えるまで下降し20歳で100%に落ち着きます。
リンパ型は、主に免疫系の成熟度を指します。
生殖型
生殖型は生まれたころは、横ばいですが12歳〜14歳で急上昇するのが特徴です。
この生殖型の上昇時期を第二次性徴期と呼び、男性・女性ホルモン系が急激に増加し
男性らしい、女性らしい身体に近づきます。
一般型
一般型は上記以外の組織成熟を指します。
13歳から緩徐に上昇します。
スキャモン曲線から怪我を紐解く
ここまで、スキャモン曲線を理解し各属性によりピークが異なることはご周知のことかと思います。
つぎに、スキャモン曲線から怪我を紐解いていきます。
まずスキャモン曲線で注目すべきは、生殖型のピークです。
生殖型の上昇は男性・女性ホルモン系の増加をさし、急激に体型が変化していく時期です。
つまり、骨や生殖器が急激に成長してくる時期であり身長が急激に伸びてくる時期とされています。
この時期の特徴として、運動の有無に関わらず骨の成長と筋肉の伸張性にアンバランスが生じることです。
骨に比べ、筋肉の伸長性は相対的に引き伸ばされた状態になることで、生じる怪我が多いとされています。
また、成長時期には骨端線(成長線)が存在しており、この骨端線は構造学的に脆弱であり障害を受けやすいのが特徴です。
よって、成長期には骨と筋肉の成長アンバランスが引き起こす障害が多く発生することが特徴です。
成長期特有の怪我とは
成長期の特徴として、筋肉と骨の成長アンバランスが引き起こす障害が多いことを説明致しました。
つぎに、成長期の怪我としてどのような怪我があるのか?
頻度が多い障害を説明いたします。
オスグット・シュラッター病
症状:動作時や押した際の膝関節下端の痛み
原因:使いすぎ・誤った動作の仕方・筋肉の柔軟性低下
肉離れ
症状:運動時の筋肉の痛み
原因:使いすぎ・筋肉の柔軟性低下
怪我を予防するには
成長期特有の障害をご紹介いたしましたが、これらはどうやって予防すればいいのか?
それは、筋肉の柔軟性を高めることが大切です。
柔軟性を高める練習のひとつとして、ストレッチがありますがスポーツ前後のみで、ほかにはやらない方も多いのではないでしょうか?
ストレッチは筋肉の柔軟性を向上させることが目的となりますが、柔軟性が改善するまでには時間がかかります。
なぜなら、骨も同様に成長しているため、筋の柔軟性が勝るためには数多くストレッチを行うことが大切になります。
ストレッチをする時間も7秒〜15秒程度が、もっとも効率よく筋肉を伸ばせる時間です。
また、運動前後でもストレッチ方法を変更して行う必要があります。
運動前は、ダイナミックストレッチと言われる反動をつけストレッチをすることが推奨されており、運動後やお風呂後にはスタテックストレッチを行うことが推奨されています。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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