オイルランタンを使う際に最初にやるべきこと
オイルランタンを使用するために確認すべきポイントは、以下のとおりです。
- 本体の損傷チェック
・ホヤにヒビ割れ、欠け、曇りがないか
・タンクに凹み、傷、錆がないか
・給油口周辺に漏れがないか
・持ち手やフレームなど、全体に異常がないか - 芯の状態チェック
・古くなっていないか
・汚れが激しくないか
・適切な長さに調整されているか - オイルの確認
・ランタンに適した種類のオイルを使用しているか
・タンクに適切な量のオイルが入っているか
・新鮮なオイルを使用しているか
1.本体の損傷チェック
使用前に本体の状態を確認するのは重要な作業です。手入れに手間がかかる場合もあるので、事前に確認しておきましょう。
ホヤにヒビ割れ、欠け、曇りがないか
ホヤとは、ランタンの燃焼部をカバーするパーツのことで、一般的には透明な耐熱ガラス製です。オイルランタンのホヤは高温になるので、ヒビ割れや欠けている部分があると、破損する危険性があります。
また、曇りがあると明るさが低下します。使用前に、ホヤを入念にチェックし、異常がある場合は使用を控えましょう。
タンクに凹み、傷、錆がないか
オイルを入れるタンクに凹みや傷、錆があると、オイル漏れの原因になります。使用前にタンクを点検し、異常がある場合は使用を避けましょう。
給油口周辺に漏れがないか
給油口周辺にオイル漏れがあると、火災の原因になります。使用前に、給油口周辺を点検し、オイル漏れがある場合は使用するのはやめましょう。
持ち手やフレームなど、全体に異常がないか
持ち手やフレームなど、オイルランタン全体に異常がないか点検します。ネジのゆるみや、部品の欠損などがある場合は、使用を控えるようにしましょう。
2.芯の状態チェック
芯の状態は、以下の3つをチェックします。
古くなっていないか
古くなった芯を使用すると、燃焼不良や消火の原因になります。芯は消耗品ですので、定期的に芯を交換しましょう。
汚れが激しくないか
芯が汚れていると、燃焼不良や煤の原因になります。汚れが激しい場合は、新しい芯に交換しましょう。
適切な長さに調整されているか
芯が適切な長さになっていないと、燃焼不良や消火の原因になります。使用前に、適切な長さに調整しましょう。
3.オイルの確認
オイルについては、以下の内容を確認してみてください。
ランタンに適した種類のオイルを使用しているか
オイルランタンには、適した種類のオイルを使用する必要があります。間違ったオイルを使用すると、燃焼不良や故障の原因になります。
タンクに適切な量のオイルが入っているか
使用前に、適切な量のオイルが入っているか確認しましょう。オイルの量が多過ぎたり、少な過ぎたりすると、燃焼不良や消火の原因になります。
新鮮なオイルを使用しているか
古くなったオイルを使用すると、燃焼不良や煤の原因になります。新鮮なオイルを使用しましょう。
以上の点を確認し、問題がなければオイルランタンを使用できます。ただし、初めて使用する場合は、一度テスト点火を行うことをおすすめします。取扱説明書をよく読み、正しい使用方法を理解しておくとよいでしょう。
芯やオイルは、定期的に交換が必要です。古いオイルは劣化して、燃焼不良や煤の原因になります。芯が古くなっていたり汚れ具合が激しかったりする場合は、新しい芯に交換しましょう。
オイルランタンの使い方
オイルランタンを初めて使用する手順を紹介します。大きく分けて、次の4つのステップで行います。
➀オイルランタンのホヤを開けて芯を取り出す
➁オイルランタンに燃料(オイル)を入れる
③オイルランタンに火を付ける
④オイルランタンの火力は芯の露出量で調整する
なお、ランタンの種類によって操作手順が異なる場合がありますので、取扱説明書に従って行ってください。使い方のポイントを順番に見ていきましょう。
➀オイルランタンのホヤを開けて芯を取り出す
オイルランタンを使用するときは、まずホヤを開けます。ホヤは周辺にレバーなどが付いているので、調整してホヤを後ろへ倒します。
次に、芯を出すために、芯を覆っているカバー(バーナー)についている芯調整レバーを左へスライドしてください。カバーごと外すと芯が出てきます。
芯が汚れている場合は、新しい芯に交換しましょう。汚れた芯を使用すると、燃焼効率が悪くなり、煙や煤が発生しやすくなります。
取り出した芯の先端を台形になるようにカットする
オイルランタンの芯の先端は、台形になるようにカットしましょう。台形にカットすることで、燃焼効率が向上し、安定した火力を得られます。芯をカットするには、はさみやカッターナイフを使用し、適度な長さに整えます。また、切り口が斜めにならないよう注意しましょう。
カットした芯をオイルランタンの中に戻す
台形にカットした芯は、再びオイルランタンの中に戻しましょう。芯がホヤの中央に位置するように、慎重に挿入します。芯がきちんとセットされていないと、火が付きにくくなり、すぐに消えてしまいます。
芯を戻す際は、芯がホヤの底面に接触していることを確認しましょう。芯が浮いていると、オイルが芯に吸い上げられず、点火できなくなります。
オイルランタンに入れた芯の長さを調節する
芯をオイルランタンに戻したら、芯の長さを調節します。芯の先端がホヤから2〜3cm程度出るように調整するのが目安です。芯が長過ぎると、煙や煤が多く発生します。煤が出始めたら芯を少しずつ下げて調整しましょう。
➁オイルランタンに燃料(オイル)を入れる
芯のセッティングが完了したら、オイルランタンの給油口から燃料(オイル)を注ぎ入れます。芯の上端から半分程度の位置に入れるのが目安です。オイルは灯油または、パラフィンオイルなど専用のものを使用してください。
入れ過ぎるとオイルがあふれ出る恐れがあるので、注意が必要です。オイルを注いだら芯が十分に染み込むまで待ちましょう。
燃料(オイル)のメリット・デメリット
オイルランタンの燃料には、灯油やパラフィンオイルなどが使われます。それぞれのオイルのメリット・デメリットを以下の表にまとめました。
燃焼タイプ | メリット | デメリット |
灯油 | ・安価で手に入りやすい ・火力が強く明るい ・長時間燃焼する ・凍結しにくい |
・匂いが強い ・煤が出やすい ・引火点が低い ・購入場所が限られる |
パラフィンオイル | ・無臭で匂わない ・煤が出にくい ・引火点が高い ・虫除け成分配合のものがある |
・灯油に比べ高価 ・燃焼時間が短い ・氷点下では凍ってしまう ・火力や明るさは劣る |
パラフィンオイルは、灯油と比べて引火温度が低いのが特徴です。万が一こぼしてしまっても、火が広がるリスクを抑えられるため、初心者には使いやすいでしょう。
また、パラフィンオイルは燃焼時に発生する煙や煤が少なく、ほぼ無臭なので、室内でも使いやすいのがメリットです。
燃料については、以下の記事でも詳しく紹介していますので、参考にしてみてください。
③オイルランタンに火を付ける
いよいよオイルランタンに点火する作業です。以下の手順を参考にしてみてください。
ホヤの横にある上下バーを下げる
オイルランタンに火を付けるには、ホヤの横にある上下バーを下げます。
上下バーとは、ホヤの左側に取り付けられているレバーのようなパーツのことです。このバーを下げると、芯をホヤの外に出せます。
上下バーを下げるには、親指と人差し指でバーをつまみ、ゆっくりと下方向に押し下げるようにしましょう。バーを急に下げると、ホヤの破損やひび割れの原因になります。
ホヤから露出している芯にライターやマッチで点火する
ホヤから露出した芯の先端に、ライターやマッチの火を近づけます。炎を芯に直接触れさせるのではなく、少し離れた位置で芯を炙るようにしましょう。
炎から芯に熱が伝わり、芯に染み込んでいるオイルに引火します。火が回るまで、ゆっくりと炙るようにして、点火したら上下バーをもとの位置に戻します。
④オイルランタンの火力は芯の露出量で調整する
オイルランタンの火力は、芯の露出量によって調整が可能です。
芯をホヤから多く出すと火力が強くなり、煙や煤などが発生してしまいます。一方で、芯を少なく出すと、炎が小さくなり、芯が燃え尽きて消えてしまうことがあります。
外気温や燃料の残量など使用環境によって異なりますが、適切な火力は芯の先端から1〜2cm程度の高さまでがよいでしょう。状況に応じて上下バーを操作し、芯の露出量を調整してください。
以下の記事では、オイルランタン・ガスランタン・LEDランタンの違いについて紹介しています。
オイルランタンに付けた火の消し方は2つある
オイルランタンの火を消す方法を2つ紹介します。
・芯を下げる方法
・ホヤを上げて息を吹きかける方法
状況に応じて適切な消し方を選びましょう。
消し方その1:芯を下げて火を消す
芯を調整するつまみを回し、ホヤの中に芯を収めて酸素の供給を断ちます。芯を引っ込めると火が弱まるため、火が完全に消化するまでおこないます。
なお、つまみを回し過ぎると、芯がホヤから外れてしまうので注意しましょう。
消し方その2:ホヤを上げて息を吹きかけて消す
上下レバーを下げてホヤを持ち上げ、芯に向けて直接息を吹きかけます。この方法だと、芯を引っ込め過ぎて落とす心配がありません。
しかしオイルの燃焼状態によっては、一吹きで消えにくい場合があります。簡単に消火する場合には、芯を下げて火を消す方法のほうがよいでしょう。
オイルランタンに残った燃料(オイル)の抜き方
オイルランタンに残ったオイルを抜く方法は2つあります。
・抜き取りポンプやシリンダーを使う方法
・オイルランタンを逆さにして容器にオイルを移す方法
それぞれの方法を見ていきましょう。
方法1:抜き取りポンプやシリンダーを使う
オイルランタンの給油口に、抜き取りポンプやシリンダーを入れて、オイルを抜き取ります。この方法なら、オイルをこぼさずに効率的に抜けるでしょう。ただし、ポンプ・シリンダーといった道具が必要です。
方法2:オイルランタンを逆さにして容器に燃料(オイル)を移す
オイルランタンを逆さにして、給油口を容器に向けて傾けオイルを直接容器に移す方法です。この方法は道具を必要とせず、手軽におこなえるでしょう。ただし、オイルがこぼれやすいため、慎重に作業してください。
灯油ランタンのメンテナンスの方法は、以下の記事で詳しく紹介されているので、ぜひ参考にしてみてください。
オイルランタンの使い方に関する注意点
オイルランタンを扱うときの注意点を紹介します。オイルランタンは、火を使う道具であることを忘れず、以下の点をチェックしてから使用しましょう。
点火したオイルランタンは高温のためヤケドに注意する
オイルランタンは、点火するとホヤを中心に、金属製のフレーム、排気口などの部分が非常に高温になります。そのため、素手で直接触れると火傷を負う危険性があります。
とくに、点火直後はホヤ内の炎が大きくなりやすく、ホヤ自体の温度が急激に上昇します。また、消火直後もしばらくの間は高温が維持されるため、十分な注意が必要です。点火中や消火直後のオイルランタンには、直接触れないようにしましょう。
持ち運ぶ際は、必ずハンドル部分のみを持つようにしてください。また、点火中のランタンの周りには可燃物を置かないことも大切です。小さなお子様やペットがランタンに近づかないように注意しましょう。
移動中の衝撃でホヤが割れる可能性があるため必ずケースにしまう
オイルランタンのホヤは耐熱ガラスでできていますが、強い衝撃を受けると割れてしまう可能性があります。
とくに、点火中や消火直後はホヤが高温になるため、衝撃に弱くなっています。ホヤが割れると、オイルが漏れて引火したり、割れたガラス片でケガをする恐れもあるので、注意してください。
ランタンをケースに収納する前に必ず消火し、十分に冷ましてください。高温のまま収納すると、ケースが溶けたり、変形したりする恐れがあります。
オイルランタンを持ち運ぶ際には、必ず専用のケースに収納します。衝撃を和らげ、ホヤの破損を防ぐ効果があります。
持ち運ぶ際はケースをしっかりと持ち、丁寧に扱います。車に積む場合は、ケースが転がらないよう、安定した場所に置いてください。また、ケースから取り出す際も、ホヤに衝撃を与えないよう、慎重に扱いましょう。
オイルランタンを傾けると燃料漏れが起きる可能性がある
オイルが入った状態で本体を傾けると、オイルが漏れやすいので注意が必要です。オイルランタンを使用する際は、平らで安定した場所を選び、常に垂直に保ってランタンが傾かないようにしてください。
オイル漏れが起きると、火災の原因になるだけでなく、ランタン本体の故障にもつながります。
オイル漏れを防ぐ対策として、給油口にゴムパッキンを装備する方法がおすすめです。給油口とキャップの間に隙間ができにくくなり、オイル漏れのリスクを軽減し、移動をする際にも漏れを防げます。
オイルランタンに燃料(オイル)は入れっぱなしにしない
使用しないときは、オイルランタンからオイルを抜いておきましょう。オイルを入れたままで放置すると、オイルの劣化やオイル漏れ、芯の詰まりなどトラブルの原因になります。
オイルは時間が経つと劣化し、燃焼効率が低下します。劣化したオイルを使用するとタンクやパッキンが傷み、オイル漏れが起こります。また芯にオイルが染み込んで固まると、詰まりの原因になる場合もあるでしょう。
使用後は必ずオイルを抜き、ランタンを清掃してから保管してください。オイルを抜く際は、専用の抜き取りポンプを使用するか、ランタンを逆さまにして、オイルを容器に移します。その際、オイルがこぼれないよう、慎重に行ってください。
また、再度オイルを入れるときは、新しいオイルの使用がおすすめです。長期保存したオイルは劣化している可能性があるため、使用前に状態を確認するとよいでしょう。
オイルランタンの火を付けっぱなしでその場を離れたり寝たりしない
火を付けたままにして、その場を離れたり、就寝したりすると非常に危険です。火を付けっぱなしにすると、オイル切れによる消火や可燃物への引火、ランタンの転倒など、事故の原因になります。
オイルがなくなると炎は消えますが、発生した可燃性ガスに引火し、爆発的な火災が起きる可能性もあります。また、ランタンの周りに可燃物があると炎が燃え移り、火災が発生する恐れもあるでしょう。
地震や強風、不注意などでランタンが転倒した場合も、オイルがこぼれて引火する危険性があります。
その場を離れる際は、必ず消火して完全に冷めたことを確認してください。また、オイルランタンを使用する際は、周囲に可燃物がないか確認して、安定した場所に置きます。ランタンが倒れないよう、転倒防止対策を講じましょう。
オイルランタンは便利な器具ですが、火を使用する以上、危険性がともないます。安全に使用するためにも、これらの注意点を守り、取り扱いには十分注意しましょう。
オイルランタンの種類については、以下の記事でも紹介しています。あわせて参考にしてみてください。
オイルランタンの使い方は慣れてしまえば簡単!
オイルランタンは、最初は少し難しく感じるかもしれません。しかし基本的な使い方を覚えれば、日常生活や緊急時にも役立つ便利なアイテムです。キャンプでの雰囲気づくりに限らず、停電時の照明や災害時の備えとしても重宝するでしょう。家族や友人とオイルランタンの灯りの下で過ごす時間は、一層特別なものになるはず。取り扱いに十分注意しながら、オイルランタンで楽しいキャンプ時間を過ごしましょう。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。