夏キャンプにおけるメンズ服装選び5つのポイント
夏キャンプは、朝晩の温度差が場所によって大きかったり、虫が数多くいたり、紫外線が強かったりするのでそれぞれの対策が必要です。
たとえばビーチでのキャンプは、日中だけでなく夜も蒸し暑いうえ、蚊などの虫が多く発生します。川や標高の高い場所でのキャンプは朝晩に冷え込む可能性があります。
キャンプをする場所によって選ぶ服装は変わります。まずは、基本的なポイントを6つ紹介します。どのシーンでも重要なポイントなので、しっかりとチェックして服装選びの参考にしてください。
1.難燃性の素材のものを選ぶ
難燃性の素材とは燃えにくい性質の素材のことです。主にホテルなどのカーテンや工事現場、火災現場の作業服に使われている素材です。キャンプ服にも使用されるようになりました。
キャンプでは、調理や焚き火など屋外で火を使うシーンが多く、火の粉で火傷や火災につながる事故が少なくありません。
石油が原料のポリエステル繊維はとくに、一旦燃えだすと一気に燃えあがってしまいます。料理中に風が吹いて袖口に火があたると大事故になる可能性もあります。
ポリエステルを防火加工した素材もありますが、通気性や吸汗性が損なわれているため夏キャンプには適しません。
事故やケガの予防だけでなく、大切な服に穴が開くのを防ぐためにも火を使うシーンでは難燃性素材の服を着用しましょう。
2.長袖・長ズボンを選ぶ
夏キャンプでは長袖・長ズボンを着用して肌を極力出さないようにしましょう。その理由はふたつあります。ひとつは蚊などの虫に刺されないようにするためです。とくに蚊は25〜30℃の気温になると活発になるので、肌を出していると蚊に血を吸われてしまいます。
春から夏にかけて水辺近くの草むらなどで発生するブユ(ブヨ・ブト)も注意が必要な虫です。刺されると痒みと腫れが長く続き、色素沈着を起こすことがあります。
自然が豊かな場所ではほかにも、アブやムカデなどの虫が多く発生します。肌の露出を減らして虫の攻撃から身を守りましょう。
ふたつめの理由は熱中症を予防するためです。強い紫外線を長時間浴び続けていると体内の水分が不足し、脱水状態で熱中症にかかりやすくなります。汗をしっかりとかき、汗を蒸発させるのが熱中症予防に有効です。
しかし半袖などで直接日光を浴びると身体があたたまり、体に熱がこもってしまいます。体に熱がこもってしまうのが熱中症の原因のひとつであるため、長袖・長ズボンを着用して直接日光を浴びないようにしましょう。
3.通気性のよいものを選ぶ
リネンやコットンなどの通気性のよい素材の服を着用するのがおすすめです。またズボンの裾を折ったり、首元のボタンを外したりするなど空気の出口を確保して熱中症対策をしましょう。
熱中症対策には、服の素材や着方を工夫して服のなかで空気の通り道をつくることが重要です。
とくに地面の熱で高温になる足元は気をつけたい点です。ズボンの裾から入ってくる熱で体全体があたためられてしまいます。熱がこもらないようにうまく熱を放出するのがポイントです。
4.動きやすい服装を選ぶ
荷物を車から出し入れするだけでも汗だくになってしまう夏キャンプでは動きやすい服装は基本といえるでしょう。
とくに伸縮性はとても大切です。テント設営時は腕を曲げたり伸ばしたりするため、伸縮性がないと余計な力が必要になり疲労も大きくなります。
また火を起こしたり調理をしたりとキャンプシーンでは立ち座りを繰り返します。ズボンの伸縮性がないと膝やお尻が破けてしまう可能性があるでしょう。
窮屈な服装は通気性が低いため疲れの原因になります。最後まで楽しむために動きやすい服装を意識しましょう。
5.防水性の高い素材のものを選ぶ
キャンプウェアには撥水加工と防水加工のものがあります。そのうち水を通さない防水加工がおすすめです。
雨が降ることを想定した服装選びでは、雨のなか撤収作業をする可能性があることを考慮して防水性の高い素材のアウターを準備しましょう。
夏のキャンプは、急な雨に見舞われることが多々あります。撥水加工の蒸れにくい点はメリットですが、雨のなかで撤収をしなければならない場合はあまり意味がありません。防水加工は強い雨でも水を通しませんよ。
6.速乾性の高い素材を選ぶ
炎天下でテント設営をする機会が多い夏キャンプでは想像以上に汗をかきます。とくに汗をかきやすい体質の人や汗のにおいが気になる人は速乾性の高い素材がおすすめです。汗冷えを防げるうえ、汗臭さも気にならず快適に過ごせます。
またビーチや川の近くでキャンプをする場合、川遊びや釣りなど水辺のアクティビティが豊富です。濡れた洋服を翌朝も着れるように速乾性の高い素材を選ぶとよいでしょう。
夏キャンプにおける場面別メンズコーデ
次は、おすすめのコーディネートを場面別にご紹介します。キャンプシーンを想像し、どのような準備が必要かを参考にしてくださいね。
焚き火をするとき
焚き火をする際は火の粉から身を守る服装を意識しましょう。火の粉を抑えるコツはいくつかありますが、火の粉の飛散を完全に防ぐのは困難です。
火の粉が飛んでくることを前提に、火の粉で穴が空きにくいコットンや難燃性の素材を選びましょう。
半袖・半ズボンなどで肌を出していると火傷を負うことがあります。できるだけ肌を露出しないような服装を意識しましょう。具体的なおすすめのコーディネートは以下のとおりです。
- 難燃性素材のアウター
- コットン100%など天然素材の長ズボン
- 難燃性素材のブーツ
とくにmont-bell(モンベル)の「フエゴパーカ」や「フエゴ アノラック」は薄手なので夏キャンプにぴったりでしょう。
火の粉がついても穴が空きにくい独自開発の難燃性素材を使用しています。朝晩の冷え込みに対応できるうえ、秋冬はダウンの上から羽織れるのでオールシーズン活躍します。
シンプルなデザインでタウンユースも可能です。ひとつ持っているととても便利ですよ。
登山をするとき
夏キャンプで登山を楽しむ際はレイヤリングがポイントです。気温や天候の激しい変化に対応できる服装が必須でしょう。ベースレイヤー・ミドルレイヤー・アウターレイヤーを使い分けて適切な服装で登山をしましょう。
標高が高い山の場合、夏でも冬のような寒さになる可能性があります。逆に標高が1,000m未満の低山では、汗対策を重視したレイヤリングが重要です。登山のレイヤリングは以下の記事で詳しく紹介しているのでぜひ参考にしてください。
川遊びをするとき
川遊びを楽しむ場合は、速乾性のあるTシャツやハーフパンツがおすすめです。川は海に比べ水温が低いため、濡れたまま長時間過ごすと体が冷えてしまいます。風邪をひかないように着たままでも乾く素材を選びましょう。
川から上がったら直射日光があたる場所で休憩したり、太陽であたためられた岩の上に寝転んだりして冷えた体と一緒に服も乾かしましょう。
ラッシュガードは保温性がないため、着用したままだと逆に体が冷えてしまいます。日焼け対策でラッシュガードを着用する際は川から上がったらすぐに脱ぎましょう。スパッツも同様に体全体が冷えてしまうので川遊びでは履かないほうがベターです。
なお川遊びのシーンでおすすめの服装は以下のとおりです。
- 速乾性のあるTシャツ
- 速乾性のあるハーフパンツ
- マリンシューズ
THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)の「ラッスルショーツ」は水に濡れてもすぐに乾くため、トレッキングだけでなく川遊びにもぴったりです。デザイン性も高いのでキャンプでもタウンユースでも大活躍しますよ。
以下の記事では、メンズキャンプにおすすめの服装のポイントとコーデを季節ごとに紹介しています。ぜひこちらも参考にしてください。
夏キャンプで持っていくと便利なアイテム
夏のキャンプシーンで活躍するアイテムを紹介します。熱中症対策にも必須のアイテムなので最後までぜひチェックしてください。
サングラス
「日焼けは目から」といわれているように、日焼け対策にサングラスは必須アイテムです。目から入ってきた強い日差しを脳が認識すると肌にメラニン色素を出すように命令します。そのため肌に日差しがあたるのと同じように目からも日焼けが起こります。
目を保護するだけでなく紫外線対策と熱中症予防のためにもサングラスをかけましょう。視界をクリアにしたい場合はレンズの性能で選ぶとよいでしょう。重視すべきは偏光度と可視光透過率です。
偏光とは特定方向の光を遮断することです。偏光レンズを使用すると光の乱反射が抑えられるので、目が疲れることなく物がはっきりと見えやすくなります。
可視光透過率とはレンズが光を通す割合を指します。アウトドア用のサングラスには、偏光度が99%で可視光透過率が30%程度のレンズがおすすめです。
Ray-Ban(レイバン)の「RB4260D」は、明るさを維持したまま眩しさを抑えるブランドオリジナルの偏光レンズを使用しています。アジア人の顔立ちにフィットするようにデザインされているので快適なつけ心地を体感できるでしょう。水面や水中が見えやすくなるので釣りを楽しみたい人にもぴったりです。
帽子
夏のキャンプで帽子は欠かせないアイテムです。直射日光を受けやすい頭部を保護できるので、帽子の有無で直射日光による疲労感が変わります。つばがある帽子は、目に入る紫外線を軽減できるので日焼け対策にも有効です。
おすすめはサファリハットです。実用性と耐久性が高いのでアウトドア愛好者から人気があります。つばの広さとあご紐が大きな特徴であり、通気性・速乾性・耐久性などが優れた高機能なものが多く販売されています。
THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)の「フリーランハット」は、通気性が抜群なのでアウトドアシーンにおすすめです。空気が抜ける仕組みになっており、ハット内が蒸れて汗臭くなるのを防ぎます。
つばが柔らかいため小さく丸めて収納できます。重量が約80gと軽量なのも好印象です。ランニング・登山・フェス・キャンプ・日常使いなど幅広い用途で使用したい人にぴったりです。
レインウェア
急な天候の変化に対応するために防水加工のあるレインウェアをひとつ備えておきましょう。
夏は雨が降って一気に気温が下がるほかに蒸し暑くなるケースもあります。そのため汗を外に逃がす機能である防水透湿性(ぼうすいとうしつせい)があるかもチェックしてください。
防水性・透湿性・軽量性を兼ね備えたmont-bell(モンベル)のレインウエア「ストームクルーザー」がおすすめです。
非常に薄いニット素材を裏地に使用しているので軽い着心地ですよ。ゆったり着られるサイズ感で動きやすいうえ、腰回りが突っ張らないのも魅力です。
超軽量かつコンパクトなので、キャンプだけでなく登山をする人にもチェックしてほしい商品です。
スポーツサンダル
夏キャンプでは、濡れても大丈夫な水陸両用のスポーツサンダルがとても便利です。汗や泥で汚れてしまった場合はさっと水をかければOKでしょう。すぐに洗えるので朝露で芝生が濡れていても気にせず歩けます。
また海や川など水辺のシーンでも大活躍します。水中で脱げると紛失する可能性があるので、かかと部分がホールドされたタイプを選びましょう。
おすすめのスポーツサンダルはKEEN(キーン)の「HYPERPORT H2」です。使いやすさ・機能性・デザイン性の高さから、海や川のアクティビティをする人に圧倒的に人気です。
防滑性(ぼうかつせい)があるソールで滑りやすい川底でも快適に歩けるためリバートレッキングに適しています。つま先が保護されているのも魅力です。
UVカットパーカー
夏キャンプにおすすめの服装として長袖・長ズボンがよいと前述しました。
半袖の上にUVカットパーカーを羽織るスタイルでもOKです。サラッとした薄手のUVカットパーカーは、服の中の空気循環がよくなり熱がこもるのを防げます。また朝晩の寒暖差対策にも有効でしょう。
Columbia(コロンビア)の「ポーラー パイオニア II フルジップ フーディー」は、汗を利用して生地を素早く冷却する機能がついた夏に適した前開きフーディーです。
吸汗速乾機能でサラッとした着心地を維持します。またUVカット機能付きなので日焼け対策にもおすすめです。
デザイン性の高い柄物やシンプルな無地など幅広い種類を展開しています。体型や好みにあわせて、XS~XLのサイズ展開から選べるのもうれしいポイントですね。キャンプだけでなく日常生活やスポーツで着用したい人にもぴったりです。
吸水速乾性のあるインナー
吸水速乾性のあるインナーをレイヤリングすると、汗冷えや汗のベタつきが軽減されて快適に過ごせます。抗菌防臭性があるものがとくにおすすめです。
finetrack(ファイントラック)の「ネオリーフインナーT」は吸汗速乾性に優れたアウトドア用インナーウエアです。抗菌防臭加工で汗臭さを軽減できるのが魅力です。コットンのような優しい肌ざわりなので、化学繊維の肌触りが苦手な人におすすめですよ。
防虫機能付きのウェア
虫が気になる人は、虫を寄せつけない特殊加工が繊維に施された防虫機能つきのウェアを用意するとよいでしょう。自然が多い場所でキャンプをする機会が多い人は要チェックです。
FoxFire(フォックスファイヤー)の「SCドットオンクルー」は、防虫機能だけでなく吸汗速乾・UVカット機能・接触冷感機能も備えた高機能なロングスリーブTシャツです。通気性が確保された柔らかい素材で着心地も抜群です。
しっかりと防虫効果を発揮するので、肌への負担を考慮して虫除けスプレーをつけたくない人は必見です。
まとめ
強い日差しのなかで過ごす夏キャンプでは過酷な暑さを感じます。そのため暑さ・日焼け・熱中症対策を意識して服を準備しましょう。夏はリバートレッキング・カヤック・シュノーケルなどが楽しめる時期です。夏キャンプを満喫するためにも、今回紹介した服選びのポイントをしっかりとチェックしてくださいね。そして家族や友達同士でアクティブな夏を過ごしましょう。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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