キャンプの醍醐味といえば焚き火。炎を眺めながら仲間と会話を楽しんだり、お酒を飲んだりするのは本当に楽しい時間です。人を魅了する焚き火ですが、衣類につくにおいが気になる人も多いかもしれません。今回はそんな焚き火のにおいを消臭する方法を紹介します。
焚き火のにおいとは?
木材はセルロース、ヘミセルロースで構成されています。セルロースとは植物の細胞壁や繊維の主成分で、不溶性植物繊維の一種です。ヘミセルロースは植物の細胞壁に含まれる不溶性の多糖類。焚き火のにおいはそれらが熱分解をしたものです。
セルロースやヘミセルロースを熱分解するとカラメルのような香りや酸っぱいにおいがします。これらが焚き火のにおいの主な原因です。
焚き火のにおいを消す方法
しつこい焚き火のにおいがが消えると言われている方法をまとめました。筆者も試した方法もあり、忖度なしで評価しています。
アウトドア用消臭スプレー
一般的に販売されている衣類用の消臭スプレーは焚き火のにおいにも効きますが、アウトドア用の消臭スプレーのほうが焚き火やバーベキューによる煙臭を消臭するのに特化しています。ダウンのように自宅で洗いにくいアウターやシュラフなどには消臭スプレーがぴったりです。
酸素系漂白剤でにおいを断つ
焚き火の煙は繊維に染み込みやすくにおいが取れにくいのですが、酸素系漂白剤を使うことである程度除去できます。塩素系は色落ちするので必ず酸素系のものを選びましょう。
また、酸素系は色落ちしにくいですが、ウールやシルクなどのデリケート素材は生地を傷めるので使用しないように注意しましょう。
準備するもの
・酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)
・ぬるま湯(40〜50℃)
・バケツや洗い桶
手順
- バケツに40〜50℃のお湯を入れます。
- 酸素系漂白剤を適量(大さじ1〜2杯)溶かします。
- においがついた衣類を1〜2時間つけ置きします。つけ置き後はしっかりすすいで、におい残りを防ぎましょう。
- その後、通常どおり洗濯してください。
- 干すときは直射日光ではなく風通しのよい日陰で乾燥させると、よりにおいが抜けやすいですよ。
蒸気でにおいを飛ばす
洗濯しづらいアウターに焚き火のにおいがついた場合は、蒸気を利用した方法で効果的に消臭できます。まず、アウター全体に消臭スプレーまたは重曹スプレーを吹きかけてください。
その後、湯気の立った浴室に吊るし、換気扇を回した状態で15分ほど放置します。最後に風通しのよい場所で陰干しし、湿気をしっかり飛ばすことが重要です。
この方法は細かい水の粒子が蒸発とともににおいを除去してくれます。ただし、湿気が残るとにおいいやカビの原因になるため、完全に乾燥させることがポイントです。
重曹
重曹はにおいの成分を吸着・中和する働きがあるため、洗濯できないものにも使いやすいです。以下の方法を試してみましょう。
①重曹をまぶして放置
衣類や寝袋などは、重曹をまぶすことでにおいを除去できます。
手順
- においがついた衣類や寝袋を広げます。
- とくににおいの強い部分に重点的に、重曹を全体に軽くふりかけます。
- 2〜3時間、できれば一晩くらい放置しましょう。
- その後、ブラシや掃除機で重曹を払い落とします。
②重曹水スプレーで消臭
テントのような大きいものは重曹水スプレーを噴霧したほうがストレスになりません。
準備するもの
①水 200mL
②重曹 小さじ1
手順
- スプレーボトルに水と重曹を入れ、よく振って溶かします。
- においが気になる部分にスプレーします。
- 風通しのよい場所で乾かしましょう。
ダウン用の洗剤で洗う
焚き火のにおいを除去するのに洗濯するのが最も効果的ですが、ダウンのように普通の洗剤で洗えないものはダウン用の洗剤をおすすめします。蒸気でにおいを飛ばす方法もありますが、しっかりとにおいをとるには専用の洗剤で洗ったほうがよいでしょう。
また、ダウンジャケットをクリーニングに依頼すると2,000〜3,000円ほどが相場です。ダウン専用の洗剤を使用すれば、何回か使用できるので経済的ですよ。ただし、洗濯する際には使用上の注意点をしっかり読んで洗いましょう。
洗濯後は乾燥機にかけると、ダウンジャケットのふんわり感や保温力の回復も見込めます。
ライター
Zen
キャンプとお酒をこよなく愛する中年キャンパーです。ソロからファミリーキャンプをしていましたが、子供の成長もあり最近はソロがメイン。酒はウイスキーが好きで資格を有するほどです。健康管理も怠らず週末のランニングが日課。これまでフルマラソンは5回以上完走しています。