年々海外で加熱するファットバイク熱
ファットバイクの起源は諸説ありますが、アメリカやカナダ、アラスカなど厳しい冬道を走るために開発された自転車です。
初めて市販のファットバイクを生み出したアメリカや、冬が厳しくもともとマウンテンバイクが活発なカナダでは、すでにポピュラーな自転車のひとつになっています。
日本でも近年、ファットバイクが流通しスキーリゾートでもファットバイクレースが活発に行われ、なじみのある自転車になりつつあります。
欧米でも同じように、スキーリゾートやトレイルの一角を利用したファットバイクレースが行われていますが、盛り上がりはそれだけにとどまりません。
今回は、海外で盛り上がりを見せる大規模ファットバイクレースの一部をご紹介します。
北米最大規模の雪上レース『Frosty’s Fat Bike Series』
まず紹介するのは、ファットバイクのお家芸でもあるスノーライドレースです。
アメリカとカナダをまたにかける北米最大規模のファットバイクイベントで、多くのスポンサーと後援者により賞金も用意されています。
開催期間は3日間、クロスカントリーやダウンヒルなどマウンテンバイクレースを模した本格的なセクションを走破する過酷なレースです。
ライドのみならず、氷点下20度を下回る過酷な環境もライダーたちの前に立ちはだかります。
賞金獲得を目指すライダーはもちろん、北米のファットバイク愛好家のミーティングとしての価値もあり大人気のイベントです。
幅広いアマチュア参加枠を用意しているので、もし渡米する情熱があれば、あなたも世界最大級のファットバイクイベントに参加してみてはいかがでしょうか?
春もファットバイクを楽しむなら『全米オープンファットバイクビーチレース』
ファットバイクの太いタイヤは通常の自転車が苦手とする緩い路面に適していて、雪道だけでなく砂浜の走行も得意としています。
その特性を生かして、雪のない春も楽しもうというイベントが全米オープンファットバイクビーチレースです。
ノースカロライナ州で行われたこのイベントは砂浜を走る耐久レースとして行われ、雪のない時期をもてあます多くのライダーが参加を熱望するイベントです。
ハリケーンの影響もあり2019年度の開催は危ぶまれましたが、有志の支援もあり復興の柱として開催されました。
2018年には100人を超えるエントリーがあり、主催者は2019年の参加枠を200人まで増やすことを決定するなど、年々規模を拡大しています。
日本でもこれを参考にビーチライドイベントが増えていくかもしれませんね。
全米チャンピオンを目指して『全米ファットバイク選手権』
ファットバイクは乗りこなす楽しさを提供する自転車なので、誰でも参加できるイベント性の高いレースが多いですが、それらとは一線を画すレースが米国サイクリング全国ファットバイク選手権です。
主催するUSA Cyclingはアメリカのライダーをサポートする団体で、各種自転車レースのプロライダーからアマチュアの育成まで幅広く手がけています。
全米ファットバイク選手権もその一環として開催され、同団体の認定したレースライセンスを持っていなければ参加することはできません。
これまでファンライド用として認知されてきたファットバイクで本気のレースが開催されるのは、画期的なことです。
競技性の高いイベントが活発になることで、これまでの競技用自転車と同じように競技のなかで開発競争が行われ、ファットバイクの技術やサプライの充実の足がけになるでしょう。
世界唯一のUCI認定レース『スノーバイクフェスティバル』
スノーバイクフェスティバルは、スイスのグスタードで開催されるファットバイクイベントです。
イベント自体はレンタルバイクも用意され、子供から大人まで気軽に参加できるイベントですが、スノーバイクフェスティバルが特質な点はUCI認定レースの開催があることです。
UCIはUnion Cycliste Internationaleの略称で、世界の自転車レースを統括する団体です。
スノーバイクフェスティバルは、世界で初めてUCIの認定を受けファットバイクレースを行っています。
UCI認定レースとほかのイベントの違いは「UCIポイント」を獲得できることで、UCIポイントの獲得ランキングは世界選手権やオリンピックへの出場を目指すライダーには重要なのです。
スノーバイクフェスティバルのレースはマウンテンバイクのクラス1レースとして認定されていますが、独立したファットバイクの競技化への大きな一歩と言えるでしょう。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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