雪山登山では、汗冷え対策が必須。フリースやダウンは濡れに弱く、通気性がいまいちな場合も。今回は、雪山登山に向いている化繊インサレーションについて説明します。特徴や選び方だけでなく、おすすめ商品も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

化繊インサレーションとは?

化繊インサレーション

化繊インサレーションとは、化学繊維を用いた防寒着のことです。主に、ポリエステルやナイロンを、綿状の保温素材として使用しています。運動量の多い場面を想定した製品は、アクティブインサレーションとも呼ばれます。

化繊インサレーションが雪山登山で活躍する2つの理由

化繊インサレーション

化繊インサレーションは、雪山登山で活躍します。特徴は以下の2つ。

①濡れても保温性が低下しにくい

②通気性がよい

それぞれの特徴について、詳しくみていきましょう。

①濡れても保温性が低下しにくい

濡れても温かさを維持しやすいのが、化繊インサレーションの特徴です。ウェアの保温力は、中綿の厚さが決め手となります。化繊綿は、濡れても厚みがあまり減らず、保温力が維持されやすいのです。

化繊綿とダウンの違いは、下記リンク先のページで詳しく紹介しています。

ダウンジャケットと化繊ジャケットの違いは?メリット・デメリットで使い分けよう!

②通気性がよい

化繊綿は、空気が抜けやすいのも特徴です。体から発せられた水蒸気が、ウェア外に排出されやすく、蒸れにくくなっています。

アウターに防水透湿性の高いウェアを着用すれば、風や水の侵入を防ぎつつ、ウェア内の蒸れが軽減されます。

化繊インサレーションの代表的な2つの着用シーン

化繊インサレーション

化繊インサレーションは、汎用性の高さも特徴です。代表的な着用シーンを2つ紹介します。

着用シーン① 雪山登山の行動中間着として

化繊インサレーションは、雪山登山の行動中に着るミドルウェアとして最適です。雪山登山では、以下2つのシチュエーションが想定されます。

①蒸れやすい

②汗をかきやすい

それぞれのポイントを詳しく説明します。

①蒸れやすい

雪山では、ウェア内外の温度差が大きくなるため、じっとしているだけでも蒸れやすい状況になります。蒸れを防ぐポイントは、ウェア内の通気性。化繊インサレーションは、空気が通りやすく、ウェア内を快適にしてくれます。

②汗をかきやすい

雪山登山では、汗ばむ場面が多くなります。例えば、雪をかき分けて進んでいくシーン。雪の量が多いと、少し進むために多くのエネルギーが必要なので、汗ばむことが増えます。

化繊インサレーションを着用していれば、このようなシーンでも、ウェア内は蒸れにくくなります。

着用シーン② 携帯用の防寒着として

化繊インサレーションは、春~秋にかけての登山で、防寒着として携帯するのにも最適。以下の3つの特徴により、持ち運びやすく気軽に使えます。

①携帯しやすい

②修復しやすい

③洗いやすい

それぞれの特徴について、詳しくみていきましょう。

①携帯しやすい

圧縮して収納でき、500mLのペットボトルくらいの大きさになる製品もあるので、携帯しやすいのが特徴。ザック内を圧迫しない容量で、毎回持ち運んでも気にならないくらいコンパクトになるでしょう。

②修復しやすい

穴が開いても中綿が抜けないので、ユーザー自身で修復できます。リペアパッチを張り付けたり、縫い合わせたりすれば、メーカーに依頼せずとも修復可能です。

ダウンインサレーションの場合は、小さな穴でも、羽毛がスルスルと抜けていきます。失った羽毛が多い場合、補充してから穴を塞がないと、保温力が元に戻りません。

③洗いやすい

気軽に洗えるのもうれしいポイントです。化繊素材自体の耐久性が高く、洗っても製品があまり傷みません。素材の速乾性が高い点も、洗いやすい理由のひとつです。実際、多くの化繊インサレーションは、自宅の洗濯機で洗えます。

ダウンは、自宅の洗濯機では洗えません。手洗いが基本です。乾燥時も、一筋縄ではいきません。なかなか乾きにくかったり、羽毛同士が固着してしまったりといった不便さがあります。

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Greenfield編集部

【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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