カーボンニュートラルとは?
カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出量を全体でゼロにすることです。つまり、温室効果ガスが排出される量から、吸収量・除去量を差し引いて、プラスマイナスゼロにすること。世界的な目標として、日本政府もカーボンニュートラルの達成を目指していますよ。
温室効果ガスには、二酸化炭素・メタン・窒素・フロンガスなどがあります。太陽からの熱を地球上にためて暖めることから、温室効果ガスと呼ばれているのです。
こうした温室効果ガスは、わたしたちの日常生活や経済活動で常に排出されています。たとえば、さまざまなものを燃やすときや電気をつくるとき、車を運転するときなどです。また、牛などの家畜のゲップからも発生しています。
温室効果ガスの排出をゼロにすることはできません。しかし、減らすことは可能です。
温室効果ガスの排出を緩和する方法としては、電気自動車やクリーンエネルギーの導入、ゴミの削減などがあげられます。また、温室効果ガスを吸収する方法には、大規模な植林や、都市の緑化を推進するなどがありますね。
日本でも2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルの目標が掲げられています。
なぜカーボンニュートラルが注目されているの?
そもそもなぜグローバルな規模でカーボンニュートラルが注目されているのか、あらためて考えてみましょう。2つの大きな理由を説明します。
気候危機への対策のため
2019月9月、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)で、国連のグテーレス事務総長が「気候変動はもはや気候危機である」と発言しました。地球温暖化が進み、さまざまな環境問題が起きていることに対して警鐘を鳴らしたのです。
地球上では今、以下のようなことが起きています。
- 極地や山地での氷河・氷床の融解
- 海水面の上昇
- 異常気象による大規模な災害
- サンゴ礁の減少
- 作物の収穫量の減少や干ばつ
- 森林火災
- 海洋の酸性化
こうした現状は、人類だけでなく、多くの生き物や植物にも影響を与えています。地球上のさまざまな生命が存続するための、基盤さえも揺るがしかねない状態です。そのため、気候変動よりもさらに深刻な「気候危機」が叫ばれるようになりました。
気候危機への対策として世界的に急がれるのが、カーボンニュートラルへの取り組みです。2015年には、多国間での合意としてパリ協定が成立していますよ。温室効果ガスの排出量を減らすために、世界共通の長期的な目標が掲げられたのです。
温室効果ガスの排出量を抑えるため
温室効果ガスの排出量を減らせば、地球の気温が上昇することを抑えられます。前述のとおり、温室効果ガスとは二酸化炭素やメタンなどのこと。こうした地球を暖めてしまう温室効果ガスは、気候危機の大きな原因です。
日本では温室効果ガスの約6割が、日々の消費活動で発生するとされています。国だけでなく企業や個人も含めて、カーボンニュートラルへの取り組みが必要とされているのです。
出典:国立環境研究所「脱炭素型ライフスタイルの選択肢」
個人でできるカーボンニュートラルへの取り組み3選
カーボンニュートラルは、企業や政府など大きな組織が取り組むイメージがあるかもしれません。しかし、わたしたちにも取り組めることがあります。日常生活のなかで手軽にできる、カーボンニュートラルへの取り組みを3つ紹介しましょう。
①食品ロスを減らす
食品ロスとは、食べ残しや賞味期限が近いなどの理由で破棄された食品です。食品ロスを焼却処理するためには、多くのエネルギーが必要になります。つまり、食品ロスを減らせば、二酸化炭素の排出量の削減にも役立つということです。
まずは買いものに行く前に冷蔵庫のなかをチェックし、必要なときに必要なぶんだけ買いましょう。また、食材を長持ちさせる保存方法を覚えると、破棄する量を減らせます。
たとえば、大根は葉の部分を切り落として冷蔵庫で保存すれば、葉に栄養をとられず長持ちしますよ。きのこやネギなど冷凍できる食材は冷凍庫に入れて、保存期間を延ばすようにしてくださいね。
②シャワーヘッドを変える
節水可能なシャワーヘッドに交換すると、二酸化炭素の排出量も減らせます。
家庭でつかう水量は、入浴時が大きな割合をしめていますよね。また、お湯もつかうので電気やガスを消費します。こうしたエネルギーをつくるときには二酸化炭素を排出するため、環境への負荷が生じてしまうのが難点です。
節水できるシャワーヘッドをつかえば、水の節約になるだけでなく、二酸化炭素の排出削減にも貢献できますよ。
③植物を育てる
植物を育てて、二酸化炭素の吸収量を増やしましょう。植物の光合成で、二酸化炭素を吸収して酸素をつくりだします。木を植えることは大事なカーボンニュートラルの行動です。
とはいえ、家に木を植えるのはたいへんですよね。そこで、手軽に育てられる観葉植物がおすすめです。観葉植物の小さいサイズでも、年間約0.2kgの二酸化炭素を吸収するといわれています。
初心者におすすめの観葉植物は、手入れがしやすいパキラ・ポトス・サンスベリアなどです。日があたる窓辺に置き、適度に水をあげればすくすくと成長します。観葉植物はインテリアにもなり、部屋の雰囲気が明るくなりますよね。
窓辺の小さな観葉植物を眺めながら、地球環境のために自分になにができるのか、思いをめぐらせてみてはいかがでしょうか。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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