9月5日にスペイン・ガリシア地方のサンティアゴ・デ・コンポステーラにて、3週間のレースを終えたブエルタ・エスパーニャ。プリモッシュ・ログリッジ(ジュンボ・ビズマ)の3連覇で幕を下ろした今年のブエルタの主要な動きを、この記事で紹介します。

ファビオ・アルの引退宣言で幕開けしたブエルタ・エスパーニャ

ブエルタ・エスパーニャ ロードバイク

今年のブエルタ・エスパーニャの最初の大ニュースは、イタリア人サイクリストのファビオ・アル(クベッカ)の引退宣言でした。レース2日前のチームプレゼンテーションに合わせてチームから発表されたこのニュース。

そして、チームプレゼンテーションのあとに報道陣の質問に応えたアルは「もう、引退する時期が来たということ。家族と一緒にいる時間などを、自分の生活の中に取り戻したい」と話しました。

ブエルタの第2週目には体調不良からリタイアの可能性も噂されたアルでしたが、最終週になりスペイン北部がレースの舞台となると、彼の体調も一気に回復。

上りの多いステージでは一時はステージ優勝争いに加わるなど、ブエルタ後半戦を盛り上げた選手の一人となりました。

最終第21ステージの個人タイムトライアルを終えたアルは、こころなしか少し目を赤くしながら、報道陣の質問に一つ一つ丁寧に応えていきます。

そして30分以上かけてすべての報道陣の質問に応えたアルがその場を離れようとすると、居合わせた報道陣やファンからの温かな拍手が彼に送られました。

そして、この日がファビオ・アルにとって現役プロサイクリストとして最後のレースとなったのです。

 

【ブエルタ・エスパーニャ2021】今年はスタート・ゴールに観客の姿が

ブエルタ・エスパーニャ ロードバイク

今年も様々な新型コロナウイルの感染対策が実施された上で、ブエルタ・エスパーニャが開催されました。

ブエルタ内で働く人は、報道陣も含めて、常時マスクの着用が義務付けられていましたし、スタート前のサイン台に近づくことができるカメラマンの数は非常に少人数に制限されました。

また、選手や監督へのインタビュー取材も現場に設置されたミックスゾーンでのみ行うことができした。

しかし、今年と昨年のブエルタの最大の違いは、今年はスタート・ゴール地点に観客の姿が見られたことにあります。

昨年はまったく見られなかった観客の姿でしたが、今年はどのステージにも大勢の観客が集まり「やはり自転車レースはこうでなきゃね」と、選手たちを笑顔にさせていました。

観客が集まるようになったことで、昨年は見られなかったオフィシャル・グッズを販売する店やレース前のスポンサーによるキャラバンカーの隊列も復活しました。

観客が選手にサインやセルフィを頼むことは基本的には禁止されていたのですが、中には警備する警察官の目を盗んでこっそりお目当ての選手と一緒の写真を撮っている観客もいて、少しずつ「いつものブエルタ・エスパーニャ」へと戻る様子が見られました。

9月5日にスペイン・ガリシア地方のサンティアゴ・デ・コンポステーラにて、3週間のレースを終えたブエルタ・エスパーニャ。プリモッシュ・ログリッジ(ジュンボ・ビズマ)の3連覇で幕を下ろした今年のブエルタの主要な動きを、この記事で紹介します。

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Greenfield編集部

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