皆さんは、環境再生医という資格をご存知ですか。
環境再生医は、自然環境を保全したり再生させたりするドクターのような存在です。
今回は環境再生医とはどういう資格なのか、資格の取得方法や、どのような活動をしているのかご紹介します。
 

自然環境復元協会の資格制度、環境再生医ってなに?

SDGs 資格

 

環境再生医は、特定非営利(NPO)法人自然環境復元協会が制定する資格制度で、この団体の主務省は環境省です。

初級・中級・上級の3段階があり、実務経験や受講内容によって受験資格が異なります。

自然環境に関する専門的な知識を持ち、公共機関や地域住民、教育機関、企業などさまざまな組織と協働しながら、自然環境の保全と再生活動の推進をおこなっているのが環境再生医です。

環境再生医は、地域の自然環境保全に深くかかわり、身近な自然環境を守るお医者さんのような存在を目指しています。

 

 

環境再生医はSDGsの推進役を担う役割も

SDGs 資格

 

地球温暖化による気候変動の課題は、もはや国や自治体だけで対応できるレベルではありません。

これからの未来への持続性を考えるうえで、市民活動から企業活動に至るまで、さまざまな立場が連携しながら、生物多様性を軸とした自然循環を保全する取り組みが急務となっています。

そのような状況のなか、幅広い分野の組織がその専門性を活かして問題解決に取り組むための環境づくりや推進役を担う役割が、環境再生医には求められています。

環境再生医には、SDGs(国連サミットで採択された持続可能な開発目標)や生物多様性・環境経営への取り組みについて、社会的信頼性を高めるものとして、産業と社会の環境化(環境負荷の最小化)の推進役という役割を与えられています。

 

環境再生医の資格を取得する方法は?

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環境再生医になるには?

環境再生医は、環境関連の業務において実務経験を持つ方を対象としており、初級・中級・上級の3つの階級があります。

年に1回、11月頃から翌年の2月頃にかけて「環境再生医 資格認定講習(試験含む)」を実施し、合格者は環境再生医として認定されます。

 

環境再生医の受験資格

環境再生医・初級の受験資格は、環境関連の業務において2年以上の実務経験がある方、もしくは環境関連の大学や専門学校(2年制以上の環境関連学校、学部・学科含む)の卒業者となっています。

中級の受験資格は、環境関連の業務において2年以上の実務経験がある方で、上級の受験資格は、環境関連の業務において10年以上の実務経験があり、10年のうち2年以上の指導経験があり、環境再生医・中級資格の保持者となっています。

実務経験については、環境に関する業務であれば、あらゆる分野が該当します。

具体的な事例としては、環境分野の企業。環境分野の団体や行政機関、研究機関、教育機関。環境分野に関係するNPO法人、市民団体。農業、林業、酪農業、漁業など第1次産業。自然保護や環境保護に関する商品を扱っている、またはテーマにしている店舗の運営。環境保全のボランティア活動などが挙げられます。

また、2年制以上の環境関連学校(学部・学科含む)の卒業者は、2年の実務経験を有することになり、環境関連の大学院(専攻含む)の在籍者または卒業者は、在学期間を実務経験とみなします。

 

環境再生医の初級・中級・上級の違い

環境再生医・初級は、環境再生の基礎的な知識を有し、活動を補佐することができます(環境保全活動のボランティア・リーダーなど)。

中級は、環境再生の専門的な知識を有し、さらにプロジェクトの一部を推進する力を持ち、プロジェクトリーダーの補佐を務めることができます(環境保全プロジェクトのサブリーダー)。

上級は、環境再生の専門的で広い知識を有し、さまざまな組織と協調しながら合意形成が推進できるスキルの持ち主となっています(環境保全プロジェクトのリーダーやコーディネーターなど)。

 

 

環境再生医の資格を持つとどんなメリットがある?

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現在、全国のさまざまな分野で6,000名近い方々が環境再生医として活躍しています。

環境再生医の資格取得者は、企業の環境部門やSDGs(国連サミットで採択された持続可能な開発目標)、ESG(環境、社会、ガバナンス)の担当者として活動することができます。

また、教育機関におけるSDGsやESGにも携わることが可能で、さらには公共機関や金融機におけるSDGs担当者、組織内での環境保全プロジェクトのリーダーやコーディネーターを務めることができます。

具体的には、企業内に設置されたエコ活動プロジェクトリーターとして、自治体や教育機関、環境NPOなどと協働しながら、森林の保全や河川敷クリーンアップ活動に取り組んでいる事例があります。

今後も、環境再生医の資格は「自然環境を守る」という大きな役割を担っていくことでしょう。

 

参考:自然環境復元協会 環境再生医

 

環境省を主務省とするNPO法人自然環境復元協会が制定する環境再生医についてご紹介しました。
近年はSDGs(国連が採択した持続可能な開発目標)に注目が集まっているので、環境再生医の資格があるとさまざまな分野で活躍の場が広がりそうですね。

ライター

Greenfield編集部

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