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登山では、天気図の読み方がわかると便利です。気圧の位置や風向きから、天候を予測できれば、悪天候を察知してリスクを回避しやすくなります。今回は、登山で役立つ天気図の読み方を紹介します。ぜひ、ポイントをマスターして、登山計画に役立てましょう!

 

山の天気が予測しにくい理由

登山 天気図の読み方

山の天気は変わりやすいため、天気予報の情報だけでは不十分です。晴れ予報だったのに、登っていたら雨が降ってきたという経験がある人も多いでしょう。

これは、山の地形が複雑で、標高差もさまざまだからです。急な斜面の影響により、風が吹くだけで上昇気流が発生することもあります。また、湿った空気が雨雲となり、悪天候を引き起こすことも。

予想外の天候は、低体温症や遭難事故へとつながるケースが高まるため、天気の急変に対する備えが欠かせません。登山に行くときは、上空付近の天気図もチェックしてから出発するのがおすすめです。

天気図と天気予報の違いや、天気図の読み方を覚えれば、登山中のリスク回避に役立ちます。詳細は後述しますので、ぜひ参考にしてください。

 

天気予報と天気図の違い

登山 天気図の読み方

天気予報と天気図の違いについて紹介します。それぞれの特徴をチェックしてみましょう。

天気予報

天気予報は、未来の気象を予測した情報です。気象庁や気象予報機関によって、数日から数週間分の予報が発表されます。

事前に天気予報を確認して登山へ出かけたはずが、あいにくの悪天候。これは、平地より標高が高く、山の地形が複雑なためです。平地とは気象条件が異なるので、登山をするときは、山岳気象予報を確認するとよいでしょう。

天気図

気象に関する情報を、記号や値などでわかりやすく記載した図のことを天気図と呼びます。おもに、気圧・等圧線・前線の位置が、地図上に表示されているのが特徴です。

また、天気図の種類には、地上と高層の2種類があります。地上天気図は、テレビでもよく目にするもので、高層天気図では、上空から見た気象状況が確認できます。登山に行くときは、高度の天気を予測するのに役立つ、高層天気図も参考にするとよいでしょう。

天気図を読む4つのポイント

登山 天気図の読み方

天気図を読むときに、おさえておきたいポイントは以下の4つです。

  • 気圧をチェックする
  • 等圧線をチェックする
  • 風向きや強さをチェックする
  • 前線をチェックする

ひとつずつ説明しますので、ぜひ覚えておきましょう。

①気圧をチェックする

天候を大きく左右するのが気圧です。気圧とは大気の圧力のことで、天気図では「高・低」または「H・L」と表記されます。

高気圧付近では、晴れるところが多くなり、反対に、低気圧付近では、曇りや雨が多くなるのが特徴です。記号の下にある気圧の数値にも注目し、登山前や行動中は、気圧の変化もチェックしておくとよいでしょう。

②等圧線をチェックする

等圧線から読みとれるのは、気圧の変化です。線と線のあいだが狭くなるほど、気圧の変化が激しくなります。

また、等圧線が狭く密集しているときは要注意。風が強く吹いて、天候が荒れる可能性があります。登頂前には、等圧線の間隔をチェックする習慣をつけておくのも大切です。

③風向きや強さをチェックする

登山 天気図の読み方

登山中の歩行に影響する、風向きや強さも確認しましょう。

風は、気圧の高いところから、低い方向に吹く傾向があります。風向きは、天気図の「高・低」の下に表示されている数値から、風の強さは等圧線の間隔で判断してください。間隔が広いところは風が弱まり、狭いところでは強い風が吹きます。

なお、風を遮るものがない稜線では、風速が予想以上に増すことも視野に入れておきましょう。

④前線をチェックする

天気図の前線の有無にも注目してください。なぜなら、前線付近では上昇気流が発生しやすく、発達した雲の影響で雨が降るからです。

なお、前線には4種類あり、それぞれに特徴があります。以下の表にまとめましたので、参考にしてください。

温暖前線 弱い雨が長く降り、通過後は気温が上昇する
寒冷前線 短時間に強い雨が降り、通過後は気温が低下する
停滞前線 梅雨のシーズンのように長雨がつづく
閉塞前線 寒冷前線が温暖前線に追いつき、暖気を押し上げる

前線の記号については、気象庁のサイトの「予想天気図の説明」も確認してみましょう。

気圧がもたらす危険性や対策については、以下の記事もご覧ください。

秋冬登山 温帯低気圧の注意
秋冬登山は温帯低気圧に注意!低体温症の危険性や必要な装備を紹介

 

便利なお天気アプリを活用しよう!

登山 天気図の読み方

「天気図の読み方がよくわからない」という人には、お天気アプリがおすすめです。いくつかあるアプリのなかから、3つ紹介するので参考にしてみてください。

てんきとくらす

無料でつかえる範囲が充実している天気情報サイトです。登りたい山を選択すると、気温・風速などが、時間ごとにチェックできます。とくに、快適に山を登れるかどうか、高度別に表示してくれる登山指数が重宝するでしょう。

ただし、無料で得られるのは直近の情報のみです。10日以上先の計画を立てたい人や、リアルタイムで雨雲や雷の情報を知るには、有料サービスへの登録を検討しましょう。

参考:てんきとくらす

登山天気tenki.jp

日本気象協会が提供している公式アプリです。山のふもとや登山口、山頂など、ピンポイントで天候を確認できるのが魅力。登山計画を立てるときも役立つでしょう。また、雨雲の動きや落雷の危険度もわかるため、早めに撤退するときの判断材料となります。

なお、こちらのアプリは有料ですが、1か月間は無料で試せるのがうれしいところです。

参考:登山天気tenki.jp

ヤマテン

山岳専門の気象予報士が監修している、天気予報サービス。登山者の目線で、情報を提供してくれるアプリです。

気圧や降水予報、高度予想図など、最長10日先まで専門天気図が閲覧できるので、山に登る計画がたてやすいところがGOOD!また、月額330円(税込)で、すべての機能が使用できる点も申し分ないでしょう。

参考:ヤマテン

天気図が読めると、登山計画が立てやすくなります。理由は、天気図から風向きや強さ、天気の兆候を予測できるようになるから。よく天気予報と混同されがちですが、気象に関する状況を、記号や数値で地図に記したものが天気図です。この記事で紹介した4つのポイントを覚えるだけでも、役立つシーンが増えるでしょう。便利なお天気アプリを活用するのもおすすめです。日ごろから天気図をチェックし、山の絶景を堪能しましょう。

ライター

Greenfield編集部

【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。